とまあ、解くこと自体は簡単だし特に面白くもない。
面白いのは、むしろ
>>713の問題文そのものである。
問題文は
>ある分数の値を求めよ。
>ただしその分数とは、分子が1である。
>また、分母は、その分数自体に1を加えたものである。
と言っているので、この分数の値をもう一度 X と置くと、それは以下のように書ける。
X=1/(1+1/(1+1/(1+1/(1+・・・・・・・・・)))) --- Eq.3
ただし 「・・・・・・・・・」の部分は、同じ操作を無限回くりかえす。
1行の式で書くとよくわからないが、Wikipedia の「分数」の説明の中で、
「繁分数」を示す式が載っていて、その式の中で a0=0、それ以外の a と b を
すべて1と置いた式と同じ。こういう形をしている。
・・・間違えました。「繁分数」ではなく「連分数」です。
Eq.3 が、もし有限回で打ち切られているとすると、一番最後の括弧の中は
(1+1/(1+1))となっていて、これは (1+1/2) と等しいから、
通分すると (1+1/2)=3/2 となる。
同様に、順番に通分していくと、最後はひとつの分数になって、分子も分母も
整数になる。つまり、Xの値は「有理数」である。
しかし、Eq.3が無限回続いていると、
>>721氏の答のとおり、Xの値は「無理数」となる。
また、問題文の3行目が
>また、分母は、その分数自体を1から引いたものである。
となっていると、やはり有限回操作では Xは「有理数」になるが、無限回続くと、
解くべき二次方程式は X^2 −X+1=0 となり、その解は
X= (1 土 i√3 )/ 2
つまり「複素数」となる。
これは要するに、演算規則が同じでも、有限回の演算と無限回の演算とでは
結果が本質的に異なることの例である。ただしそれだけなら、円周率を級数で
求める公式では各項は有理数だが無限和をとると π/4 つまり無理数になる、
など、他にも例がある。
>>713の問題にはもっと深い意味があって、関数
f(x)=1/(1+x)
を定義すると、
>>713の題意に合う方程式は f(x)=x となる。
ということは、当然 f(f(x))=x であるし、 f(f(f(x)))=x であるし、
以下同様に f(f(f(・・・f(x)・・・)))=x が成り立つ。
これは自己相似性を持つ方程式であり、一種の「フラクタル」である。
・・・疲れたので続きはまた明日。