さてそういうわけで、私の結論を以下にまとめます。
「どんな病気でも、研究し尽くされるということはもちろん無い。
これはアトピー性皮膚炎についても同様である。
本来のアトピー性皮膚炎は、決して易しい病気ではないが、かと言って(アトピー性皮膚炎
と近い病気である)リウマチや小児喘息等と比べて特別難しいかと言うと、そんなことはない。
アトピー性皮膚炎について、もともとつきとめられていた知識や情報は、本来のアトピー性皮膚炎
に対して治療戦略を立てるには相応の役割を果たしていた。
しかし、今現在、アトピーに関連して話題に上る『アトピー=よくわからない』
というイメージの出所は、実はアトピー性皮膚炎という病気そのものが持つ
未知の性質のせいであるというよりは、ある時期に既につきとめられたことを、
そのあとの人々が勝手に黙殺し、『わからなくしてしまった』せいである部分の方が
むしろ大きい。具体的には、1994年の診断基準が、多くの誤解や混乱の種となっている。」