ちなみに、「アトピー」という言葉の語源についてですが、
姫さんがお書きになっているとおり、言葉そのものの意味は「奇妙な」とか「とらえどころのない」
と言う意味です。
ですが、それは命名当時は「奇妙」であり「とらえどころがなかった」ために
そう名づけられたのであって、具体的には「アレルギー疾患なのかどうか」
「アレルギーだとしたら何がアレルゲンなのか」が不明だったために、そのような
名前がつけられたのです。(その2点についてはその後 解明されています。)
>>627 私の言う、十分にフィードバックがなされている状態とは、
診断基準や治療方法が現状に則したものになっているレベルです。
初めにステロイド有りき、ではなくてです。
私の個人的体験や、他の人達の書き込みを見ると、
アトピーはもはや皮膚だけの病気ではないんだと思います。
それがもともとのアトピーの病態なのか、長年使用してきた外用ステの
副作用なのかはわかりませんが。
皮膚だけでなく、自律神経、ホルモン、免疫など総合的なアプローチで
アトピーを捉えて、診断基準や治療方法を高度化していってほしい。
専門家の方に私はそう望みます。
ですから別に皮膚科じゃなくてもいいんですけどね。
適切な科で、ステロイドでごまかすことなく、本当の意味でアトピー治療をしてもらえたら、
救われる人も多いのではないでしょうか。
>>628 「アレルギー疾患なのかどうか」は疑問符付きなのではなかったでしょうか。
アレ体質の人(=アトピー素因を持つ)に多く見られる慢性皮膚炎だ、というだけで。
未だ発症原因が不明なのはそのままでしたよね。
>>629 実際にその目的で検査が実施された例があるかどうかは知りませんが、
ステロイド外用剤の新薬の治験と目的が違うだけでやることは同じなので、
やれておかしくはありません。
>>631 (「アトピー性皮膚炎とステロイド外用療法」中外医学社、1998年初版より)
p.2
> ・・・その後、Coca & Cookeは“アレルギー疾患の中で”、喘息と枯草熱が
> 同一人にあるいは同一家系内に発生しやすく、遺伝的素因が濃厚であることを
> 指摘し、1923年これらの疾患を「奇妙な」疾患という意味あいをこめて、
> アトピー atopy と呼ぶことを提唱した。
p.5
> 遺伝的疾患群としてのアトピーという意味あいの他に、「種々の環境抗原や
> 食物抗原に対するスクラッチテストや皮内反応が陽性となり、患者の血清中には
> 抗原と反応する抗体(“レアギン”)が存在すること」という臨床検査上の
> 特徴をもアトピーと呼ぶようになったわけである。
※“レアギン”とは、今で言う“IgE抗体”のことです。
>>630 > 私の言う、十分にフィードバックがなされている状態とは、
> 診断基準や治療方法が現状に則したものになっているレベルです。
> 初めにステロイド有りき、ではなくてです。
えーと、もともとは
>>611でリュウさんがお書きになったとおり、
(アトピー性皮膚炎という)病気を定義するにあたって、フィードバック作業は
充分に行われたのか?という御質問でしたよね?
それに対して、「充分なされた」と
>>615でお答えしたのですが、その理由は
>>615に書きましたとおり、「診断基準が策定されたから」です。
策定までの経緯については
>>627に書きましたが、
「診断基準が策定された」ということは、何を意味するかと言うと、
「その病気を他の病気と区別するには充分なほど、その病気の特徴がわかった」
ということです。
ですから、その意味およびその程度の限りにおいて、
「アトピー性皮膚炎という病気の性質については充分わかった」
と言ったのです。< 615
で、
> 私の個人的体験や、他の人達の書き込みを見ると、
> アトピーはもはや皮膚だけの病気ではないんだと思います。
> それがもともとのアトピーの病態なのか、長年使用してきた外用ステの
> 副作用なのかはわかりませんが。
アトピー性皮膚炎が、皮膚だけの病気ではない、というのは、Coca & Cookeらも
当初から着目していて、だからこそ「アトピー」という用語を提唱したわけです。
具体的には、「遺伝的要素が強い」「アレルギー反応を伴う」「IgE値が高い」などが、
“皮膚だけの病気”とは決定的に違う点です。
それらのアトピー性皮膚炎特有の性質は、もちろんすべて、
医者(研究者)が、多くの患者をじかに観察し、調べた結果、つきとめられたことです。
・・・それが、アトピー性皮膚炎という病気が「会議室」の中で研究されたことになるのでしょうか???
>>637 >>604の「病いは会議室で起きてるんじゃねえ!現場(患者の体内)で起きてるんだ!」ですが、
これは
>>602の
> 本当のアトピーがどういう病気であるかは、医者(というか医学)が定義することなので、
> 乖離することは原理的にありえません。
といった考え方をするRONさんに向けたものです。
もし他の医者(研究者)が同様の考え方であるのなら、同様の落胆を感じざるを得ませんが、
他の医者(研究者)の方がどのようなスタンスでいるのか私にはわかりませんので、
それはなんとも言えません。
上記を踏まえた上で、
十分なフィードバックがなされているのかについてですが、
>>634-637 私の考えは
>>630です。
> 診断基準や治療方法が現状に則したものになっているレベルです。
> 初めにステロイド有りき、ではなくてです。
Coca & Cooke両氏が喘息と枯草熱を「奇妙な」疾患としたのは1923年。
またRONさんが、「フィードバックは十分になされている」根拠とされる
「アトピー性皮膚炎の診断基準が策定された」のは1961年。
ではそれ以後は?
現状に則したものになっていないのではと私が疑問を持つ一例をあげてみます。
現在、社会も食事習慣も環境も何もかもが1961年当時とは変化しました。
アトピーも当時は小学校くらいで自然治癒していたのが
現在では成人まで持ち越し、また成人後に再発・発症する人も増えています。
まだ成長途上にある子供の一時期のみの慢性皮膚炎と、
体のシステムはすでに完成し後は老いてゆく成人の生涯に渡る慢性皮膚炎と、
その定義および治療方法が同じでいいはずがないと思うのですが。
この点はどのようにフィードバックがなされたのですか。
>>633 検証することは可能だけれども、実際に検証されてるのかどうかはわからない。
のが、現段階の結論ということですね。
ということは
>>588 >>594-595に話を戻しますと
もしも(1)〜(3)のいずれかに当てはまれば、「ステロイド外用剤は大量に使わない限り
作用も副作用も塗った部位にしか起こりえない」と矛盾はしないが、
(1)〜(3)のいずれかに当てはまるかどうか、公には検証されていないようだ。
ということでしょうか。
そうであれば「外用ステロイドが血液から全身に駆け巡る説」は、
未だ肯定も否定もされていないということになります。
それからご存知だと思いますけど、念のため。
「事件は会議室で(ry」は、「踊る大捜査線」の決めセリフです。
ええ。青島刑事カッコ良かったです(*^_^*)
| ,,∧
|д゚,,) 一秒ハズしたにょ
今までのご発言を総合しますと、リュウさんのお考えの根幹は、
「アトピー性皮膚炎という病気が、昔(具体的には1961年前後)とは変わっていて、
診断基準と治療がそれに追いついていないのではないか。」
ということですか?
>>643 少し整理してみますと、この件に関しての発端は、
RONさんのレス
>>586の下記の部分だと私は認識しています。
> 信頼できる情報がほとんど無いように見える原因のひとつが、「情報を正確に伝達していない」
> ということなんです。
それに対して私は
>>588で
> 信頼できる情報がほとんど無いように見える主要な原因は、
> 専門家が発信する情報と、
> 患者自身が日々体感する病態とが大きく乖離していると感じられることなのでは
と、疑問を呈しました。ここから話がスタートしたわけですよね。
そしてそのように疑問を感じる根底にあるものですが、
> 「アトピー性皮膚炎という病気が、昔(具体的には1961年前後)とは変わっていて、
> 診断基準と治療がそれに追いついていないのではないか。」
はい。その通りです。
>>611でも
> ですが実際問題、病気というものは、
> すべてが解明されて初めて病気として定義されるわけではないですよね。
> とりあえず現段階わかってることのみで定義をしてるのでしょう?
> その後適宜、充分なフィードバック作業が必要なのではありませんか。
> それは充分なされているとRONさんはお考えですか。
と書いておりますように。
少し追加させていただくと
> 「アトピー性皮膚炎という病気が、昔(具体的には1961年前後)とは変わってい【るのに】、
> 【現状把握と】診断基準と治療がそれに追いついていないのではないか。」
ですね。
>>644-645 どうもありがとうございます。
私が考えていることをご説明させていただくにあたって、以下のクイズに
チャレンジしていただけないでしょうか?
(答えにくい問いは飛ばしていただいて結構です。)
(基本的にはYes/Noを尋ねています。)
問1.アトピー性皮膚炎は、IgEの数値の高低とはあまり関係がない。
問2.アトピー性皮膚炎は、遺伝とはあまり関係がない。
問3.日本は諸外国に比べてアトピー性皮膚炎患者(人口比)が多い。
問4.生まれて初めて「アトピー性皮膚炎」と診断された時、自分または家族の
アレルギー疾患の既往症の有無を聞かれた。
問5.生まれて初めて「アトピー性皮膚炎」と診断された時、アレルゲン検査を受けた。
問6.生まれて初めて「アトピー性皮膚炎」と診断された時、IgE測定検査を受けた。
>>647 問1.アトピー性皮膚炎は、IgEの数値の高低とはあまり関係がない。
No(患者の過半数はIgE抗体を産生しやすい体質)
問2.アトピー性皮膚炎は、遺伝とはあまり関係がない。
No(統計的にみて遺伝する傾向がある)
問3.日本は諸外国に比べてアトピー性皮膚炎患者(人口比)が多い。
諸外国とはどこの国を指すのですか?
問4.生まれて初めて「アトピー性皮膚炎」と診断された時、自分または家族の
アレルギー疾患の既往症の有無を聞かれた。
No
問5.生まれて初めて「アトピー性皮膚炎」と診断された時、アレルゲン検査を受けた。
Yes
問6.生まれて初めて「アトピー性皮膚炎」と診断された時、IgE測定検査を受けた。
Yes
問3(改).日本は世界の中で特にアトピー性皮膚炎患者の割合が多い国である。
問7.アトピー性皮膚炎の有病率は近年増加傾向にある。
>>649 問3(改).日本は世界の中で特にアトピー性皮膚炎患者の割合が多い国である。
不明(全世界的な調査はなされていない)
問7.アトピー性皮膚炎の有病率は近年増加傾向にある。
不明(近年まで有病率の調査はなされていなかったので比較できない)
>>648 >>650 どうもありがとうございます。
たぶんリュウさんは、アトピーに関しては比較的保守的な情報に触れる機会が
多かったのではないかと思われます。
| _
||○l\_
|二二.|/
|д゚,,)ゝ そんで?
まず、問1、問6についてですが、最近の皮膚科学分野で主流となっている考え方は、
> また、アトピー性皮膚炎(AD)患者における血清IgE値は、皮疹が軽快しても
> すぐに低下しないことや、環境抗原に対するIgE値が高値でも発症しない人が
> いることなどを考えると、IgEはADの病態には関与していても直接の原因では
> ないことは明らかである。
> 治療により皮疹の長期寛解が得られた場合には、IgE値がゆっくり低下してくる
> という事実は血清IgE値がむしろ炎症の結果を反映していることを示唆する。
というもので、一般にはアトピー発症とIgEとの関係は、あまりこだわっても仕方がない、
という認識が最近では普及しているようです。
(参考文献:「アトピー性皮膚炎・コンセンサスアップデイト」メディカルレビュー社)
同じように、というかIgEに関する論議の発展形で、アレルゲンについても
あまり重視しない風潮が見られます。< 問5
これが、リュウさんや多くの患者の人たちも
>>631のような認識を持っておられる
原因です。
問2、問4はどちらも遺伝的素因に関する内容ですが、これらについても IgEや
アレルゲンに対する認識と同様で、日本の皮膚科で現在使われている、アトピー性皮膚炎の
診断基準の必須項目には含まれていません。< 本人または家族のアトピー/アレルギー歴
さて、問3、問7についてですが、この2つはどちらも、日本におけるアトピー治療
に関して、社会問題として取り上げる時に、まず必ず持ち出されてくるファクターです。
このアトピー板でもそうですし、いろいろなメディアやホームページでも必ずと言ってよいほど
取り上げられます。病院や医院のHPでも言及しているサイトが多数あります。
しかし実際には、世界各国のアトピー有病率の比較については、おっしゃるとおり、
全世界共通の基準で診断して求めた有病率のデータはありません。
それぞれの国が公表している統計の比較ならあります。
それによると、日本は世界の中ではごく平均的な値ですし、アフリカ諸国はきわめて
有病率が高くなっています。
つまり、少なくとも「日本は飛びぬけてアトピーが多い」とか、
「先進国よりも発展途上国の方がアトピーは少ない」というのは、
どこにも根拠がないのです。
同様に、日本国内でも、田舎の方が都会よりもアトピーが少ない、というような、
一般的傾向は見つかっていません。
しかし、同ページの図も含めてよく読むと、統計的に有意な増加を示していたのは
1992年までで、それ以後はほぼ横ばいであることがわかります。
もちろん、他にも、違う年代、違う地域での独立な調査は散発的に行われており、
最近でも増加傾向を示すという報告もありますが、はっきりとした増加傾向とまでは
言えないものが大半です。
この「1992年」というのは、実は非常に重要な意味を持つ年で、
何を隠そう、現在国内で使われている「診断基準」が公布された年なのです。
根を詰めすぎて頭がクルクルパーになってしまうといけないので、
以下明日。 stay tuned...
あ、失礼。
>>660 実際に公布されたのは1994年なんですがね。
|~三ヽ
|彡0ミ)
|д゚,,)') えるにゃんこれにて失礼つかまつる
すたこら
>>653 IgEの数値と皮膚の症状はあんまり関係がないのではないかと僕は主治医から聞きました。
脱ステをすると一旦上がり、アレルゲンなどをさけていたりすると症状がよくなり、数値がさがるみたいです。
アトピーはアレルギーなんですかね。謎です。
∧∧
/⌒ヽ) う〜ん・・・
〜(___)
∧∧
/⌒ヽ゚) うんっ
〜(___)
●~
ダッ
(´⌒(´
≡≡(´⌒;;;≡
(´⌒;; ●~
|~三ヽ
|彡0ミ)
|д゚,,) ひょ
|~三ヽ
|彡0ミ)
|∀゚,,)') またね☆ですの☆
―――― ∠ ̄ ̄ヽ
>>669 ((ヽ`_´) いらねぇよ!!
―――――― ,-―─<\__/> 、
/ ,ゝ─、(\/λ ) ●~
―――――― √7 /_ ,<\ノ
(_,ソ ノ ノ(_ノ ⌒─―i―,--―っ
―――――― <_ノ―――ー---'-┴ー⌒ ; 、/
У ノ , ; ' ∵ ; , '~
――――――― / / ∴ :' ''.
へ/ ; : ;
, ヘ/
//
よい子はこのレスから察しなさい☆
★40過ぎのアトピー集まらんかい★みっつめ
http://life8.2ch.net/test/read.cgi/atopi/1153468384/913 -----------------------------------------------------------
913:RON ◆FBCQ/jwzCk 2006/12/12(火) 23:35:27 ID:rfFzZ61u
>>907 ウチの家内は40で初産、41でもう一人産む予定。
-----------------------------------------------------------
訴訟どうよ
もう誰も読んでないかも知れないけど、書くだけ書いておくか。
>>658のリンク先のグラフで、1983年から1992年にかけて有病率が急増しているのは、
実は背景事情があるのです。
まず、1984年に RAST検査法(アレルゲンを特定する検査)が開発され、アトピーの診断が
つけやすくなった。
一方で、それに先立って、1979年に最強の外用剤デルモベートが開発され、以後
長期連用による副作用症例が増え始めた。
1983年、京都ステロイド訴訟
1992年、川崎ステロイド訴訟
1990年〜1992年、ニュースステーションによるアンチステロイドキャンペーン
じゃ私もちょっと(*^_^*)
IgEのこととか遺伝的な側面とか、
診断基準では触れられてないけど、定義(概念)には相変わらず入ってるでしょう?
そのあたりの矛盾はどう思われます?
つまり、有病率がもっとも顕著に増加したと言われる時代は、
純粋にアトピー発症をもたらす因子の変化以外に、
(1) 新たな検査法が開発されたために、それまではっきり診断されなかった症例も
アトピーと診断できるようになった
(2) 外用剤の副作用症例が増加し、それをアトピーと誤診するケースも増えた
(3) マスコミ報道によって社会的関心が急激に高まり、皮膚科を受診する人が増えた
という3つのファクターが作用した時代なのです。
>>658のリンク先のグラフが、年次に沿ってスムーズに変化せず、不自然な変化を見せていることは、
単なる環境の悪化や家庭・学校等でのストレスの増加というよりは、上記の
3つのファクターの影響がそれだけ大きかったということを示唆しています。
それから
>>658の記事およびグラフは
アトピー性皮膚炎に関しては4〜15歳時の統計のみでしょう?
それだけで全国的かつ全年齢的な傾向って見い出せるのかなぁ。
・・・とかってキリがないですね(^_^;)
>>680 に一部追加。
アトピー性皮膚炎に関しては、【愛知県】の4〜15歳時の統計のみでしょう?
そんな事情があって、よくわからない慢性の皮膚炎症を自覚する人々が、
自分もアトピーではないかと思い、皮膚科を受診するようになった。
その結果、全国の皮膚科がアトピー(かも知れない皮膚炎)の症例を
診察する機会が急増した。
ところが、もともとアトピー性皮膚炎というのは、そんなに
ありふれた病気ではなかったので、受診する人が急に増えても、
アトピーであると診断をくだすために必要なIgE測定だのRAST検査だの
パッチテストをおいそれとやれる皮膚科はそんなに多くはなかった。
そこで日本皮膚科学会が何をやったかと言うと。。。
もともとあった診断項目の中から、
「アレルギー性であること」と「遺伝的であること」の
2項目をはずしてしまったのです。
残った必須項目は、
(1) 掻痒
(2) 特徴的な皮疹
(3) 慢性・反復性の経過
だけです。皮膚炎はほぼ全部かゆみを伴うから、(1)は無くても同じで、
結局、慢性または反復性の皮膚炎について、あとは炎症部位を目で見て決めろ、
ってことです。
>>684 | _
||○l\_
|二二.|/
|д゚,,)ゝ おい。退化しとるやないけ>皮膚科学会
まさかそんなんで
ろんろんフィードバックなされてるとか言ってんの?
だけど、炎症の特徴だけ見て病名をあてろってのは、
それこそよっぽどの経験者でないとできないワザで、
その結果、今では本来アトピーとは関係の無い病気も
アトピーと診断され、ステロイド治療を施されるケースが
山のようにあります。
また、「アレルギー性であること」を必須条件からはずしてしまったのですから、
アレルギー性である症例も、非アレルギー性の症例も混じってくるのは当然ですし、
IgEの数値と特に関連性が見えなくなってくるのも当たり前です。
>>665
遺伝的素因についても同様で、本人または家族のアトピー罹患歴を必須条件から
はずしてしまったので、遺伝とは無関係そうに見える症例が混じってくるのも
やはり当然です。
ちなみに、IgEが直接関与していないのではないか、という考え方は、
実際、IgEが関与していないように見える症例がある割合で見られる
という報告がなされてから一般的になったのですが、その報告が
なされたのは、皮膚科学会が診断基準を改訂した1994年よりも後です。
さてそういうわけで、私の結論を以下にまとめます。
「どんな病気でも、研究し尽くされるということはもちろん無い。
これはアトピー性皮膚炎についても同様である。
本来のアトピー性皮膚炎は、決して易しい病気ではないが、かと言って(アトピー性皮膚炎
と近い病気である)リウマチや小児喘息等と比べて特別難しいかと言うと、そんなことはない。
アトピー性皮膚炎について、もともとつきとめられていた知識や情報は、本来のアトピー性皮膚炎
に対して治療戦略を立てるには相応の役割を果たしていた。
しかし、今現在、アトピーに関連して話題に上る『アトピー=よくわからない』
というイメージの出所は、実はアトピー性皮膚炎という病気そのものが持つ
未知の性質のせいであるというよりは、ある時期に既につきとめられたことを、
そのあとの人々が勝手に黙殺し、『わからなくしてしまった』せいである部分の方が
むしろ大きい。具体的には、1994年の診断基準が、多くの誤解や混乱の種となっている。」
>>685 本来のアトピー性皮膚炎に対する診断基準と治療法については、
一度は十分フィードバックがなされるところまで行ったんですよ。
そのあと、日本ではそれを崩してしまっただけです。
崩してしまった結果、本来のアトピー性皮膚炎に対して
有効な治療ができなくなっただけでは終わらず、
アトピーとは関係ない皮膚病や、ステロイド皮膚症も巻き込んで
(あるいは巻き起こして)、さらに事態を複雑化してしまいました。
長年この板でいろいろな人の体験報告を見てきましたが、主観的に見て、
おそらく約半数は、本当はアトピーじゃなかったのに、上記の混乱に
巻き込まれて苦しんでいる人たちです。
・・・とまあ、偉そうに語って来ましたが、ここまで書いてきた内容は、
別に私のオリジナル、というわけではなく、皮膚科の中では学会に対する
上記のような批判の声も実際にあがっています。
ともあれ、長々と書きましたが、御静聴ありがとうございました。> all