“遺伝”というのは、本質的に確率的法則ですから、
親が現に病歴を持たなくても子供が発症することもありますし、
親が現に発症していても、子供が発症しないこともあります。
(ですから、親がアトピーなのに子供がアトピーにならなかったり、
逆に親がアトピーでないのに子供がアトピーを発症した例があっても、
それは遺伝の法則が間違っているということではありません。)
それに加えて、アトピーは多因子疾患ですから、実際に発症するかどうかは、
遺伝的素因以外の環境的因子にも大きく左右されます。
結論として、
(1) 遺伝的側面がある以上、親がアトピー/アレルギーだと子供も
アトピー/アレルギーになるリスクは、親がそうでない場合よりは高い。
(2) しかし、親が素因を持っているからと言って、子供が受け継ぐとは限らない。
(3) 逆に、親が見かけ上発症していないからと言って、素因が無いとは限らない。
(4) 実際に発症するかどうかは、環境的因子に大きく左右されるので、それを配慮することで
子供の発症率を親が病歴を持たない家庭と同程度にまで抑制できる。
ということが言えます。