●アスベストで10万人死亡予測、自動車も危険

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154名無電力14001
★《じん肺は、過去の病気ではない》。重症になると、酸素ボンベを抱えて暮らさないといけなくなる
■参考
◆じん肺に倒れた鉱山労働者たち[SBS 2012/06/14]
◆死の棘(とげ)〜じん肺と闘い続ける医師〜[SBS 2013/05/29]

●遠州じん肺訴訟 1978(昭和53)〜1989(平成元)年
■《ヨロケ》になった鉱山労働者達は、会社を相手どり裁判を起こした。「鉱山労働者が集団で企業を訴える」、全国初の集団訴訟。
■古河鉱業・久根(くね)銅山、生産量で全国2位を誇った。しかし、その繁栄の影で、鉱山労働者が胸をかきむしり死んでいった。
 1970(昭和45)年、銅の枯渇を理由に閉山。会社は、《ヨロケ》になった労働者達を置き去りにし出て行った。
 日本の土台を作った男達は企業から国から見捨てられ、残ったのは不治の病だけだった。
 会社から何の保障も無いまま、じん肺と貧困に苦しみ、自殺した鉱山労働者も。
 ゴーゴーと懸命に呼吸しないと動けない(スターウォーズのダース・ベイダーのよう)。(酸素ボンベが欠かせず、そのタンクは、高齢の妻が背負い山まで運んだ)
■1978年の提訴から11年、1989年、4億円以上の損害賠償を求めた裁判は、企業側が3億5000万円を支払い和解。
 労働者側の事実上の勝訴。しかし、既に原告の半数は亡くなっていた。
 ▽1970年…久根銅山閉山
 ▽1978年…経営企業・古川鉱業など4社を相手取り損害賠償訴訟を起こす
 ▽1989年…企業側が3億5000万円を支払い和解
◆久根(くね)鉱山とは
 明治元年まで「片和瀬鉱山」と呼ばれ、始まりは1731(享保6)年。
 大鉱脈が発見された直後の1899(明治32)年、足尾銅山で有名な「古河鉱山」が買収してから急速に発展。
 久根鉱山は、「足尾銅山の鉱害(公害)」に学び、鉱害の無い鉱山を目指してスタートしたはずだったのだが…。
155名無電力14001:2013/12/24(火) 09:56:12.81
>>154
●みんなが長生きできたのは、1人の医師のおかげ
■浜松市の北の外れ、長野県との県境にある、静岡県浜松市・天竜区佐久間町・西渡(にしど)地区、現在わずか540人の集落。
 『久根銅山閉山から40年経った今も』、西渡には38人のじん肺患者がいる(2013年)。2012年も、5人がじん肺で亡くなった。
■企業が去った後、残されたじん肺患者達に手を差し伸べたのは、一人の若い医師だった。
 集落に唯一あった診療所の医師・海老原勇(いさむ)先生。鉱山が閉山した直後、27歳の時、大学を出てすぐにこの地にやってきた。
 じん肺の研究を始めると共に、患者の診察に奔走した。
■赴任して10年、治すことの出来ないじん肺をもっと知ろうと、研究のため神奈川へ移る決心をした。
◆じん肺患者「もしずっとおれんのならさ、週に3回でもいいでよ、来てもらいたい」
 海老原医師が西渡(にしど)を離れる日、村人総出で荷物を運んだ。
 先生が村から去ってしまう。みんな、絶望の淵に立たされた――。
■残された患者を診察するのは、そう、あの海老原医師(2013/05/29時点68歳)だ!
 東京での診察の傍ら、週に3日は片道4時間かけて、この西渡に通い続けている。もう35年になる。
 今も、患者の家は全て把握している。具合が悪くなった時、すぐに往診するためだ。

●キーワード
■《アスベスト》
 耐火や防音に優れ、『日本は鉄骨の建物に使用を義務付けた』。日本で過去作られたアスベストを含む建築材は、2200種類以上。耐火性に優れた
■《ヨロケ》
 労働者の肺は銅山の粉塵で侵され、苦しさのあまり胸を掻きむしり、ヨロケながら倒れた。村の人達は、この病を《ヨロケ》と呼んで恐れた。
 一度かかると治ることはなく、進行を抑えるしか手がない。
■《石の肺》
 『火葬場で普通の人の5倍燃料を使っても、胸だけが残った。「石」を燃やしたように真っ赤』。(アスベストは鉱石だから)
■《死の棘(とげ)》
 『アスベストは綿のように見えるが、元は「鉱石」。棘のようなものが、アスベストの正体』。
 舞い上がった粉じんを吸い込むと、肺に刺さり、高い確率でじん肺になる。未だ有効な治療法はない。まさに死の棘だ。
156名無電力14001:2013/12/24(火) 10:33:39.16
>>155
●患者達にとってせめてもの救いが《労災認定》を得ること
■じん肺は、未だ有効な治療法が見つかっていない。
 『患者達にとってせめてもの救いが、「労災認定」だ』。それには、じん肺の専門医である海老原医師の診察が欠かせない。同じ呼吸器でも、アスベスト被害を専門に診れる医師は少ない。
 『労働者達が宿命として諦めていたじん肺を、「企業の責任として労災認定させることが使命だ」と、海老原医師は考え続けてきた』。
 西渡のじん肺患者に寄り添い45年、海老原医師のここでの診療と研究が多くの労災認定を生んできた。
 じん肺研究の第一人者。『近年の研究の結果、肺に入った粉塵が、人間の免疫反応システムを壊し、《今まで労災認定の対象とされて来なかった、様々な病気の原因になる》ことを突き止めた』。
◆「これから最大の課題になるのは、建設業の労働者。辞めてから30、40年経って発症する人もいる。『日本のじん肺問題は、全然終わっていない』」
 by 海老原勇・医師
■実は、増えてくるはずの中皮腫でさえ、「申請」件数や「認定」件数がどんどん減少している。石綿肺の労災支給件数はたったの68件。被害者は増える一方で、収束の方向ではないはずなのに…。
◆労災の支給決定件数(2011年度中に請求があったものに限らない)
 2011年度から新たに集計した『石綿肺』(じん肺の一種)の68件を含め1105件(前年度994件)。
 疾病別では、『肺がんが399件(同424件)』、『中皮腫が546件(同498件)』、良性石綿胸水が42件(同37)、びまん性胸膜肥厚が50件(35件)。
157名無電力14001:2013/12/24(火) 10:36:25.81
>>156
●現代のヨロケ…今なお悲劇は繰り返される
■じん肺は形を変え、新たな患者が海老原医師を待っていた――。
 東京にある海老原医師の診療所「しばぞの診療所」(東京都港区)。じん肺患者が全国から集まる。『診察は1日約80人、月のべ1000人。その患者も当初の鉱山労働者から、今は建築関係者に変わってきている』。
 レントゲンに写る白い影。『知識がないと、医師ですら見分けがつかない。そのため、正しい病名も原因もわからぬまま、命を落としていくケースがあとを立たない』。同じ呼吸器でも、アスベスト被害を専門に診れる医師は少ない。
 患者の一人、Mさん(66)。通い始めて8年。
◆Mさん「(体内酸素量)74。キリマンジャロに登っているのと同じ」
 40年間、電気設備の仕事をしてじん肺発症。今では、肺の機能が低下し、マスクの助けがないと自分の息すら吐き出せない。『1日14時間、このマスクに拘束される』。
◆「やらないと炭酸ガスというのは(普通の人は)45の値、それが90いくと酸欠状態になる」
 『日本の経済発展を支えた代償が、じん肺という不治の病だった。そう、あの久根(くね)銅山と同じ、《現代のヨロケ》だ』。
■アスベストの危険性がようやく日本で大きく叫ばれたのが、2005年に起きた《クボタ・ショック》。
 機械メーカー・クボタがアスベスト製品を製造していたことで、従業員と近隣住民77人が中皮腫という肺の病気にかかっていた。
 これをきっかけに、各地でアスベストの排除を求める住民投票が広がり、翌2006年、日本はアスベストの製造・使用を禁止。『世界の国々から10年も遅れた対応だった』。
158名無電力14001:2013/12/24(火) 10:39:12.66
>>157
■『しかし、その2年後の2008年、アスベストによる新たな被害が明らかになった』。
 阪神淡路大震災、この大地震でアスベストを含むビルが大量に崩れた。その復旧作業に当たっていた作業員が、アスベストの被害にあっていた。
 兵庫県宝塚市に住む60代の女性、2011年、夫をアスベストが原因の肺がんで亡くした。わずか2ヵ月間、ガレキの撤去を手伝い発症した。
◆妻「何かの間違いじゃないかと。(夫は)ずっと着物の営業ばかりしてきたので…」
■吸い込んでから20年、30年経って発症するじん肺。『復興で街が生まれ変わった今になって、当時のアスベスト被害が表面化してきている』。
 兵庫県西宮市で建築会社の営業マンだった男性(81)。『震災後、2ヵ月間、マンションの解体工事の現場監督をした』。健康診断で「肺に影がある」と言われ、アスベストが原因の肺がんとわかる。「余命2年」と宣告された。
 当時、社長も現場に出て作業に当たった。「ビルを解体したガレキを、浜に山積みした。無法地帯だよ」。
 被災直後、ガレキの撤去を手伝ったボランティアや住民に、アスベストに対する意識はほとんどなかった。『その時の被害が、今後さらに明らかになっていく』。
 『ガレキが無くなっても、そこから30年間は中皮腫が起こりうる期間だから、これからも増えていく』。
■阪神淡路大震災から16年、東日本大震災。『阪神の2倍、170万もの建物が破壊された。悲劇は、また起きようとしていた――』。
159名無電力14001:2013/12/24(火) 10:41:21.91
>>158
●アスベストと震災
◆Dr.中川のがんの時代を暮らす:/58 夢の新素材に警鐘も[毎日新聞 2012年11月19日]
 大地震などで突然建物が倒壊するケースでは、アスベスト対策は後手に回ります。95年の阪神大震災でも、震災後しばらく、環境中のアスベスト濃度が上昇しました。
 アスベストを吸入してから中皮腫が発生するまで平均40年かかりますから、今後、中皮腫が増える可能性も否定できません。
 阪神大震災で被災した建物の復旧作業に約2カ月間携わった兵庫県宝塚市の男性が中皮腫と診断され、11年10月に死亡しました。西宮労働基準監督署は、この男性を労災と認定しました。
 東日本大震災の被災地でも、同様の事例が相次ぐ可能性が指摘されています。
 『しかし、阪神大震災と比べ、環境中のアスベスト濃度の上昇はわずかです。
 建材などのアスベスト規制が進んだことに加えて、津波によって建物のがれきが湿ったため、アスベストが飛散しにくい状況になったためと考えられています』。

■阪神淡路大震災でアスベスト被害。『たった2ヵ月』の震災ガレキ撤去のアルバイトで、中皮腫を発症し死亡
◆震災がれき撤去でがん発症し死亡[NHK 2012/08/24] http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120824/n66057110000.html
 労災を認定されたのは、兵庫県宝塚市の男性でアスベスト特有のがん「中皮腫」を発症し、去年、65歳で死亡しました。
 男性は、17年前の阪神・淡路大震災の直後、『2か月間だけアルバイトでがれきの撤去作業』をしていて、その際吸い込んだアスベストが原因で中皮腫になったと労災を申請していました。
 男性は、震災での作業のほかにはアスベストにさらされる仕事をしたり、アスベストを扱う工場の近くに住んだりしたことがなく、ことし6月、厚生労働省の検討会で労災の認定が決まりました。
 『専門家は、中皮腫の潜伏期間が通常40年前後であることを考えると、今後、同様の被害が増えると指摘しています』。
 また、『男性が2か月間という短期間の作業で中皮腫になっている』ことから、東日本大震災の被災地でも対策強化が必要だとしています。
160名無電力14001:2013/12/24(火) 10:44:38.54
>>159
■精神的・肉体的苦しみに加え、金銭的苦しみも背負わされる
◆じん肺患者の苦しみ…労災認定の大きな壁[SBS 2013/12/19]
 効果的な治療が無いじん肺。その患者にとって唯一の救いが、労災認定。仕事による発症だと国に認めてもらい、治療の補償を受ける。
 しかし、運転手で荷物の運び入れをしていたTさん(67)の労災認定は、認めてもらえなかった。
◆静岡労働局「粉じんが舞う現場に出入りしていたことは認めるが、作業時間は不明」
 『労災は、「粉じん作業に常時従事していた人が、審査した病のレベルにより申請できる」と、法律で決められている』。
◆じん肺法 (随時申請)第十五条
 「『常時粉じん作業に従事する労働者又は常時粉じん作業に従事する労働者であつた者』は、
いつでも、じん肺健康診断を受けて、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県労働局長にじん肺管理区分を決定すべきことを申請することができる」
 労働局は、当時運転手だったTさんには、常時現場にいた証拠がないと判断した。
◆Tさん「部屋の中に一日中いるのが常時で、荷物を運び入れている時間は短いはずなので常時ではないという解釈」
 じん肺は粉塵を吸ってから10数年経って発症するため、発症時には既に退職していることも多く、当時の労働環境をさかのぼって立証するのは難しい。
 これが、労災認定の大きな壁となっている。
 Tさんは治療費と薬代で毎月1万2〜3000円かかる。
◆「兵糧攻めにあっているみたい。医者へかかるお金の工面もギリギリ。労災認定されなかったら、借金として残る。それは出来ない」
 『「労働環境によって病におかされた」という怒りは、行き場のないまま、患者自身が抱え続けているのが、じん肺の実情なのだ』。
161名無電力14001:2013/12/24(火) 20:44:04.50
★アスベストは耐火性や保温性に優れ、加工もしやすく「奇跡の鉱物」と言われた。『我々はその利便性を50年に渡り享受してきた。それと引き換えに背負った負の遺産』。
 アスベストの繊維は、髪の毛の1/5000と極めて細い。しかし、非常に丈夫で、一度吸い込むと、肺の奥深くまで入り込んで一生排出されない。
 『非常に珍しいタイプのがん』だった中皮腫の死亡者数が、90年代から、アスベスト鉱山やアスベストを扱う工場の労働者に増え始めた。
 鉱山や工場の周辺住民にも患者が確認され、大きな社会問題に。
■《クボタ・ショック》
 2005年6月、大手機械メーカーのクボタは、「兵庫県尼崎市の旧神崎工場の周辺に住み、中皮腫で治療中の住民3人に、200万円の見舞金を出す」と公表。
 この《クボタ・ショック》をきっかけに、アスベスト問題が社会問題化。
 その後、クボタは、「工場周辺1キロ圏内の住民にも、労災並みの最高4600万円の救済金を支払う」とした。『工場周辺に住み、中皮腫などアスベストが原因で亡くなった人は、200人以上と考えられている』。
■『アスベストは、家族が衣類を洗濯しただけでも吸い込み、家族にも健康被害が出る』
◆アスベストによる健康被害の潜伏期間
 ▽肺がん…15〜40年 ▽アスベスト特有のがん「中皮腫」(ちゅうひしゅ)…20〜50年
◆『中皮腫は非常に厄介な病気。発症から5年後の生存率…なんと1割未満』
◆中皮腫の死者数[厚労省]
 ▽1980年代前半…約100人
 ▽1995年…500人
 ▽2000年…710人
 ▽2011年…1258人
 ▽1995〜2011年…約1万5000人
 ▽『2040年までに…10万人以上死亡』
 『アスベストが原因と特定しにくい肺がんなどで死亡する人も多くいるので、実際の被害はこれを上回る』。
■なぜ、こんなに死者が増えるのか?
 ▽1957年…日本でアスベスト使用開始
 ▽日本での製造販売禁止…2004年
 ▽中皮腫の潜伏期間…40年ほど
 ▽1960〜1993年頃に、アスベスト使用のピーク・台形の山…約1000万t
 →アスベストを使い始めてから40年という長い潜伏期間を経て、今次々に病気を発祥。これから解体のピーク。アスベストが飛散
162名無電力14001:2013/12/24(火) 20:51:22.51
>>161
■アスベストの8割以上が建材
 ▽屋根や壁のスレート材 ▽鉄鋼への吹きつけ材 ▽タイルなどの床材 ▽配管の保温材
 今も建物の中に残ったまま
 ▽鉄骨・鉄筋コンクリート建造物…約280万棟
 ▽鉄骨・鉄筋コンクリート建造物の解体補修…2005年頃から増加し、『2030年には高度経済成長期に造られた建物の解体補修がピークになり、2010年の2倍・10万件に』
■アスベストの飛散防止へ
◆大気汚染防止法の改正案[環境省]
 ▽解体時の自治体への届け出義務…(安く早く終わらせようと、届け出しない場合がある)解体業者 →発注者に変更
 ▽アスベストを含むか事前調査…新たに義務付け
 ▽自治体の立ち入り調査…対象拡大。届け出が無くても可能に
◆さらに踏み込んだ対策をすべき
 ▽解体業者の資格・登制度
 ▽罰則強化…最高でも50万円の罰金は甘い
 ▽『周辺住民への説明義務付け…行政の監視だけでは限界があるため、住民への説明義務を科すことで、監視の目を強める』
 ▽環境省、厚労省、国交省というアスベスト対策の縦割りを改める
■参考
◆アスベスト被害 拡大の危機[時論公論 2013年05月08日] http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/

■中皮腫とは
 中皮腫は、肺、心臓、胃腸などの臓器の表面を覆う胸膜、心膜、腹膜といった膜(中皮)にできる悪性の腫瘍。胸膜にできる胸膜中皮腫が7〜8割を占める。
 難治性がんの代表で、早期に発見でき手術で取り切ることができたまれなケースを除き、完治する症例はわずか。
 今、この中皮腫が全国で急増。
◆発癌性 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BA%E7%99%8C%E6%80%A7
●発がんの機構
 また、慢性肝炎からのがん化や、DNA損傷に起因しない発がん機構をもち、いずれも長期間にわたる炎症反応ががん化を誘導するとされている。
 『アスベスト吸入やたばこの喫煙による肺癌』の発病などは、
これらに含まれる微細な亜鉄が肺に入り形成される「フェリチン」というたんぱく質が、
『大気中などにある放射性物質ラジウムを集めて蓄積させ強力な内部被ばくが起きる事が原因』と解明されている。
(日本学士院発行の自然科学系英文学術誌に論文掲載)
163名無電力14001:2013/12/26(木) 03:05:44.07
>>162
■カーボンナノチューブとアスベスト
◆Dr.中川のがんの時代を暮らす:/58 夢の新素材に警鐘も[毎日新聞 2012年11月19日]
 私たちの身体には、異物が侵入しても排除する能力がありますが、『アスベストの繊維のように、極めて細い物質の処理は苦手で、「細長くて丈夫」というアスベスト繊維の特徴が発がんの原因と考えられています』。
 『夢の新素材と言われる「カーボンナノチューブ」も似たような構造を持つため、一部の専門家はその危険性に警鐘を鳴らし始めています』。

■各国の政策決定・不作為が、国民の健康に大きな差をもたらした
◆Dr.中川のがんの時代を暮らす:/57 発症にタイムラグ[毎日新聞 2012年11月05日]
 『欧米では、アスベストの使用禁止が遅れた英国で、日本同様の増加傾向が続いていますが、
米国、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランドなど多くの国においては、90年代をピークに減少傾向に転じています』。
 喫煙も放射線被ばくもそうですが、発がんの危険因子にさらされても、すぐにがんができるわけではありません。
たった一つのがん細胞がわずか1センチになるには20年といった長い時間がかかりますから、
『環境中に存在する発がん物質の量のピークと、それが原因となるがんの患者数のピークにはタイムラグが生じます』。
 『米国では禁煙キャンペーンが功を奏し、60年代以降に喫煙率が下がり始めましたが、肺がんの減少が確認できるようになったのは90年代になってからでした』。
 たばこと同様、中皮腫もアスベストを吸入する量と期間が長いほど発症しやすくなります。
さらに、アスベストを吸ってから、がんが見つかるまでの時間が特に長いことが特徴です。最長約60年、平均でも約40年かかります。
 アスベストの危険性が明らかになった早い時点で、政府が対策をとった国では中皮腫が減る一方、日本では今後10年は増加が予想されます。
中皮腫が完治する可能性は非常に低いわけですから、アスベストの使用を禁止するしか、中皮腫による死亡を減らすことはできません。
『各国の政策決定が、国民の健康に大きな差をもたらした典型的な事例だと思います』。
164名無電力14001:2013/12/26(木) 03:09:28.25
>>163
■「国が適切な権限を行使しなかった」違法性・国の不作為を、初めて断罪した画期的な判決。国による全面的な救済への大きな第一歩。
 これまで、「工場」の元作業員などが勝訴したことはあるが、「建設現場」の元作業員が勝訴したのは、これが初めて。
◆アスベスト訴訟:国は10億円賠償、メーカー責任は否定[毎日新聞 2012/12/05] http://mainichi.jp/select/news/20121206k0000m040042000c.html
 建設現場でアスベスト(石綿)による健康被害を受けたとして東京、埼玉、千葉の元建設作業員308人(うち199人死亡)について、
本人と遺族計337人が国と建材メーカー42社に慰謝料など総額約120億円の賠償を求めた訴訟で、
東京地裁は5日、国の責任を一部認め総額約10億6000万円の支払いを命じた。
 メーカーの責任は否定した。
 石綿被害で国の責任を認めた判決は大阪の石綿紡織工場元従業員による集団訴訟の1審であるが、元建設作業員による訴訟では初めて。
 始関(しせき)正光裁判長は「国の規制措置は全体として実効性を欠き不十分」と指摘。
 メーカーや事業者について「何の責任も負わなくていいのかとの疑問があるが立法政策の問題。血税で被害の一部を補てんすることを踏まえ、立法府と関係当局に真剣な検討を望む」と述べた。
 『判決は、石綿の危険性が医学的に確立した時期について、国際労働機関が発がん性を明言した72年と認定』。
 『78年の専門家による国への報告書などから「79年には石綿関連疾患の患者が今後発生・増大することは容易に予見できた』。
 『遅くとも81年1月時点で防じんマスク着用を罰則付きで義務化するなどの規制を行う義務を負っていたのに怠った」と国の不作為を指摘した』。
 その上で、同年以降に屋内で作業に従事し肺がんや中皮腫になった元作業員158人について、遺族を含む計170人に賠償を認めた。
 このうち吹きつけ工については、国の庁舎工事での石綿吹きつけが禁止された後の74年以降を賠償対象とした。
 『労働安全衛生法上、労働者に当たらないとされる個人事業主の請求は認めなかった』。
165名無電力14001:2013/12/26(木) 03:11:52.64
>>164
◆アスベスト被害、国の責任再び認定 泉南訴訟で大阪高裁[朝日新聞 2013年12月25日] http://www.asahi.com/articles/ASF0OSK201312250016.html
■大阪府南部の泉南地域のアスベスト(石綿)健康被害をめぐる集団訴訟の第2陣(被害者33人)の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。
 山下郁夫裁判長は一審・大阪地裁判決に続いて国の規制の不備を認め、石綿関連工場の元従業員らに慰謝料などを支払うよう国に命じた。原告側は約7億円の支払いを求めていた。
■石綿をめぐっては、他の地域でも元作業員らが国などを相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしているが、
『厚生労働省によると高裁レベルで国の責任を認める判決は初めて』。
 別の裁判官が審理した第1陣(被害者26人)の控訴審で大阪高裁は2011年8月、国の責任を否定して原告側逆転敗訴の判決を言い渡しており、『高裁で判断が分かれたことで、最高裁で審理されている1陣訴訟への影響が注目される』。
■判決は、1958年ごろには石綿粉じんの吸引などにより石綿肺が発症するとの医学的知見が確立されつつあったと指摘。
 『昨年3月の一審判決に続き、1971年までに石綿粉じんを除去する排気装置の設置を罰則付きで義務づけなかったのは「著しく合理性を欠き、違法だ」と国の責任を認めた』。
 『また工場内の石綿粉じんの濃度規制については、88年まで学会の勧告値に従わなかった点を「遅きに失した」とし、適法とした一審判決を覆した』。
 『これらを踏まえ、一審が「3分の1」とした国の賠償責任についてさらに踏み込み、「2分の1」とした』。
■原告、弁護団などの声明や、判決骨子・要旨
◆本日、泉南アスベスト国賠訴訟(2陣)の控訴審判決が言い渡されました。 - 大阪泉南地域のアスベスト国家賠償訴訟を勝たせる会 http://www.asbestos-osaka1.sakura.ne.jp/kataseru/supporter/post-127.html
166名無電力14001:2013/12/26(木) 13:15:51.51
>>164
■大阪・泉南アスベスト国賠訴訟 第2陣、大阪高裁で勝利判決
 「産業発展のためなら、国民の生命・健康が破壊されても仕方がない」「命や健康よりも、産業発展が優先する」と言わんばかりの、第1陣の高裁不当判決を乗り越えて勝訴した意義は大きい。
◆アスベスト被害、国の責任再び認定 泉南訴訟で大阪高裁[朝日新聞 2013年12月25日] http://www.asahi.com/articles/ASF0OSK201312250016.html
■大阪府南部の泉南地域のアスベスト(石綿)健康被害をめぐる集団訴訟の第2陣(被害者33人)の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。
 山下郁夫裁判長は一審・大阪地裁判決に続いて国の規制の不備を認め、石綿関連工場の元従業員らに慰謝料などを支払うよう国に命じた。原告側は約7億円の支払いを求めていた。
■石綿をめぐっては、他の地域でも元作業員らが国などを相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしているが、
『厚生労働省によると高裁レベルで国の責任を認める判決は初めて』。
 別の裁判官が審理した第1陣(被害者26人)の控訴審で大阪高裁は2011年8月、国の責任を否定して原告側逆転敗訴の判決を言い渡しており、『高裁で判断が分かれたことで、最高裁で審理されている1陣訴訟への影響が注目される』。
■判決は、1958年ごろには石綿粉じんの吸引などにより石綿肺が発症するとの医学的知見が確立されつつあったと指摘。
 『昨年3月の一審判決に続き、1971年までに石綿粉じんを除去する排気装置の設置を罰則付きで義務づけなかったのは「著しく合理性を欠き、違法だ」と国の責任を認めた』。
 『また工場内の石綿粉じんの濃度規制については、88年まで学会の勧告値に従わなかった点を「遅きに失した」とし、適法とした一審判決を覆した』。
 『これらを踏まえ、一審が「3分の1」とした国の賠償責任についてさらに踏み込み、「2分の1」とした』。
■原告、弁護団などの声明や、判決骨子・要旨
◆本日、泉南アスベスト国賠訴訟(2陣)の控訴審判決が言い渡されました。 - 大阪泉南地域のアスベスト国家賠償訴訟を勝たせる会 http://www.asbestos-osaka1.sakura.ne.jp/kataseru/supporter/post-127.html
167名無電力14001:2013/12/26(木) 13:31:05.08
>>166
★大阪・泉南アスベスト国家賠償訴訟
 『国は70年以上前(1937年)から、泉南地域の石綿工場の労働衛星調査によって、アスベストの深刻な実態被害を把握し、報告書では医師らが「法的取締り」の必要性を警告していた』。
 しかし、アスベストの経済的有用性を優先し、規制や対策を怠った。
 また、国は、深刻な被害実態や発がん性など、石綿の危険性情報を積極的に公表しなかった。
 じん肺法が制定された1960年には、局所排気装置の設置を義務づけることが必要かつ可能であったにもかかわらず、それを義務付けなかった。
 それが義務づけられた1972年以降も、測定結果の報告義務付け等を行わなかった。
◆アスベスト国賠訴訟の成果と課題−泉南アスベスト訴訟を中心として 弁護士 村松昭夫 http://greenaccess.law.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2013/04/20jp_muramatsu.pdf
■大阪・泉南アスベスト国賠訴訟とは
●ア アスベスト被害の原点
 泉南地域大阪・泉南地域は、100年間にわたって、石綿原料と綿を混ぜ合わせて、石綿糸や石綿布などをつくる石綿紡織業の全国一の集積地だった。
 戦前は軍艦などの軍需産業を、戦後は自動車や造船など高度経済成長期の基幹産業を下支えした。
 工場内はもちろん工場の外までがアスベストが飛散し、戦前から現在まで、工場労働者だけでなく、家族ぐるみ、地域ぐるみのアスベスト被害が広がった。
●イ 凄まじい石綿被害の実態
 『国は、実に70年以上も前の1937年から、自ら泉南地域を中心とする石綿工場の労働実態調査(内務省保険院による「保険院調査」)を実施し、深刻な石綿被害の実態を詳細に把握していた』。
 『報告書では、調査に参加した医師らが「特に法的取締りを要することは勿論である」として、緊急対策の必要性を警告していた』。
 戦後も国が関与した調査が繰り返し実施され、その都度、深刻な被害発生と対策の必要性が指摘されていた。
 いずれの調査でも、石綿肺罹患率は全体で10%以上、勤続3年以上では約30%、勤続20年以上では80〜100%という極めて高い罹患率が報告されていた。それほど、泉南地域の石綿被害は深刻だった。
168名無電力14001:2013/12/28(土) 01:51:45.13
三菱自動車の東京地裁の公判では、和解勧告がでたらしい

三菱側は報道されたくないから、金払う気マンマンなのか
企業責任を徹底的に追及すればいいのに
169名無電力14001:2013/12/28(土) 01:53:34.22
トヨタもあとに続くぞ。お〜!!!
170名無電力14001:2013/12/28(土) 01:55:32.18
300人殺してるからな自動車は。

経産省の自動車担当は誰だよ
171名無電力14001:2013/12/30(月) 02:57:20.51
自動車、マスコミが報道しないのがひどいな

そんなに広告が大事なのか・・・

マツダも30人も死んでるのな

一面トップでスクープ報道しろよ!
172名無電力14001:2014/01/04(土) 06:00:33.30
自動車の広告があるかぎり、マスコミは手をつけないと思うよ
173名無電力14001:2014/01/05(日) 23:43:06.83
泉南勝利で、今年は報道増えるかも
174名無電力14001:2014/01/09(木) 01:10:35.61
>>167
★中国人強制連行
■参考
◆終戦企画 あの日を遺す 第3回「“語られない”中国人労働の実態」[SBS 2012/08/13]
■番組では2012年6月、浜松市天竜区の古河鉱業の久根(くね)鉱山で働いていた人達を、今でも苦しめるじん肺問題を取り上げた。
 その直後に、浜松市に住むという男性から1本の電話。知らされたのは、久根鉱山の直ぐ側にある日本鉱業の峰之沢(みねのさわ)鉱山で、戦時中、中国人の強制労働があったということ。
 過酷な条件下で日本のために働きながら、今、忘れされようとしている鉱山での外国人労働者の実態に迫った。
■鉱山で起きた悲劇、その場所は今…
 浜松市天竜区龍山町の旧峰之沢鉱山。銅の採掘で栄えたこの町で、戦時中、外国人が強制労働をさせられていたと電話の男性は話した。真偽を確かめるため、鉱山の跡地を訪ねた。
◆アナ「あっ、あちらに古い建物が2棟見えてきました。ツタが絡まって緑に覆われてしまっています」
 日本鉱業・旧峰之沢鉱山、労働者達の社宅だった建物。かつては、こうした社宅が何棟も建ち並び、1万人以上が住んでいた。
 峰之沢鉱山は明治時代から銅の採掘で栄え、夜通し煌々と照る灯りは「北遠(遠州の北)の熱海」と呼ばれた。
 しかし、昭和44年、鉱石の枯渇を理由に閉山。今は、この建物が残るのみ。
 電話の男性が言う外国人も、“ここに”住んでいたのだろうか?
 近くに住む人を訪ねてみた。
◆MKさん「杉林になっている、そこが《収容所》だった。(アナ:収容所っていうのは何ですか?)捕虜収容所。(アナ:捕虜?)うん。捕虜になって来ているわけだからね、強制労働のために」
 男性が小学1年生だった昭和20年、畑の一角に塀で囲まれた平屋があり、外国人が住んでいたという。
 「ヒイヒイジャンジャン、ヒイザトエ、そんな風な私は聞いた」、聞こえてきた歌は中国語だった。
■鉱山に埋もれた事実、戦時中の中国人労働
 収容所があったという場所。「この平らに区画が全部、塀で囲われていたと?」「私の記憶だとね。上(二階)があったかどうか定かじゃないけどね」
 捕虜の中国人…そして収容所…、彼らは“戦争で捕らわれた兵隊”だったのだろうか?