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名無電力14001:
『ヤクザと原発』書き起こし その6
業者たちが繰り返す「線量よりも汚染が問題」という言葉がキーワードとなった。汚染に注目すれば、福島第2原発……通称2Fの状況は明らかに異様だ。何かあったとしか思えない。それほど2Fは汚染がひどい。
2Fの原子炉は合計4基、震災と津波によってそのすべてが停止している。冷却に問題はなく、原子炉の温度も安定しているが、復旧作業が行われたのは4号機だけだ。
業者の証言を集約し、東電関係者に汚染の事実をぶつけると、急に腰砕けになった。
「……たしかに……まだ定検を開始していないのに、なんでこんなに汚染してるの?と思います。
最上階のオペフロ(オペレーションフロア)やコンクリート遮蔽プラグなんて信じられないほど放射能まみれ。……ペデスタルにも水が溜まっている……」
固有名詞が出ているオペフロやコンクリート遮蔽プラグは、原子炉という釜の上の部分に当たる。カンケイシャが口を滑らしたペデスタルは釜の下にあり、原子炉を支える台座である。
東京電力が二日おきに発表する2Fのプレスリリースに汚染の記述はまったくない。
(中略)
ペデスタルに水が溜まっている……不可解な暗号の意味を業者に訊いても、とりつく島がなかった。
答えてくれたのは原発の基礎知識をレクチャーしてくれた某電力会社OBである。
「ペデスタルに水が溜まってると言った……それが事実なら、すごい圧力がかかったということ……制御棒か配管か、壊れた場所は特定できなくても、とにかく原子炉の底は抜けている。
1Fと同じく水素爆発があったと考えるのが妥当。ウランを核爆発させている原子炉格納容器……つまり心臓部が破損したから、釜の上下に異常がある」
原子炉建屋が崩壊しない程度の小爆発……絶望的としか言えない1Fの深刻さとは比較にならないが、1Fばかりに目がいき、2Fに注目するマスコミはいない。