>>34つづき
対象は小型船で、釣り船や水上バイク、ヨット、モーターボートなどのプレジャーボート約30万隻と漁船約30万隻。
全国展開後は年間1万隻のリサイクルが可能になるという。
FRPは成形が楽でサビに強いことから、70年代に木材や鉄に代わって船の原料になった。
しかし、用途が限られるため、専門の処理業者はほとんどなく、処理方法は埋め立てが中心で1隻あたり20万〜30万円が必要。
費用がかかることもあり、漁港や海岸、河川への放置や不法投棄は増える一方だ。
海上保安庁は昨年11月、海上汚染防止法に基づき全国で152隻の放置船を撤去させた。
しかし同法は投棄は禁じているが、不法係留などは対象になっていない。また、所有者が分からなければ撤去の対象にはならない。
東京都や神奈川県の03年の調査では、河川や運河などでそれぞれ1000隻を超える放置船が見つかった。
小型船の漁業が盛んな広島県や大きな港を抱える愛知県、琵琶湖のある滋賀県などでも放置船が問題になっているが、港湾管理者の自治体にとって処理費が大きな負担になっている。
同省と工業会は、リサイクル費用を新船の販売価格(プレジャーボートで300万〜500万円、水上バイクで100万円前後)の1〜1.5%程度に抑える考えだ。
将来は販売価格に処理費を盛り込む方向で検討を進めている。
「asahi.com」 2005年2月13日