>>50つづき
大型機械類の傷みも激しい。地上階の10階ごとに1フロア設けられている機械用フロアには電気や空調系の大型機械が設置されているが、ほとんどはビル完成時の機械のため、中には製造業者が交換部品の生産を中止したものもあり、国連が一部を自製するほど。
空調のコントロールパネルを製造した米国の「ジョンソン・システム」社は「不要になったらもらい受けたい。博物館で保存する」とさえ語る。
さらに、建物にはいたるところでアスベストが使われている。38年のニューヨーク市ビル規則に合わせたためで、現在の規則からは完全に外れている。
こうした状況のため、99年ごろから国連内で修理の必要性が叫ばれ、01年には修理の計画概要ができた。詳しい計画は今後、国連総会で決まるが、来年5月ごろに本部ビル横に2階建ての仮設ビル(床面積17万5000平方メートル)建設を開始。
このビルに本部職員計約2500人のうち約750人を移す。残りは他の賃貸ビルに分ける計画だ。
09年初めまでに全職員の引っ越しを済ませ、現ビルの大修理にかかる。13年半ばには、生まれ変わった新ビルで仕事をスタートさせる予定だ。
修理が終わればエネルギー消費量は現在に比べて少なくとも3割削減できる予定。国連が叫ぶ地球温暖化問題への貢献にもなる計画という。
最終更新:11月23日10時27分