東海地震で静岡・浜岡原発は大丈夫か? 3

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連載「2001年東海地震は今」(19)▼安全対策・原発(3)割れる耐震評価 (静岡新聞)
のアドレスが間違ってました。正しくはhttp://www.sbs-np.co.jp/shimbun/jisin/jisin010425.htmlです
以下はその内容です。

安全対策・原発(3)割れる耐震評価
 「原発を安全だという人たちは、『切れば血のしたたるような生きた地震』を知らなさすぎる。
あまりにも単純化された、干からびた干物みたいなものを地震だと思っている」―。
昨年十月二日、東京の参議院議員会館。「東海地震発生まで浜岡原子力発電所を停止すべきだ」と主張する
市民グループが国会議員向けに開いた学習会。東海地震説の提唱者として知られる石橋克彦神戸大教授(56)は、
原発の安全審査の在り方を痛烈に批判した。
▼ 単純モデルに盲点
中部電力と国が「過去、浜岡原発の立地点に最大の揺れをもたらした」とし、それに耐えられることを耐震設計基準の
一つに置く安政東海地震(一八五四年、M8・4)。立地点が安政東海地震でどの程度の「揺れ」に襲われたかを
検討する具体的な方法の一つには、石橋教授が原型を作った「断層モデル」が採用されている。石橋教授の発言は、
いわば「モデルを作った張本人」からの問題提起だ。
「安政東海地震で起きた津波や地盤の隆起・沈降がうまく説明でき、自分でもなかなか良くできている
モデルだとは思う。だが、複雑に湾曲しているはずの断層面を平らな面とみなすなど、大局をとらえるための
大ざっぱな近似であることには変わりない。生きた地震は決して、単純なモデルから考えられるように
起こるものではない」。阪神・淡路大震災前、著書で都市の地震災害のもろさを警告した石橋教授。
近年は「原発震災」の可能性に言及し、「原発は一刻も早く決別すべき代物」と繰り返す。
2423の記事の続き:02/12/13 04:00
石橋教授の発言を、日本地震学会会長の入倉孝次郎京大教授(60)は「モデルはあくまで
モデルに過ぎないという批判には謙虚に耳を傾けるべき。重要な問題提起」と受け止める。
入倉教授は、現行の耐震設計指針が二十年前のままで、国民に十分な説明が尽くされる仕組みに
なっていない、と問題点を挙げる。ただ、その一方で、「原発の安全審査は、地震動(揺れ)の
推定にしても概して過大評価となるような、安全な方に働く計算手法で行われている。
原発が危険な状態にあるとまでは考えていない」とも話す。
▼ 「余裕設計」と反論
石橋教授の指摘にはっきり異論を唱える学者もいる。原発の安全審査に携わったことがある
富士常葉大の徳山明学長(68)もその一人。「影響を受ける最大の地震エネルギーを
断層モデルから検討する手法は適切で、実際の地震観測結果とも比較検討されている」と言う。
地震時の揺れは建設地の基盤を構成する地層の性質や、地域の地質構造にも左右される。
建設に当たっては、建設地の地震観測結果なども入力し、さまざまな強さの地震の
シミュレーションを行って基礎岩盤がどう揺れるかを詳しく検証しているという。
「検討したすべての揺れに耐えられるだけでなく、さらに余裕がある設計となるように
している」と反論する。
「地震の揺れの推定には、まだ大きな誤差が伴うが、誤差の影響のすべてを考え、
それに十分過ぎるほどの余裕を持たせている」。原発を設計したことがある工学分野の
研究者は、自信を持って答えた後に、言葉を続けた。「ただ、『本当に十分過ぎるか』と
問われれば、それは神のみぞ知ると言わざるを得ないが…」
現代科学の粋を集めても、絶対とは言い切れぬ「安全」。「原発震災」の恐れは全くないのか―。
石橋教授の問い掛けは住民の疑念を代弁しているともいえる。
(「2001年東海地震」取材班)