【高橋】権威の豚・陸連【切捨て】

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高橋尚子を「選ばなかった」のではなく土壇場で「選べなかった」陸連の選択
■代表発表会見直前の2つの騒動
 アテネ五輪マラソン代表選手発表記者会見の予定時刻は15日午後3時。
その約1時間前の会見場(東京・岸記念体育館)で、一部の新聞記者は、読売新聞が
夕刊(最終版のみ)で『Qちゃん五輪代表へ』という一面トップのすっぱ抜き記事を掲載
したことを知り、ソワソワしていた。そして、そのすぐ後には、今度はNHKが「高橋選手
選ばれず」といったまったく逆の速報スーパーを打ったことで、蜂の巣をつついたような
騒ぎになっていた。「どうなっているんだ!」という本社からの矢継ぎ早の問い合わせに
「分かりません! もう会見が始まります!」と答えるしかなかった他社の記者の姿が
印象的だった。そんな喧騒の中で日本陸連の澤木啓祐強化委員長の発表会見は
始まった。
 内容については既報の通り、「高橋尚子が五輪代表に選考されなかった」ということ
である。賛否両論、いろいろあるだろう。ただ、この発表会見直前の騒ぎを今一度冷静
に考えてみると、今回の決定に至る陸連内部の力学が透けて見えた感じがしたので、
ここで記しておきたい。なぜなら、このことは「不完全」と言われる(個人的には「完全
なる選考」など無いと思っているが……)マラソンの代表選考の歴史にとって、ひとつの
転機になっていることだけは確かだからだ。
■「読売新聞すっぱ抜き」の裏に潜む理事会内部の力学
 一般紙の夕刊の最終締め切りは午後1時半(東京)である。ゆえに、読売の記事は、
14日の夜回りや15日の朝駆け、さらには理事会直前の様子などによって「高橋は
外せない」という言質や確信を最終的に固めた結果だったのだろう。事実、陸連の幹部
数人は発表会見直後、「私は高橋を推したんだが……」とボソッと漏らしていた。
 ということは今朝の時点では、選考にあたっては過去の実績が重視されるという
従来通りの選出が行われると読んだのだろう。読売新聞に「世紀のすっぱ抜き」を
演じさせた脚本家はだれか? 理事会の中に「選考レースの結果できっちり選出する
べきだ」と主張した理事がいて、それにより陸連内の「高橋選出派」の主張が尻すぼみに
なってしまったのではないかと推測されるのだ。
 決定した3選手にケチをつけるのではないことを前提に言わせていただけば、代表選考
当日になって「過去実績ではなく選考レースの記録をより重視する」という評価軸を
いきなりメインに持ち出したのはなぜなのか。これを陸連ははっきりすべきだ。でないと、
ファンは納得しないだろう。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/column/200403/0316sn_01.html