>>451 こんな感じ;
「時間が経てば全部はっきりするだろう」
月曜日に陸連が高橋尚子を五輪チームに選ばなかったことに対する僕の反応を
表すなら、こう言うしかない。
この決定について、陸連は候補者の中で高橋の選考レースでのタイムが最も遅かっ
たとのが理由だという。高橋は、東京でのタイムが十分出なかったのを知りながら、
大阪や名古屋を走らなかったということが、高橋を選ばなかった陸連の理屈である。
オリンピックのディフェンディングチャンピョンであり、日本の女子陸上選手でただ一人
の金メダリストである高橋は、過去5年間にシドニーでの勝利や世界記録更新を含む
6つの優勝(および2位が一度)という驚異的な成果を収めている。高橋は、季節外れの
暑さだった東京で、2時間27分21秒という、候補者の中で最低のタイムを記録した。
ここで問題になるのは、陸連は選考会の前には、タイムが唯一の選考基準ではないと
明言していたことだ。僕は、重大な決定をなすべきときにあたっての陸連幹部の無能さ
に驚かざるを得ない。
考慮されるはずだったすべての要素を注意深く分析すれば、高橋が選ばれるべきであっ
たのは明らかだ。高橋の自己ベストは選ばれた3人よりも1分30秒から3分も速い日本記
録である。選ばれた3人は合計しても4勝しかしていないが、高橋はマラソン6連勝という
まさに驚嘆すべき戦績を持っている。陸連は、高橋の東京での結果が、おそらくたまたま
であると推測できないのなら、どうしてこれらのデータを割り引いて考えられるのか。
エチオピアのアレムに次ぐ2位であったにしても、高橋は日本人1位だったのだし、また、
彼女がチームにもたらしたであろう無形の財産を考慮してはどうなのか。注目を浴びる
中での経験、知性、そして何より重要なガッツ。高橋は他のランナーが尊敬し学ぶこと
のできる人だ。
陸連は野口、坂本に加えて、3人目には高橋を選ぶべきだった。彼女は明らかに他の
候補者よりも優れてるのだから、それが正しい決定であり、批判もより少なかっただろう。
陸連が、この決定をもって「公平」だなどと言うのには呆れるほかない。他の選手の方が
良いタイム良いスプリットだった、などというのでは、控えめに言っても、この国では「公平」
というのはどこか他所での概念に過ぎないということだ。高橋を外したというのは、確かな
証拠もなく人を陥れることであり、これを正当な決定と言うのはジョークにしかならない。
僕は、アテネでラドクリフと高橋が競うのをホントに楽しみにしていた。それはスポーツの
世界では、まさに一大イベントになるはずだった。機械のようなラドクリフ対国民的英雄の
高橋。安易な官僚どものおかげで、それがどういう結果になったのか僕たちは永久に知る
ことが出来ないのだ。