岡崎律子さん　15　〜仲なおり〜

岡崎さんが生涯独身を通したことで、無責任な憶測が流されているのを
事情を知る者として黙視できないので。

岡崎さん２７才の春の心情を綴った、1987年4月20日付けの
私に宛てた長文の手紙の一部を公表します。ちなみに私は♂です。
この時点ですでに、恋人と音楽とどちらを選ぶかは、決まっていたことが
読みとれますし、岡崎さんの心意気が感じられる名文です。

私信を無断で公表するのは、信義に反するのは承知していますが
何を書かれても、岡崎さんには、もう反論する術は無いのですから
許してもらえると信じています。

　　○△様　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　'87, 4, 20
＝＝<冒頭４行省略>＝＝＝＝＝＝＝

　私にはここ３年位　互いにみつめあっている人がいます。
自分で、一番真実の気持ちで　大切だと想えていると思っています。
じゃあなぜ
＝＝＝<５行削除>＝＝＝＝＝＝＝＝

それで私は、今は結婚ということについて
全く考えていません。もちろんね、外的ないろいろ、たとえば
’年頃’という意味での世間体とか、そういう すべてを突っぱねて
しっかり立っているのではなく　いつも気持ちは ゆらゆらします。
　でも、時々の迷いや　なにかを感じて考えたりするたびに
一番大切なものは、形や’決めること’でなく、自分の
今の気持ち、だ、と。
　意志でなく、自然に生まれてくる感情、自分でも
変えられない気持ちが。何よりも　すてきなものだと思います。

　それは、明日　突然変わってしまうかもしれないし
ずっと　変わらないかもしれない。自分にもわかりません。
でも　だから、その時々で一番大事なもの　と　信じて
います。

＝＝＝＝<３行省略>＝＝＝＝＝＝＝＝＝

男と女 という意味で、愛し合う　か　もう二度と逢わ
ないか、ふたつにひとつ　というのは、私の中にはない考えです。
でもこれは、とっても　普通の人から誤解されてしまいやすい考え
みたいですけれど。だから　そう考えてくれる人たちとは、そうして
いられれば　一番幸せなのです。
＝＝＝＝<１９行省略>＝＝＝＝＝＝＝＝

　自分の思うとおり、一生　進んでいきたいです。あなたも
どうぞ、自由な考えで　今のまま　進んでください。
なにかあれば　ご連絡を。私は　ここにいます。

　　　　　　　　　　　　　　　　岡崎律子