資本市場を揺さぶる企業手形リスク 【朝鮮ビズ】
http://biz.chosun.com/site/data/html_dir/2013/09/23/2013092303925.html 8%台の高金利を期待して東洋インターナショナル企業手形(CP)に投資したイ某(57)氏は、不安な気持ちで今回の
秋夕(チュソク)連休を送った。東洋グループが流動性危機に陥って、手形償還に困難が生じているというニュースが
あちこちで出てきたためだ。東洋レジャー企業手形に投資したパク某(49)氏も同じような不安を抱いている。パク氏は
“大企業系列会社で問題ないと信じていたが、毎朝新聞見ることが恐ろしい”と訴えた。
企業が発行した手形リスク(危険)が資本市場を揺さぶっている。手形は取引き時に作ることが普通だが、商取引と
関係なく資金を調達するために発行された融通手形に投資して、被害を受ける事例がしばしば発生している。企業
手形は企業が短期資金を調達するために発行する、代表的な融通手形だ。
◆連続する手形事故
企業手形に関連した問題は、大企業と中小企業を問わずに発生している。ソウル中央地方法院は13日、企業回復
申請計画を知らせないまま企業手形を発行して、投資家に被害を与えた容疑がもたれていたLIGグループ会長に懲役
3年の実刑を宣告した。2011年にLIG建設が法廷管理申請直前に、約1800億ウォンの企業手形を集中発行したことが
問題になったのだ。この事件で800人あまりの被害者が約3400億ウォンの被害を受け、このうち一般投資家も2000億
ウォン以上の被害をこうむったと推定される。
先立って熊津(ウンジン)グループ会長も、1200億ウォン台の詐欺性企業手形発行で不拘束起訴された。財界30位に
入る東洋グループは、年内に満期到来する企業手形7300億ウォンのために危機説に包まれている。これまで系列
会社を通じて投機等級に該当する企業手形を売り続けてきたが、来月から系列会社会社債および企業手形販売が
禁止されるため、資金源が詰まった状況だ。コスダック上場企業であったエスビエムは今年、‘文房具手形’のために
上場が廃止された。文房具手形は文房具店で簡単に入手できる約束手形証書で発行した融通手形をいうが、会計
法人の外部監査過程で文房具手形が発見されたため、監査意見が拒絶された。
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◆会社債に比べて発行容易、残高増加続く
このように融通手形問題が絶えず発生しているのは、手軽な発行手続きのためだ。文房具手形の場合、どこででも
手に入れることができる約束手形証書だけあれば、最大株主や経営陣が思いのままに手形を発行することができる。
コスダック上場企業アイエイ(旧 C & S Technology)のチョン代表理事ソ某氏は、横領疑惑で代表理事職解任が確定
したところ、解任前日の昨年3月12日に文房具店で約束手形用紙を購入し、会社の法人印を使って公証し、債権者に
分けた。アイエイは最近になって手形は不法という判決を受けたが、会社や株主が一瞬にして損害を抱え込むことに
なる構造である。
発行金額の単位がはるかに大きい企業手形も同じだ。会社債発行には基本的に取締役会の承認が必要だが、企業
手形は代表取締役の職権で発行することができる。一般企業手形は発行時の担保や保証も不必要だ。このために
実際の企業手形発行額は毎年増える傾向だ。韓国預託決済院によれば、今年発行された企業手形残高(16日現在)は
総額140兆ウォン規模で、昨年末(127兆ウォン)水準をすでに上回っている。発行残高は返さなければならない企業手形
金額を意味していて、2011年と2010年の発行残高は、それぞれ89兆ウォンと73兆6000億ウォン水準だった。
◆リスク拡散の可能性も問題
企業手形により個別企業のリスクが、資本市場全体に広がることになるのも問題だ。以前SKグローバル(現 SKネット
ワークス)の粉飾会計が発覚したとき、SKグローバルの企業手形が編入されたマネーマーケットファンド(MMF)に対する
転売要求が激しくなり、金融市場全体に波紋が広がった。東洋グループ系列会社の企業手形に問題が生ずる場合、
似た状況が起きかねないという憂慮が出ている。これに対して東洋証券関係者は“CMA口座の株式や現金は預託決済
院と証券金融に100%保管されるので問題がない”として、“顧客が転売要求をすることはあるがまだ特別な動きはない”
と話した。
金融監督院は5月から、満期1年以上の企業手形に対しては証券申告書を提出させるなど規制強化に出ている。企業
手形発行増加に合わせて、投資家保護により注力するという方針だ。キム・ジェリョン金融監督院企業公示制度室長は、
“企業の資金調達選択権は尊重しなければならないので、リアルタイムで管理できる電子短期社債を推奨している”と
説明した。
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