【出番が増えるよ!】海江田民主党等研究第204弾【やったね万里ちゃん】
「原爆がまた落ちるぞ」
鈴置:確かに、その補助線を引いて初めて納得できる韓国の動きが相次ぎます。日韓軍事協定の
締結1時間前のドタキャン、日韓犯罪人引き渡し協定を無視しての中国人放火犯の釈放、
そして韓国人が盗んだ対馬の寺の仏像を「韓国から略奪されたもの」と、何の根拠も示さずに
主張して返さない――などなど。
政府の行動だけではなく、韓国人の言説にも異様さが際立ってきました。2012年8月14日の
李明博大統領(当時)の「日王への謝罪要求」がその最たるものです。
中央日報の論説委員も「日本への原爆投下は神罰だった。この調子ではまた落とされるぞ」と
コラムで書きました(2013年5月20日付)。ちなみに同紙は、2011年の日本の大震災に対しても
1面トップで「日本沈没」との見出しをかかげ、大はしゃぎしました(2011年3月12日付)。
最近の韓国の常軌を逸した「侮日・卑日」ブームの背景には、精神的な先祖返り――「夷」たる
日本への根深い蔑視があると考えると納得がいきます。
今、日本の政治家、外交官や軍人ら安全保障専門家は皆、首をひねっています。日韓軍事協定の
締結や日韓外相会談の開催を奇妙な理由をつけて断るなど、韓国の反日の度が過ぎることに
対してです(「日本との関係を悪くしたい韓国、良くしたい北朝鮮」参照)。
彼らは「日韓関係を悪くして韓国は得にならない。もし、第2次朝鮮戦争が起きた時、日本が韓国を
助ける決意をしなければ、在韓米軍の後方基地たる日本が機能しない」と口を揃えます。彼らの
疑問に対し、私は以下のように答えてきました。
中国人以上に日本を憎む韓国人
・韓国は北朝鮮の軍事的脅威から身を守るため、中国に多くを期待するようになった。
・核武装しかけている北朝鮮に対して、米国以上に中国が深い危機感を感じていると思われるからだ。
・新たなボスたる中国が『日本とは切れろ』と命じるから、軍事協定などを突然に断ってきたのだ。
要は、「離米従中」の一部として「従中卑日」が始まったのだ、という鈴置説ですね。
鈴置:そうです。ただ、「中国の指示を受けての反日」だけだと、やや説明しにくい部分が残ります。
軍事協定の締結はともかく、日韓外相会談ぐらいは応じても中国からは怒られないはずだからです。
それが、情緒的な動機――「日本に対する華夷意識の復活」という岡本説をもってして、
初めて腑に落ちました。
岡本説を拡張すれば、「自分が中国に服しているのに、そうしない奴がいる」と考える韓国人は、
中国人以上に日本に対し不快感を持つ――ということかもしれません。
2006年秋に韓国の最高指導者の1人から「韓国はもう、中国に逆らえない。だから日本も中国に
逆らってはいけない」と厳しい口調で言われたことがあります。このお説教は、まさにそうした心境の
象徴でしょう。
自分の弱みにはほおかむり
質問です。韓国は中国に朝貢していました。韓国が朝貢を根拠に「対馬返還論」を言い募れば「韓国は
中国の属国であり、一部である」と自ら認めてしまうことになりませんか。
鈴置:答えは2つあります。まず、韓国では論理の整合性は重要視されません。ケンカする時には相手を
攻撃しまくるべきであり、自分の行いがどうであるかは関係ないのです。
990年頃のことです。韓国は日本に対し国を挙げて技術移転を要求し、自分の要求通りに応じないと
「日本人はケチで道徳性が低い」と声高に批判していました。
ある時、韓国の浦項総合製鉄所(現・POSCO)が東南アジアの某国から技術移転を求められたのです。
この時、韓国の関係者は一斉に「自分で努力もせずに、技術だけくれと要求するずうずうしい奴ら」
と非難したのです。
その中には日頃「吝嗇な日本」を激しく攻撃する人も含まれていました。ご本人に会ってこの点を
聞いたのですが、自分の言説の矛盾に全く気が付いていませんでした。質問の文脈に戻せば、
「対馬は対馬、韓国は韓国」ということかと思います。2011年10月の日韓スワップ枠の増額の際も、
韓国政府は「日本から頼まれたから結んでやった」と韓国紙に書かせました。野蛮国からカネを
借りる訳にはいかなかったのでしょう。