ttp://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE95C05620130613 アングル:アジア新興国、通貨安に伴う混乱で中銀の大規模介入も
2013年 06月 13日 14:17 JST
[シンガポール 12日 ロイター] - アジア新興国では、通貨安に伴う混乱への
対応として大規模な為替介入に踏み切る可能性が大きい。半面、域内の債務残高の大
きさからすると、市場の緊張が高まっても以前よりは利上げに慎重になるだろう。
新興国市場の通貨や株式、債券の動揺を誘っているのは、米連邦準備理事会(FRB)
の資産買い入れ(量的緩和)縮小観測を背景に、地域から巨額の緩和マネーが流出す
るのではないかとの懸念だ。
アナリストによると、今のところアジアの各中央銀行は、これらの市場の動きは全面
的なアジアからの資金流出の始まりというよりも、投資家が世界的なポートフォリオ
の調整に動いていることの反映だとみなしている。
BNPパリバ(シンガポール)の通貨・金利戦略責任者、ミルザ・ベイグ氏は「中銀
の任務は、事態の推移を見守ってボラティリティを抑えることだけだ」と指摘した。
それでもこうした想定が崩れることを恐れる声も出ている。もし米国債利回りが予想
以上のペースで急上昇すれば、キャピタルフライト(資本逃避)のリスクが高まって、
中銀が取り得る政策手段が限られる事態にさらされるだろう。
UBS(ロンドン)のストラテジスト、Bhanu Baweja氏は顧客向けノートで「FRB
の量的緩和縮小の話はまだ始まったばかりだ。(新興市場への)圧力が大きく後退す
るとは思われない」としている。
アジアの中銀では、インドネシアは例外的な存在といえる。通貨ルピアが11日に約
4年ぶりの安値に沈むと、中銀はルピア下支えのために翌日物借入金利を引き上げた。
クレディ・スイス(シンガポール)のエコノミスト、ロバート・プライオール・ワン
デスフォルデ氏は「現時点ではアジアの他の中銀が利上げに動くとは見込まれない」
と述べた。同氏は、アジア新興市場の不振は終わりが近づいているとの立場だ。
同氏によると、タイやインドなどのように逆に利下げで国内の成長てこ入れが必要な
ケースでも中銀は政策金利変更を思いとどまり、その代わり介入が頻繁になるだろう
という。