ドル為替レート1100ウォンでもひやひや、輸出企業超緊張 【東亜日報】
http://news.donga.com/Economy_List/3/01/20121019/50224227/1 今年最高値1104.30ウォン、自動車・造船業界の被害深刻
最近ドル・ウォン為替レートの上昇が続き(ウォン高)、輸出企業に非常事態になった。国際金融市場にドルが大幅に
緩和されているうえに、韓国経済に対する期待感が高まってドルが大挙流入したことによる構造的影響が原因なので、
当分ウォン高は持続すると展望される。
相当数の専門家は、年末まで為替レートが1100ウォン水準以上に高くなる可能性が高いと見ている。これに伴い、
各企業は‘為替リスク’にともなう予想被害を点検して、原価節減に乗り出している。
18日のソウル外国為替市場で、ドル・ウォン為替レートは今年に入って最もウォン高ドル安の1ドル1104.30ウォンで
締め切り、6取引日連続でウォン高が進行した。ウォン高によって輸入原材料値が下がる利点はあるが、輸出商品の
価格が上がるため輸出企業の収益性が悪化する原因になる。大韓商工会議所は、為替レートが1100ウォン以上の
ウォン安を維持することで、輸出企業が安定した利潤を残すことができると話す。
専門家は2008年の世界金融危機時に1ヶ月間で為替レートが200ウォン以上急落した前例から、まだ危機だと断定
することは難しいと見ている。しかし過去とは違い、最近の為替レート上昇は世界的な景気低迷とかみ合わさって、
企業がさらに困難になりかねないと指摘する。韓国全輸出の24.1%を占める中国景気の沈滞が長期化しているのも、
大きな負担だ。
チョン・ヨンシク三星経済研究所首席研究員は、“以前は世界経済が低迷すればウォン安が進み、反対に好況なら
ウォン高が進んだが、今は世界景気が良くないのにウォン高が進んでいて憂慮される”と話した。
業界では、全売り上げに対し輸出率が高く、外貨決済頻度が頻繁な自動車と造船業で為替リスクが特に大きいと
見ている。実際に現代・起亜自動車では、為替レートが10ウォン高くなると約2000億ウォンの売り上げ損失を見ると
推算している。これに伴い、現代・起亜車では部品生産の現地化比率を高めると同時に、ドルの代わりにユーロなどへ
決済通貨を多様化する対策を推進している。
大企業より為替リスクにさらにさらされている中小・中堅企業は、強く緊張した状態だ。韓国貿易協会国際貿易
研究院によれば、ウォン高にともなう損益分岐点は中小企業は1ドル1074ウォンと、大企業の1069ウォンより高いため
損失をこうむる危険がより高いことが分かった。