【百里の道も】谷垣禎一研究第72弾【九十九里をもって半ばとす】
明治学院大学の谷垣さんの講演、お聞きしてきました。
知らせてくださった方、ありがとうございました。
つたないですがメモした内容です。長文ご容赦ください。
<税と社会保障>
・この10年間、公共事業は3%/年で減少した。高度成長期につくられたインフラが限界になっている。
・GDPは約500兆円、現在その2倍の債務がある。主要因は社会保障費で、その原因は人口の年齢構成が変わったこと。
今の日本では、財政問題=社会保障問題と考えるべき。
・一般会計90兆円のうち、半分以上は借金でまかなっている。
・ヨーロッパは大変な状況だが、日本はそこまで至っていない。日本は超低金利。日本は貯蓄が大きいので、信用力が高い。
海外からは、消費税増税の余力があると見られている。
・影響の大きいことを行うには、長期の事前準備が必要
・自民党では、麻生政権時代に、2013年での税制改革を検討した。
小泉政権時(谷垣さんは財務大臣)、谷垣さんが「小泉さんの後の政権で
消費税を検討してもいいよね」と聞いたら、小泉さんから怒られた。
・捻出できた財源が2兆円だけだったので、管政権は、参院選で消費増税を突然言い出した。
・野田さんが消費税増税を言い出した時、野田さんに言ったこと
○自民党は参院選で消費税を争点にしたのだから、民主党も国民に信を問うべき
○税金の用途がおかしい(民主党は、消費税をばらまきの財源にしようとした)
・野田さんの覚悟をふまえて「事前に解散」から「事後に解散」に変えた。安倍さんは、今相当苦労されていると思う。
・これからさらに景気悪化の恐れもあるので、2013年に総選挙となると、消費税増税が選挙の争点になるかもしれない。
・今回の税の改革では、減税や低所得者向け対策を組み込むことができていない。これが民主党内での批判や分裂の要因になった。
・消費税増税反対に対する谷垣さんの考え方
○経済成長による税収増 → インフレを抑制できなくなるかもしれない
○先に無駄をなくす → もう無駄はほとんどない
つづき
<政治、統治>
・民主党は根回しをせず、スケジュールを作らない。意欲と能力のどちらの問題か、今もわからない。
・「安定した政治」とは「決められる政治」のこと。そのためには、衆参両方で過半数が理想。
・党内派閥による安定化という方法もあったが、今の自民党の派閥には支配力がない。その結果、派閥の良い点もなくなり、不安定化した。
・決められる政治や安定のためには、世論の支持が必要。谷垣さんは、公明・民主と協力するという方法を選んだ。
・維新の政策に、消費税の地方税化がある。
・消費税は、税収が景気の影響を受けにくいので、社会保障の財源に適している。
地方税にするということは、社会保障を地方が実施するということ。社会保障は国がやるべきだと考えている。
・自民党の信頼を取り戻すには、人材と地域組織の2つが大切
○人材を発掘して党の人材レベルを上げる
○地域/地方の組織整備には時間がかかる。予算を増やしても、組織/制度/人材が追いつかない
・行き詰ったなら、解散して国民に信を問うべき
<今後について>
・外交の立直し、そのためには日米同盟が重要。外交立直しのため、景気と国力の回復が大前提。
<その他>
・国力とは多面的なもの。経済力だけでなく、これまでの積み重ねや海外からの評価とか。
・憲法は現状に合わないところがある。そういうところには手を入れた方が良い。集団的自衛権の行使に関する解釈も最近になってのこと。自民党案では国防軍と表現した。
国のあり方を検討し、統治機構に関する記述を含めるようにしたい。