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侮辱された相手に領土・歴史問題と通貨外交とは別というような、過分で生温い対応をすべきではない、
スワップ協定などすぐ破棄すべきという論客は多い。
日本のコミットメントがあればこそ他国も支援に乗り出すが、日本が韓国の経済破綻を座視すればどうなるか。
まずはデフォルトに向け大幅な通貨安が発生する。韓国の対日貿易は慢性的に赤字である。
韓国側の支払いが滞ると、中間財などを輸出する日本の輸出産業への影響は免れまい。
表向きの理由として日本の韓国支援の所以とされるものである。
日本貿易振興機構(JETRO)の試算では、韓国輸出が1%増加すれば対日輸入は0.99%増えるとされる。
「ウォン安が韓国企業に追い風」などと悠長なことは言っていられない。日本の中間財や他国からの原材料の輸入価格高騰で、韓国のほうが大打撃を受けよう。
経済破綻は政情不安へと繋がり、係争地域だけでなく日本への経済難民の大量流入もありうる。治安悪化など直接的な影響も出てこよう。
さらに、弱みに付け込み影響力拡大を図れる中国にとっても都合がいい。世界経済への直接の影響は限定的でも、
裏事情込みの韓国経済破綻の影響とその前段階での支援を秤にかけ、後者に軍配が上がったのが現状だろう。
http://president.jp/articles/-/7196