[朝の論壇]大企業・公企業にだけ行こうとする若い世代 【朝鮮日報】
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2012/02/12/2012021200559.html?news_Head1 カン・キュヒョン明智大記録大学院教授・歴史学
産業現場は人手不足で大騒ぎなのに、期待水準が高すぎる青年層は深い考えなしで'他人のせい'
無条件に彼らの機嫌を取るよりも、社会持続可能に改革して、間違っていれば叱る大人がいなければ
大企業の最高位役員に直接聞いた話だ。知人が息子の就職を依頼してきたが、とうてい事務職で採用する
ことはできない実力であったし、就職したとしても数年も持たずに会社を辞めることが確実で、代わりに年俸が
多く勤務年限も長い生産職を推薦したところ、父子ともに断ってきたそうだ。中小企業と生産現場は人を求め
られなくて大騒ぎなのに、大学を出たからと大企業や公企業のような職場だけ探す態度は明らかに問題だ。
人気公企業では10人採用の公告を出したところ、何と5800人が応募してきたという。この程度なら社会病理
現象だ。しかし、韓国で平均所得最高を誇る都市は、生産職労働人口が多い蔚山(ウルサン)と巨済(コジェ)
だという事実は多くのことを示唆する。
'青年失業'による怒りは、既成世代が責任を負わなければならない側面があるが、その裏面には青年層の
期待水準爆発がかくれている。世界最高富国の一つであるドイツの大学進学率が39%であるのに比べて、韓
国は何と80%を越える。世の中のどんな政権や体制でもこのような社会を満足させることはできない。このよう
に無分別に大学進学率を高めてしまった過去の教育政策のすさまじい失敗は、まさに既成世代の責任だ。
既成世代のもう一つの誤りは、熱心に仕事をして金を稼ぐのに忙しく、家庭教育を疎かにしたことで、家庭で
乱暴に育った子供が社会に出てきても乱暴に行動する。
蓄積された怒りは、自身より人を恨む世の中を作る。数日前、ある有名アナウンサーは自身の入社試験不
合格経験をユーモアを混ぜて公開した。ある試験では最終合格者二人が名門大出身だったので、"学閥の
ために落ちた"と考え、別の試験では地方大出身が合格したのを見て、不合格は"大韓民国の組織的な不正
だと考えた"と語って笑いをかもし出した。しかし後になって知った本当の不合格の理由は、低いTOEIC点数
だったという。彼は以後その課題への挑戦に成功し、今は韓国の代表的MCの1人になった。
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>>73 つづきです
うまくいけば自分の実力で、うまくいかなければ他人や家、先祖、運勢、あるいは親日派のせいだという理由
を上げる。インターネット空間には"良い暮らしをしている人々は、みな親日派の子孫だ"という、1980年代式の
大時代的な虚構が幅きかしている。これは社会の全般的な現象だが、若い層で特に激しい。しかし人のせいに
する人には、うまくいく方法はほとんどない。運も準備された人にだけくる。
IT環境は状況をさらに悪化させる。過度なインターネット使用は知的行動を担当して衝動を節制する前頭葉と
前前頭葉の機能を弱化させ、論理的で理性的な判断をマヒさせて怪談と扇動に脆弱にさせる。一部青年たちは
SNSでムチャクチャな行動をとり、それが正しいか正しくないかを区別できない。著名なIT未来学者ニコラカー
が話した'考えない人々'の出現が憂慮される。衆愚政治の典型的な現象だ。
政界も、青年たちを正しい方向へ導くことなく、機嫌を取るのに汲々としている。'ロウソクのあかり精神'を継承
しようという民主統合党は言うまでもなく、新しいセヌリ党も問題だ。最近、セヌリ党非常対策委員会人材招聘
分科委は、人口の14%に該当する青年失業者および経歴断絶女性にも、その比率にあわせて比例代表議席を
配分するように建議した。驚くべき勧告だ。青年失業者から誰を選べば代表性が確保され、失業者から何人を
国会議員にすれば青年失業問題が解決されるのか? 彼のための対策を用意しなければならないのに、失業が
何かの資格にでもなるということか。
今、韓国は未来世代のために真の変化をするか、でなければアメをいくつか分けるような臨機応変的善心を
使うのか決めなければならない岐路に立っている。値段が安い慰めやお世辞、むやみなバラマキ支援は彼らを
窮極的により大きい困難に引き渡すだろう。国民年金もこのまま放置すれば、彼らが恩恵を受けるべき21世紀
中盤には枯渇を始め、結局空の倉庫になるだろう。既成世代がすべき仕事はこうしたものを合理的に改革して、
持続可能にさせることだ。また、賃金ピーク制のように、若者たちに機会を与える革新的な改革が、さらに効果
的だ。この過程で既成世代が損害をこうむっても、甘受する姿勢になっていなければならない。青年世代も既成
世代と社会を呪う前に、前世代の成果と限界を共に評価しなければならない。特に、私たちの社会をひどい
貧困から抜け出させた点に対しては、有り難みを表わすことが正しい。
未来世代を考えない社会は希望がない。彼らのために、さらに公正でさらに効率的な社会を作らなければ
ならない。しかし、未来世代の苦衷に耳を傾けて根本的解決策を用意する一方、彼らの誤った言動には竹鞭で
叱ることができる大人がいる社会が望ましい。
(2/2) 以上です