【政治経済】平成床屋談義 町の噂その429

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542日出づる処の名無し
 8月20日(ブルームバーグ):世界金融システムの強化に向けバーゼル銀行監督委員会が合意した
銀行資本規制「バーゼル3」が骨抜きとなる恐れが出てきた。債務危機に苦しむ欧州当局者らが
資本の定義を見直しているほか、米国でも金融規制改革法(ドッド・フランク法)との調整が難航している
ためだ。

 米財務省の元弁護士で現在は法律事務所ポール・ヘースティングス・ジャノフスキー・アンド・ウォーカーの
シニアパートナーを務めるV・ジェラード・コミジオ氏は「欧州と米国の情勢は変化した」と述べ、「欧州の現実
主義者らは、自国の銀行は規則を満たす資本を調達できないことを理解した。米銀各行は方向転換し、
あからさまに反対姿勢を取っている。合意された時点と比べて現在は、バーゼル3の見通しが不確かに
なっている」と説明した。

 バーゼルの基準には拘束力がなく、各国は合意した原則を実施に移すルールを独自に定める必要がある。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は先月、域内実施案を発表した。

 欧州委のバルニエ委員(域内市場・金融サービス担当)が示した実施案は、銀行のキャッシュポジション改善の
ための比率を提示しなかったほか、借り入れを制限するルールに関する判断と一部の順守期限を先延ばしし、
資本の定義を修正した。米国では、金融規制改革法が銀行規制に信用格付けを利用することを禁じているのにも
かかわらず、バーゼル3がリスクの判断を信用格付けに頼っているため、当局者は対応に行き詰った。

 バーゼル委員会は普通株以外を最上級の銀行の資本に含めるのを認めないことで合意したが、欧州の
実施案は資本の定義を変えている。

 マイナスの影響
 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスの欧州銀アナリスト、トビアス・モーシェン氏は、「国ごとの
ケースでは調整は正当化される可能性があるが、全体的に見た場合、欧州とそれ以外の国のバーゼル3の実施
方法には違いが生じるだろう」と指摘。「そして他の国も同じ道筋をたどらざるを得ないと感じれば、均等な競争条件は
失われマイナスの影響を及ぼす」と説明した。

ブルームバーグ
ttp://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aLO6jGGbI2dQ