>>470 つづきです
◆域外NDF売却・外国人の国債買い入れなどが短期外債増加要因
政府は短期外債急増の主要原因として、差額決済先物為替(NDF)取り引きと呼ばれる、国内非居住者のドル売りを挙げる。
差額決済先物取引は、契約時の先物為替レートと満期時の現物為替レートの差額をドルで精算して支払う形態だ。外国人が
昨年4分期に先物為替8億2000万ドル分を純買い入れしたが、今年1分期には113億4000万ドルを純売渡した。国内経済基礎が
強固になり韓国ウォンの価値が上昇したことで、域外外国為替市場で先物為替売却が続いている。韓国ウォンの価値上昇、
すなわちドル対比ウォン為替レートが下落すると見て、外国人が為替レートを利用して投機的取り引きを目的に先物為替を
売り渡しているのだ。
外国人が先物為替を売り渡せば、これは国内銀行が先物為替を買いとって受け入れなければならない。ところが、国内銀行
としても為替レートが落ちる状況で先物でドルを買うことはふさわしくない。国内銀行はひとまず先物為替を買いとる代わりに、
ドルを売って危険を回避しようとするが(ファンヘッジ)、ないドルを売ることはできないので、外国銀行からドルを借りて売ることに
なる。この過程でドル借入が増えることになることだ。
同じ脈絡で、上半期に造船会社の受注が活況だったことも外債増加原因として作用した。今年造船業者の受注契約総額は
昨年より115%増加した19兆ウォンを越えた。三星重工業が10兆ウォン規模のLNG船4隻を受注したのをはじめとして、大宇造船
海洋と現代重工業が、超大型コンテナ船10隻とdrill-ship2隻をそれぞれ受注した。
造船会社では、船舶を受注する時と最終的に船舶を引き渡して代金を受け取る時期に2〜3年ほど差があるので、為替レート
変動危険を防止するために先物為替を銀行に売り渡す。造船会社の受注が増えたことで先物転売も自然に増えたので、同じ
方法で銀行が先物為替を買い、またファンヘッジをしながら短期外債も増加することになった。
また外国人の韓国債権投資が増えたのも外債増加を導いた。金融監督院が4日発表した外国人債権投資動向を見ると、6月
末現在の外国人債権保有金額は、今年に入って6兆7201億ウォン増加した81兆1000億ウォンと集計された。昨年11月以来7ヶ月
ぶりの史上最大値だ。特に中国は今年に入って2兆1196億ウォンを国内債権に注ぎ込んだ。
◆先物為替ポジション限度縮小は‘一つの変数’
政府は外債増加にあらかじめ対応していくという方針だ。先月29日企画財政部は、国内主要銀行6行と外国系銀行3行の高位
関係者を呼んで、短期外債増加に対する政府の憂慮を伝達した。
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