<中日新聞社説>
ttp://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2011062802000011.html?ref=rank 菅内閣人事 復興推進できる態勢か 2011年6月28日
菅直人首相が政務三役人事を行った。新設の復興対策担当相に松本龍防災担当相を充て、原発事故担当相も新設したが、政権の
手詰まり感は否めない。復興を強力に推進する態勢には程遠い。小幅にとどまった今回の“内閣改造”では、松本復興担当相の
ほか新設した原発担当相に、これまでも原発事故対応を担っていた細野豪志首相補佐官を起用した。
東日本大震災や福島第一原発事故対応に一定のめどがつくまでは辞任に抵抗する姿勢を示す首相の思いが表れた形ではある。松本
氏起用について首相は記者会見で「震災発生から最前線で指揮を執り、復旧から復興への継続性から適任」と説明した。
しかし、首相は復興担当相に浮上した仙谷由人官房副長官や玄葉光一郎国家戦略担当相と退陣時期をめぐり対立し、松本氏以外に
引き受け手がなかったのが実情だ。その松本氏も首相からの就任打診を一度断っており、首相の退陣時期でも「六月いっぱいとい
うのが私の中にはある」と、早期辞任を促す考えを示していた。どうも気乗りがしない就任のようだ。
国民新党の亀井静香代表も首相補佐官就任は受け入れたが、副総理は固辞した。首相の求心力低下をうかがわせる態勢で、復興を
全力で進めることができるのか。(後略)
<読売社説>
ttp://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110627-OYT1T01265.htm 首相退陣条件 復興へ政治空白長引かせるな(6月28日付・読売社説)
菅首相が、これまであいまいにしてきた退陣の「条件」について、記者会見で明らかにした。第2次補正予算案、電力会社に自然
エネルギー買い取りを義務づける「再生可能エネルギー特別措置法案」、赤字国債の発行を認める特例公債法案の成立を挙げた。
だが、首相が決めた新布陣で、政府・与党が一体となり、野党の協力も得て、こうした法案などをすんなり成立させられるのか、
疑問だ。これ以上、政治空白や政策の停滞を長引かせてはならない。早期の辞任を改めて求めたい。
(中略)
結局、亀井氏は入閣を拒否し、首相補佐官に落ち着いたが、首相の求心力の低下と、政権末期の混乱を露呈するだけの結果になっ
たと言えよう。首相が、自民党から一本釣りの形で、浜田和幸参院議員を総務政務官に起用したことも波紋を広げた。自民党側は
「与野党の合意形成に真っ向から挑戦する行為」と強く反発している。
野党との協力が必要な時に、まるで逆効果ではないか。
(後略)
>>>>早期の辞任を改めて求めたい。
<朝日社説>
ttp://www.asahi.com/paper/editorial.html (略)
首相はきのうの記者会見で初めて、退陣の条件としていた「一定のめど」について、第2次補正予算、特例公債法、再生可能
エネルギー特別措置法の成立を挙げた。けれども、この人事が与野党の協調をかえって難しくし、この3条件の達成も遠のけ
たのは明らかだ。
首相が真剣に被災者の身の上を案じているなら、こんな対応ができただろうか。
ここに及んでさらに孤立していく首相に、震災復興への展望は開けそうにない。