'針の穴から崩れた堤防'、対策のない自動車業界 【聯合ニュース 東亜エコノミー】
http://economy.donga.com/total/3/01/20110522/37432488/1 適正在庫や複数供給先など、応急プランがない弱点あらわに
事態長期化すれば、業界全体と国家経済まで被害拡散
年間売り上げが2千億ウォン余りの自動車部品会社のストライキから、わずか四日で国内すべての完成車メーカー
に超非常がかかった。
自動車エンジン部品のピストンリングを生産するユソン企業が、労組ストライキと使用側の職場閉鎖で生産を中断
したことで、この会社から部品を供給されている現代・起亜自動車ほか、主要完成車メーカーの生産ラインが全面
的に停止する危機に直面したのだ。
ユソン企業労組のストライキによって、ピストンリングなどの生産ラインが止まったのは18日。起亜車ソハリ工場の
カーニバル生産ラインでは、二日目の20日から夜間勤務組が作業を中断し、現代車蔚山(ウルサン)工場のスポーツ
ユーティリティー車両(SUV)ラインは、四日目の22日から特別勤務が出来なくなった。
問題はここで終わらない。来週初めまでユソン企業労組がストライキを継続する場合、モーニング、ベルナ、アバン
テの一部など、小型車を除いた現代起亜車のすべての乗用車および商用車のラインが、早ければ24日、遅くても
25日から全面中断される。
深刻性は多少低いが、韓国GMとルノー三星も状況は同じだ。韓国GMは富平(プピョン)と群山(クンサン)のエンジン
工場のピストンリング在庫は、24〜25日に底をつくが、一部供給可能なAS物量で回避すれば、一週間程度ならば
持ちこたえられるという。ルノー三星も、中型SM5 2.0モデルに使用するカムシャフトの在庫が4日分しかないため、
来週中に生産支障が避けられなくなる状況だ。
自動車業界は本来、全世界的に一部の部品供給網が崩れれば、完成車生産が打撃を受けざるをえない構造だ。
だが、グローバル トップ3を目指す現代・起亜車が、ピストンリング部品一つの供給中断のために、二日でラインが
止まったことについては、多くの専門家たちが首をかしげている。ひとまず全ピストンリングの70%を一企業に依存し
ながら、もしもの場合に備えた適正在庫が全く確保されておらず、供給代替先もないことは問題ではないかという
指摘だ。
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>>444 つづきです
ピストンリングは、自動車エンジンのピストンとシリンダー壁の間で、空気が漏れないようにするためにピストン周りの
溝に挟む輪形の部品で、なくてはならない重要部品だが先端技術を要する程ではない。現代・起亜車のある関係者は
"小型車に使うピストンリングを供給する大韓リエンは、現在100%稼動中で余力がなく、AS物量を生産にまわすことは
危険なこと"として、ストライキが終わることを待つ以外に何の対策もない状況だと話した。
さらに昨年、アイスランド火山噴火にともなう航空大乱で、日産やBMWなどが一部工場稼動を中断したことがあって、
トヨタ リコール事態と日本震災で部品供給の重要性が大きく浮上したにもかかわらず、これを他山の石とすることが
できなかった点も指摘される。
キム・ピルス大林(テリム)大教授は、"今回の事態はもしもの事態に備えた十分な在庫物量の確保、複数の供給
先指定、応急措置プランがなかったという点で、グローバル自動車メーカーを目指す現代・起亜車のシステムの、
大きな弱点を現した"と話した。
来週中にユソン企業のストライキが終わらない場合、今回の事態は国内完成車メーカー全般はもちろん、関連
産業まで被害を広げることになる。さらに最近では、ブランド価値上昇と北米市場での販売好調、日本企業の不振
などで、国内企業がグローバル市場占有率を大きく高めることができる好機を、ややもすると今回の事態で逃しかね
ないという憂慮まで出てきている。
最近日本震災で停滞しているトヨタなど日本企業は、地震震災による減産分を補充するために、今秋以後大々的な
生産増大を計画していて、GMやフォルクスワーゲン、フォードなど米国とヨーロッパの競争企業も、大挙新車を発売
して、占有率を高め育てていっている。
現代車のある関係者は、"4月に現代・起亜車は米国市場で市場シェア9.4%と歴代最大値を記録し、ヨーロッパ市場
でも5.2%を記録するなど、グローバル市場で大きく善戦しているが、生産支障事態が長期化する場合、今後の販売
拡大は明言できない"と話した。
(2/2) 以上です