【政治経済】平成床屋談義 町の噂その380

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378日出づる処の名無し
エジプトの混乱、中東産油国への影響は
(前略)
 エジプト自体は世界的な産油国ではない。産出した石油のほぼすべては8000万の国民が消費してしまう。石油産業に与える影響が
大きい理由は、極めて重要な輸送ルートとして長年使われてきた全長193キロのスエズ運河を保有するためだ。

 しかし現在、スエズ運河を通過する貨物のうち、石油が占める割合は16%にすぎない。複数のアナリストによる試算では、スエズ運河で北へと運ばれる
量は1日あたり60万〜100万バレルという。また、スエズ運河と並行して走るSUMEDパイプラインは、1日100万〜200万バレルを紅海から地中海へと運んでいる。

 近年、スエズ運河は液化天然ガス(LNG)の重要な輸送ルートにもなっている。しかし、スエズが封鎖されたり遅れが発生しても、
世界全体で見れば十分な供給能力があるため対処可能と考えられている。

 石油生産に関しても、全世界で1日500万バレルの余剰能力があるという。サウジアラビアだけでも350万〜400万バレルの増産が可能で、
スエズ運河とSUMEDパイプラインを合わせた輸送量を十分に賄うことができる。どちらのルートが分断されても当面は心配ない。

 アメリカ、ワシントンD.C.に拠点を置くクリアビュー・エナジー・パートナーズ社のケビン・ブック氏は、憂慮すべきは“伝染”のリスクだと話す。
エジプト周辺には、失業者を多く抱え、1人あたりの国内総生産(GDP)と年齢中央値が共に低い国がいくつかある。さらに国軍がしっかり
していないと、政権転覆のリスクが高くなるとブック氏は見ている。特にイエメンの状況は突出しているという。1人あたりGDPは2600ドルで、
エジプトの6200ドルよりはるかに低い。失業率もエジプトの公表値10%に対し35%前後に上る。

 イエメンの石油生産量はエジプトよりさらに少ないが、やはり輸送の難所になり得ると考えられている。具体的には、紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・
マンデブ海峡だ。ブック氏は、「ここで輸送が妨げられても供給が崩壊するわけではないが、石油製品の価格上昇につながる可能性がある」と語る。

 ただし、石油を大量に産出するペルシャ湾岸の君主国や首長国まで混乱が広がるかどうかは議論の余地がある。最大の産油国、
サウジアラビア王国の失業率は11%で、エジプトよりわずかに高い。だが同国の1人あたりGDPは実にエジプトの約4倍、2万4200ドルだ。
コンサルティング企業PFCエナジーでエネルギー関連のシニアアドバイザーを務めるポール・トセッティ(Paul Tossetti)氏は、豊富な
石油資源を持つサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、カタール、クウェートの人々は根本的に状況が異なると述べる。

「人口が多く、石油が乏しいエジプトなどに比べると、富裕国の国民は未来を思い描くことができる」。中東の石油王国に混乱が広まる
可能性は低いというのがPFCエナジーの見解だ。「デモがあちこちに飛び火する事態は覚悟した方がいいだろう」と同氏は述べている。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110202001

こちらの見立てではスエズが使えなくなっても石油云々に関しては当面心配ないでしょうという事ですが、どうなんでしょうね