>>554 ほいじゃ漁師として言わせてもらうわ。一応こんな国にいても日本の漁協の準組合員
(漁協株名義人の家族)だからね。
まず、底引き網が小さいということは、回転で稼ぐって事。つまり一日単位で稼ぐ
から、月単位で見るとそれなりの収入になる、って話。それから底曳きで活魚って
ありえねぇわ。魚は釣りでもそれなりの深さ(魚にもよるが概ね水深50m以下と思って
良い。)から引き上げると、浮力の調節機能を失って、ひっくり返る。もっと深い
処で釣る魚(アコウとかメダイなんか。クロムツなんかでもある)だと、浮き袋が
膨張して、口から胃が飛び出す。ひっくり返るまでは何とかなるが、口から胃が
飛び出したら、活かすのは無理。
底曳きだと、水深150とか200はざらだから、まず活きない。浅いところ曳いても、
網を揚げるときに潰されるから、活かすのは相当に難しい。それと石斑魚ってのは、
キジハタの仲間だから、底曳きで採れるようなところには居ないよ。まぁ、海底の
岩礁に引っかかって網がズタボロになるつもりなら、運次第だけど。底曳きで採れる
のは基本的に底近くで群れてる魚。
まぁ尖閣で魚影が濃いのは理解できるが、仮に活魚船倉持っていたにしても、網で
採って、そのまま活魚船倉に落とせば生きるってもんじゃないのは理解してね。表層で
やるまき網とは違うから。で、死んだ魚をどうするのか?捨てるって選択肢はありえない
でしょ。となれば冷凍するか、氷蔵か、あるいは冷水(0度前後まで海水を冷やす。)
か、って選択肢しかありえない。となれば、活魚船倉とは別にその船倉を持つ必要が
あるわけね。
福建から一番近い線引いても、尖閣まで約200海里、10ノットで片道20時間かかるわけ。
今日の朝港出て、漁場に着くのは明日の朝、そこで一日操業して、明後日の朝尖閣出て
港に帰って水揚げできるのは明明後日の朝。一回4日は最低掛かる。毎回遠征しても、
月に操業可能なのは実質8日しかないわけ。これがまき網なんかならまた話は違うん
だけど、底曳きだと、これで採算に乗るのは凄いと思うよ。冷凍設備でも持っていて、
尖閣で10日、20日と操業できるなら別だけどね。ビデオ見ても判ると思うけれど、この
船、網上げたとき、ほとんど魚が入ってない。まぁ、曳いていたのが短い時間からかも
知れないが、月8日の操業で採算乗せるなら、この程度の曳きでもある程度魚があるくらい
の魚影じゃないと、厳しいと思うんだが・・・