“密輸品市場”閉鎖 露、民衆の不満ガス抜き (
>>355 >>368の関連)
http://www.business-i.jp/news/special-page/oxford/200908290002o.nwc ロシア政府によるチェルキゾフスキー市場の閉鎖は、国内外に波紋を広げた。
密輸・汚職の摘発が狙いとの見方も多いが、その後の政府の対応をみると、背後にはさらに大きな目的があるようだ。
同市場では安価な中国・トルコ製品が取引され、年間売上高は数十億ドルに上ったとみられる。
1日の訪問者数は約13万人。このうち4万人は国内各地からの行商人だった。
しかし、不法滞在や密輸も多く、2008年には20億ドル分(約1870億円)の密輸品が摘発された。
一方、同市場の敷地の大半を所有する、テルマン・イスマイロフ氏はトルコに超高級ホテルを建設し、
派手なオープニングセレモニーを開催。経済危機中のこうした行動を問題視したプーチン首相が、
同市場の徹底捜査を求めたとされる。
中国は突然の市場閉鎖に抗議し、代表団を派遣した。国内では、露天商や行商人による抗議デモが発生。
同市場からの行商に頼っていた地方で物価が高騰したり、同市場の露天商が他市場に流れて賃料を急騰させるなど、
外交・内政に多くの影響を及ぼした。
ただ、こうした影響を無視するように、ロシア政府は7月中旬、同市場の恒久的な閉鎖を表明。
7月末、同じくモスクワ市内のセバストポリ市場も閉鎖した。
背景には、国家主義政策を打ち出して民衆の不満をそらす目的があるようだ。
プーチン首相は07年の移民法改正で、外国人の小売業への従事を禁止。
軽工業の支援に関する政府協議の席で密輸犯への実刑判決を求めるなど、繰り返し国内産業の保護を訴えている。
ロシア政府は2つの市場の閉鎖によって、対中関係や低所得層の生活をリスクにさらした。
しかし、経済危機による不満が政権を脅かしているとすれば、市場閉鎖は、
民衆の関心をそらすための国家主義政策の一環ととらえるのが妥当のようだ。