【明日また会うとき】鳩山民主党研究第82弾【笑いながら修正】

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899早○田の食客 ◆3zWaseda2A
>>889>>891>>892>>896(続き)
過去を振り返れば、民主党が高速道路無料化で国民の人気を取ろうとしたのは、焦りからだった。
民主党で無料化を言い出したのは、菅直人である。2003年3月、道路公団の民営化をしていた僕のところに当時、民営化委員をしていた僕のところに当時、民主党代表だった菅直人から電話がかかってきた。
彼はそう言う義理堅いところがある。それは、民主党は小泉改革が進める民営化に対抗して高速道路無料化を衆議院の予算委員会で提案したい、という連絡だった。
しかし、無料化への僕の反応は今と変わらなかった。そのときも、将来、政権与党になる気があるなら、無謀な無料化案は引っ込め、自民党の抵抗勢力に抗して、民営化に賛成すべきだと伝えた。
岡田克也幹事長に電話をして、説得してくれるように頼んだ。沈着冷静な理論派の岡田は僕の意見を聞き入れてくれたので、菅は翌日の予算委員会で無料化を言い出すことはなかった。

しかし、それから三ヶ月ほどが経ち、総選挙の気配がしだすと、再び菅は無料化を言い出した。再度、岡田の説得を頼んだが、「あちらは代表で私は幹事長ですから」と言う苦笑した感じの言葉が返ってきた。
結局、2003年11月の総選挙で、民主党は、政権公約に無料化を盛り込むに至った。

今回の衆議院選挙で小選挙区制下の二大政党制がいよいよ本格的に始まるだろう。
しかし、民主党が選挙が近づくたびに高速道路無料化案のようなポピュリズムに走った政策を懲りずに持ち出すようでは、二大政党制に抱く不安は拭えない。

今の自民党と民主党を見ていると、戦前、民政党と政友会が二大政党制を実現しながらも、スキャンダルの応酬とバラマキ合戦に明け暮れていったことが思い出される。
8月30日の総選挙後、二大政党は足の引っ張り合いに終始するのではないか。僕は深い危惧を抱く。
なぜなら、民政党と政友会がそのような不毛なポピュリズムに陥り、進むべき方向性を見出せなかったことが、後の軍部(官僚)の台頭を招いたからである。
1921年に政友会の原敬首相が暗殺されて以来、太平洋戦争が始まるまで内閣の平均寿命はおよそ一年である。昭和大恐慌が起きて、農村が疲弊し、失業者が増え、社会不安が広がっていったにも関わらず、
安定政権を築けなかった政府は有効な政策を打てなかった。そのうち社会主義への共鳴が広がり、資本家が諸悪の根源として指弾されるようになっていった。
やがては社会主義思想の強い影響を受けた青年将校たちが天皇を中心にした「国家改造」を夢想し、1932年に五・一五事件、36年に二・二六事件を起こした。
こうして、二大政党制による民主主義は息の根を止められていった。

民主党は政権を取ったらすぐにでも、これから日本はどのような道を進むべきか、内部で深い議論を交わして欲しい。
明治維新以来、日本は「曲がり角」に弱い。「富国強兵」を合言葉にして、列強に追いつくための事業は成功したが、日露戦争で「一等国」になったと安堵してから、自滅の道を歩み始めた。
敗戦後の焼け野原からの経済復興のときもそうだった。高度成長によって、奇跡の復興を遂げたとたん、国民は目標を見失い、バブル経済の到来に我を忘れた。
既にある先行モデルを真似し、それを追いかける「直線コース」では抜群の力を発揮するが、追いついたとたんに思考を停止し、進むべき道を見失ってきた。
「曲がり角」で必要なのは、ムードや情緒に流されないこと。そして、正確な事実と数字を基に冷静な判断を下すことだ。
民主党は高速道路無料化から勇気ある撤退を出来るか否か。二大政党制が健全に機能するのか、あるいは日本が未来の自画像を描けるのかは、その成否に懸かっている。(文中敬称略)

( ´U`) 以上です。流石に作家さんで石原都知事の下で働いてる人は違いますね。
      次は、官僚座談会、あと出来る限りやってみます。