【明日また会うとき】鳩山民主党研究第82弾【笑いながら修正】

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896早○田の食客 ◆3zWaseda2A
>>889>>891>>892(続き)
>民主党は初志を忘れるな
今年の三月から政府与党が景気対策として打ち出した高速道路「土日祝日、地方は一千円」の政策と民主党の無料化案も「一千円かタダか」という対立ではない。
高速料金を「一千円」にするために補正予算が二年で5000億円投入されることが決まったが、
これは景気対策のための一時的な財政出動であり、値引きによる高速道路会社の減収入分を補填しているに過ぎない。
高速道路会社の負債返済やコスト削減などのガバナンスには影響を与えていないのだ。

もちろん、政府与党の景気対策は民主党の無料化案に引っ張られて登場した面もあったと思う。その意味で、無料化案はその役割を果たし終えたとも言える。
このまま民主党の無料化案が進行すれば、道路公団を民営化したことで確立したガバナンスを解体することになってしまう。
しかも、借金は国債に付け替えられ、国債償還のルールに付け替えられ、国債償還のルールに従って六十年の間、ずっと税金が投入され続け子や孫の世代へのツケ回しになる。
問いは、株式会社か国営化か、にある。ガバナンスがあるかないか。税金の無駄遣いを許さないのか許すのか。区の官僚の権限を縮小するのか拡大するのか、である。
「一千円かタダか」という虚偽に満ちた問いによって、世論を導くことはポピュリズム(衆愚政治)と言う他ない。税金の無駄遣いを再び許すことは国民の利益にならないからである。

高速道路無料化のメリットとして、民主党はその経済効果を喧伝している。完全無料化で最大2.5兆円の生活・企業活動コストが軽減荒れ、それが消費や投資に回されれば、7.8兆円の経済効果___。しかし、数字の根拠が怪しい。
無料化すれば当然、渋滞が多くなり、物流が滞り、経済に悪影響を及ぼす。これにより二酸化炭素の排出量が増えれば、削減計画とどう両立されるのか。
何より無料化によって、より早く目的地に到着でき、時間を節約できるという高速道路自体の商品価値が減じてしまう。無料化によって、人やモノの移動が活発化し、地方が活性化するとは限らない。
タダを売り物にするのはポピュリズムである。

政権奪取のためにポピュリズムに走る民主党を見ていると、隔世の感に堪えない。
十年ほど前のことだったろうか、僕は小泉純一郎から油性民営化の勉強会で講師を頼まれ、議員会館で特殊法人の民営化について話した。
そこには、2002年に暴漢に襲われて殺された石井紘基、現神奈川県知事の松沢成文など、民主党議員の顔が多く見られた。出席者には四十人ほどの国会議員がいたが、三分の二は民主党議員だった。
僕は「小泉さん、民主党議員が多いですね」と声を掛けると、「いいんだよ」と笑って答えた。

そこで見た民主党議員の顔はバブル崩壊後の混迷を脱するためには、産業構造を変革してグローバル化に対応した生産性の高い社会を作り、税金の無駄遣いを徹底的になくして
スリムで効率のいい行政機構を作るしかない、という熱い志に燃えていた。その国の未来を左右する事業は後に小泉首相によって「構造改革」や「官から民へ」のスローガンの下で、いくらかは遂行されたが
僕からすれば、改革は不十分であり、中途で終わってしまった感が強い。小泉首相は後五年は改革を続行すべきであった。
あと五年あれば、昨今批判が噴出している、構造改革に伴う非正規雇用者や失業者に対するセーフティネットを整備して、改革派完成を見たはずである。
小泉首相のあとの三人の首相がその路線を継承せずに徒らに時間を浪費させた。その結果、自民党が下野しようという時、「構造改革」や「官から民へ」の路線を継承するのは民主党において他にないはずだ。
だから、民主党は初志を忘れないで欲しい。(続く)