アジア通貨動向(21日)=ルピアが反発、全般は動意薄
[台北 21日 ロイター] 21日のアジア通貨市場では、インドネシアルピアが反発している。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長がウォールストリート・
ジャーナル(WSJ)紙に寄稿したコメントを受け、米ドルが若干の売り圧力を受けているが、大半のアジア通貨は動意薄の展開となっている。
バーナンキ議長は、米経済の低迷により、緩和的な金融政策を長期間続けることが妥当だが、いずれかの時点ではインフレを防ぐため、金融引き締めが必要になる、
との見解を示した。バーナンキ議長は21日、議会証言を行う。
あるシンガポールのディーラーは「バーナンキ議長は(議会証言で)しばらく低金利環境が続くとの見通しを示すと思われるため、依然としてリスク志向が
比較的高いようだ。ただ、株式市場の上昇が行き過ぎとの懸念もあるため、売買が交錯している」と述べた。
インドネシアルピアIDR=は0.9%上昇し、1米ドル=1万0050ルピア。前週末にジャカルタで起きたホテル爆破事件を受けて急落していた水準から反発
している。前日のインドネシア市場は休場だった。
市場関係者は、新たな攻撃が立て続けに起きない限り、爆破事件が市場に長期的な影響を与えることはなく、投資家は金利水準の高さや比較的高い成長率に
注目している、と指摘している。
BNPパリバはリポートの中で「ルピアは安定し、その水準は輸出や輸入にとってポジティブだ。ジャカルタで起きた爆破事件はマクロ経済ファンダメンタ
ルズに影響を与えない」との見方を示した。
韓国ウォンKRW=は一時6月5日以来の高値となる1米ドル=1239.8ウォンまで上昇したものの、その後、韓国銀行(中央銀行)がウォンの上昇を抑制
するために市場介入するのではないかとの懸念が台頭、1米ドル=1250.9ウォンと小緩んでいる。
INGはリポートで「6月に2320億ドルだった外貨準備を、少なくとも2008年5月につけたピークの2640億ドルまで回復させるために、
韓国銀行がウォンの上昇圧力を利用するとの見方を重ねて強調する」と述べた。INGは、韓国中銀は、外貨準備を昨年5月のピークを超えて、
3000億ドルを超える水準まで増加させたいもようだとしている。
その上で「外貨準備を積み立てるための買い入れにより、ウォン相場は今年中は1米ドル=1225ウォンを上回る水準で推移するとみている」と述べた。
インドルピーINR=はインド株価下落を受け、0.23%安の1米ドル=48.30ルピー。インドルピーは前日、
1日の上昇幅としては過去2カ月で最大となる勢いで上昇していた。
http://jp.reuters.com/article/forexGlobalMarketReport/idJPnTK028348920090721