【wktk】中国経済ワクテカスレ 25元【夢幻中華】

このエントリーをはてなブックマークに追加
627月23日 中国共産党結党88周年
中国の経済回復に期待するのは危険!? あまりにも怪しいGDP成長率データ
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10029/
経済活動を分析する場合の最も基本的なデータの一つは、GDP(国内総生産)である。

 中国では、経済政策の目標として「保八(実質8%成長の達成)」ということがうたわれる。
農村部から都市に流入する膨大な人口に雇用機会を提供するためには、
それだけの経済成長がどうしても必要だというわけだ。GDPで示された経済成長率の達成は、
さまざまな国において大きな経済目標だが、中国ほど直接的な形で数値目標が設定されている国はない。

 GDP成長率という指標が重要なのは、単に中国国内だけの事情ではない。日本の輸出産業は、
アメリカなど先進国の需要が減退したので、今後の市場を中国をはじめとする新興国に求めようと考えている。
また、今後の投資対象として、中国をはじめとする新興国が有望ということも言われている。
そうした判断の基準になっているのは、中国の経済成長率の高さだ。

 それほど重要な指標であれば、正確さはきわめて重要である。
しかし、それにもかかわらず、中国のGDPデータに対しては、疑問が多い。

 前回は、IEA(国際エネルギー機関)が中国のデータに疑問を呈し、
中国当局が反論していることを述べた。疑問は、それに尽きないのである。

 問題は、推計のための技術的な側面と、政治的な側面とがある。まず、推計の技術的側面を見よう。

 GDPはかなり高度に加工されたデータであり、直接に観察できるものではない。
その点で、貿易量や工業生産量などとは異なる。

 日本やアメリカなどの先進国では、多数の統計を用いて、生産面(供給面)と需要面からの推計を行なう。
さらに所得の推計も行なう。そしてこれらは、事後的な記録としては理論的には同一の値になるはずなので、
さまざまな調整がなされる。

あと三回続く
637月23日 中国共産党結党88周年:2009/07/11(土) 19:23:57 ID:Zn+V2bVn
 しかし、中国では、きわめてプリミティブな方法で推計が行なわれている。
中国のGDP統計のシステムは、社会主義経済時代のものから大きく変わっているとは言えないようなのである。

まず、生産面からのアプローチでは、本来は、農業、製造業、鉱業、サービス業、公的サービスなどを考える必要
があるのだが、中国の場合、製造業のデータが中心である。そして、国営企業の生産額はカウントされているが、
民間企業は十分にカバーされていない。これは、社会主義経済時代から製造業は国営企業を中心になされており、
データが比較的集めやすいという事情にもよるのだろう。

 また、需要面では、最大項目の家計消費を小売データから推計している。
以下に述べるように、これにも問題がある。

●中国の経済データはソーセージのようなもの?

『ウォールストリート・ジャーナル』(オンライン版)の2009年5月29日の記事「Making Sausages, Data in China」は、
「中国の経済データはソーセージのようなもの。どうやって作られているかは詮索しないほうがよい」と述べている。

 過去長期にわたって、中国のIVA(工業付加価値:産出額マイナス投入額)と電力消費量は並行的な動向を示してきた。
しかし、この関係が最近時点で壊れた。電力消費はマイナス成長なのに、IVAは増加していることになっている。
IVAデータが正しくないとすれば、GDPデータも正しくない。なぜなら、中国GDPの約半分はIVAで推計されているからだ。

 この問題についてのIEAの批判と中国当局の反批判は、前回紹介した。電力データに対する批判がなされたためか、
中国の電力消費に関する詳細なデータが発表されなくなってしまった。

 問題は、電力消費とIVAの関係だけではない。スタンダードチャータード銀行の調査によれば、
IVAとGDPの安定的な関係も最近は壊れた。IVAはGDPより急速に下落しているのである。

続く
647月23日 中国共産党結党88周年:2009/07/11(土) 19:30:07 ID:Zn+V2bVn
●小売データは家計消費そのものではない
『ウォールストリート・ジャーナル』(オンライン版)2009年5月14日の記事
「China Downplays Retail Sales Data」は、家計消費データの信頼性について論じている。

家計消費は、GDPのなかで大きな比重を占める。その成長率がこれだけ違ってくれば、
GDP全体の成長率にも大きな差が生じることになるだろう。

 13億人の経済の正しいデータを集めるのは至難のわざだ。中国はしばらく前まで、
人口という最も基本的なデータについても、確実でないという批判があった。
国勢調査ではなく、郵便物の数などから推計すると言われていたのである。
もちろん、最近ではそうしたことはないのだろうが。

●政治的な問題もなくなったわけではない
『ウォールストリート・ジャーナル』(オンライン版)2009年5月7日の記事「China Revamps Data to Boost Credibility」は、
テクニカルな面とともに、政治的な面での問題もあることを指摘している。

 GDPデータとの不整合は、電力以外のデータについても指摘されている。08年第4四半期においては、
年率で6.8%の成長率が実現したことになっている。しかし、建設、自動車販売、それに税収は減少した。

同じ問題は、1998年の不況時にも生じた。中国当局は、7.8%の成長率を実現と発表したが、
他の経済指標はそれほどの成長を示していないので、GDPの成長率は過大評価であると論じられた。
政治的な理由によって経済データが操作されているとの疑いである。

 悪いニュースは、政治的に歓迎されない。社会主義計画経済の時代には、目標達成を数字で示すのが至上命令
であったため、実態を反映しないデータが報告されるのが普通だったと言われる。そうした事態はいまではないのだろう。
しかし、政府の権力が圧倒的に強い1党独裁国家において、データの操作や捏造が行なわれていたとしても、
別に不思議なことではない。

 ただし、変化が見られることも事実だ。流民の失業が09年1月に2000万人にのぼったことを
中国政府が認めたのはその一例だ。しかし、問題が完全に解消されたわけではない。

続く
65日出づる処の名無し:2009/07/11(土) 19:47:33 ID:cW4gsLi5
しえん?
667月23日 中国共産党結党88周年:2009/07/11(土) 19:50:58 ID:Zn+V2bVn
●最近の中国で本当は何が起きているのか

 最近の新聞報道によれば、中国の電力消費は再び増加している。09年6月の発電量は、前年同月比3.6%増となった。
中国の発電量が前年同月を上回ったのは、08年9月以降9ヶ月ぶりのことだ。
南部での増加率が高く、広東州などの工場での生産が回復している影響と見られるという。

 これはありうることだ。しかし、そうだとすると、前回紹介した中国当局の説明との関係はどうなるのだろうか? 
その説明では、「エネルギー使用効率が高まり、またエネルギー使用の大きな重工業からハイテク産業やサービス産業
に産業構造が転換したため、エネルギー利用は減少したがGDPは増加している」とのことだった。
電力使用が増大したということは、09年 1〜3月期に生じたこうした産業構造の大変化がまた逆戻りしてしまった
ということになるのだろうか? 中国では、本当に不思議な現象がつぎつぎに起こるものである。

 不思議と言えば、新疆ウイグル自治区の問題で胡錦濤国家主席が主要8ヶ国首脳会議(ラクイラ・サミット)への出席を
見送ったというのも、不思議なニュースである。新疆での騒動が極めて深刻であるということはわかるが、
G8を欠席する(中国はG8のメンバーではないが)ほどの重大事なのか? 
日本の新聞を見ているかぎり、民族問題との解説しかないのだが、今回の経済危機との関連は皆無なのだろうか?

 中国経済が早期に回復するとの予測から中国に期待が集まっているが、成長を示すいくつかの指標は矛盾している。
だから、将来の市場や投資先を中国に求めようとするのであれば、投資家や企業は、
中国のデータをもっと慎重に見るべきだろう。


終わり