火山オタク捉えた決定的瞬間にメディア殺倒…本人直撃
http://www.zakzak.co.jp/top/200902/t2009020330_all.html 2日未明に小規模の噴火をした浅間山だが、漆黒の夜空が真っ赤に染まる写真
を見て、規模以上に噴火の恐ろしさを実感した人は多いのではないか。その決
定的瞬間を30以上のメディアに提供した「まえちゃんねっと」は、「火山オ
タク」を自負する個人の会社だった。浅間山をウオッチして4年以上、投じた
費用は1000万円以上−。火山への執念が今回の噴火写真で実を結んだ。
【東大地震研に技術提供】
マグマの中から噴石が飛ぶ迫力ある画像は、火口から北8キロの地点に設置さ
れたカメラがとらえた。「通常、撮影は10分間隔だが、『火口周辺警報』が
出たので1分おきに切り替えていた」と語るのは、「まえちゃんねっと」(千
葉市)の前嶋美紀(よしのり)代表(46)。同社は前嶋さんの個人事業で、
主にソフトウエア開発などを行っている。
「小さいころから火山オタクだった」という前嶋さんは、通常のライブカメラ
や静止画像に物足りなさを感じていた。そこで、2000年の三宅島噴火を機
に24時間自動で火口を撮影してネット上に数十分おきにアップする監視シス
テムを開発。定点撮影した画像をつないでアニメーション化し、生きた火山の
動きを再現することに成功した。その高い技術力は東大地震研究所にも注目さ
れ、同年8月から三宅島噴火の記録に技術提供している。
浅間山は04年秋にも噴火し、降灰は周辺の農業にも被害が出るほどだった。
この際、前嶋さんは「次の噴火に備えるため、もっとカメラを増やした方がい
い」と地元の人や周辺のペンションの協力を得てカメラを設置。以来、10分
間隔の定点撮影を続け、ウェブ上で公開している。
(続く)