「経済混乱」の悪夢=大三
自民党の各選挙区における集票情勢は、かなり悪化し、解散・総選挙となれば、
民主党に勝てるとは限らないようだ。それが読めるから公明党は福田内閣に対し冷たくなり、
定額減税の件でも一歩も歩み寄らず、福田内閣崩壊の一因ともなった。
総選挙をやって民主党が政権を担当することになった時に、どんな経済対策・景気対策を打ち出すかが気になる。
昨年来、民主党は、野党の気安さからか、バラマキと言いたくなるような施策を、山のように打ち出してきた。
特に印象に残るのは、零細・兼業農家に対する所得補償金の支援政策であり、専業農家の競争力を高めようとした
農水省も、これに負けて農家へのバラマキ予算を計上せざるを得なかった。
この民主党の支援金政策は、日本農業を世界市場から置き去りにしたと、後世厳しい批判を浴びるだろうが、
その他にも民主党の掲げている政策には、甘くておいしいが締まりのないものが多く、その累計は15兆円超にもなると伝えられている。
ところでその財源は−−と聞いても、消費税引き上げ等の増税は一切やらないで、既定予算の切り込みで調達すると言うばかりだが、そんなことできるわけがない。
では民主党が政権を取ったらどうするか。近く党内に政権政策委員会を設けて、総選挙の際に提示するマニフェストを作るそうだが、
そこでは前言を翻してもいいから、増税などの具体的な財源調達案を明示してもらいたい。
それをやらないで民主党が政権を取ったら、民主党は一体何をやるのか。日本経済がどんな窮状に追い込まれるか。何も分からないまま新政権が発足し、
経済社会が言語に絶する大混乱に陥る−−という悪夢にうなされる夜が続く。(大三)
毎日新聞 2008年9月12日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/biz/kansoku/ 変態新聞のくせに全てを暴露してやがりますよ______