【政治経済】平成床屋談義 町の噂その103

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873 ◆iPcc.0FyI.
>>858
貼るならこっちを貼ろうよ。ちゃんと公式情報を見る癖をつけましょうね。

環境・気候変動 (仮訳) (サミット文書)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kinkyu/2/20080708_143204.html

参考 ハイリゲンダムG8首脳会合 世界経済における成長と責任 
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/heiligendamm07/pdfs/g8_s_ss.pdf
環境問題は、13ページ目以降

まず最初に読んで思った事。長いw前年分も読み直したから1時間くらいかかった。

『長期目標についての意思統一』っていう部分はここだね。

>我々は、2050年までに世界全体の排出量の少なくとも50%の削減を達成する目標というビジョンを、
>UNFCCCのすべての締約国と共有し、かつ、この目標をUNFCCCの下での交渉において、これら諸国と共に検討し、採択することを求める。

うん、まぁ、こんなもんでしょ。先進国間なんて、長期目標については、もう同意が出来てるも同然で、
より重要なのは、新興国をどうやって枠にはめるかってことだから。
現在、新興国を含んだ集まりっつったらUNFCCCが一番やりやすいだろうしね。

それよりも重要な点はこっちでしょ。

>この点、我々は自らの指導的役割を認識し、我々各国が、各国の事情の違いを考慮に入れ、
>すべての先進国間における比較可能な努力を反映しつつ、排出量の絶対的削減を達成するため、
>また可能な場合には、まず可能な限り早く排出量の増加を停止するために、野心的な中期の国別総量目標を実施する。

つまり、米国を含んだG8が、中期目標を策定すると。この言質をとったのは、長期目標へのコミットより重要。
そりゃ当然、現実に行動を伴うのはこっちなんだから。
874 ◆iPcc.0FyI. :2008/07/08(火) 21:57:41 ID:i/FDoy36
また、これを認めさせたのも面白い。
>セクター別アプローチは、各国の排出削減目標を達成する上で、とりわけ有益な手法である。
これは、福田ビジョンでも提唱された、『各分野別で、削減可能量を調査し、積み上げ、その合計を国の総量目標とする』
っていうアプローチの仕方。これは、日本にとってより”都合の良い”考え方なんだよね。

京都議定書において決定されたように、米国・EUと同程度の削減量を定められると、
石油ショック時に、省エネが進んだ日本のような国には、不公平感があった。
そうやってファビョッてるのが、床屋にも良く来てるでしょ。
そうじゃなく、まず、各国がどれくらい削減が可能なのかを、把握しようじゃないか。
そして、各国、同じように努力して減らそうじゃないかっつーのが『セクター別アプローチ』。

これは、日本のように削減が進んだ国に対する不公平感が小さいだけでなく、
途上国や新興国についても、一律に制限をかけてしまうよりも、
『まず枠組みにいれる』ってことが、やりやすい方法だと評価されてる。

ま、問題は、一律に制限をかけるより、実行力にかけるんじゃないかってとこだけど、
中期的に見たときは面白いし、日本にとっては”お得”なのも確か。

ここも面白い。
>我々は、気候変動とエネルギー安全保障上の懸念に取り組むための手段として
、原子力計画への関心を示す国が増大していることを目の当たりにしている。
>これらの国々は、原子力を、化石燃料への依存を減らし、したがって温室効果ガスの排出量を減少させる不可欠の手段と見なしている。
>我々は、保障措置(核不拡散)、原子力安全、核セキュリティ(3S)が、原子力エネルギーの平和的利用のための根本原則であることを改めて表明する。
>このような背景の下、日本の提案により3Sに立脚した原子力エネルギー基盤整備に関する国際イニシアティブが開始される。
>我々は、このプロセスにおいて、国際原子力機関(IAEA)が役割を果たすことを確認する。

これは、日本にとって、原子力でご飯を食べられる(外貨を稼げる)状況を作るための土台作りだと思う。
それを、ちゃんと自国がイニシアチブを取ってやろうとしているところが、好ましいじゃないですか。
なんせ、国内の需要は頭打ちになるって予測があり、世界一の能力を持つ原子力を遊ばすのはもったいない。
まぁ、温暖化対策として有効な手だっつーのも事実だし。