【政治経済】平成床屋談義 町の噂その102

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47日出づる処の名無し
北朝鮮の未来, ‘めまいがする4つのシナリオ’ アンドレイ・ランコフ
ttp://www.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk01600&num=2495
歴史が見せてくれているように、人間には未来を予測する能力がない。マルクス主義のように
歴史の流れを科学的に予言可能だと主張した理論は失敗に終わった。だが、歴史的経験と世界
的な傾向について深く悩めば、'それほど遠くない未来'に対しては信じられるシナリオを提案
することもできると考える。もちろん、こうしたシナリオを提案する時には'仮説'という事実
を忘れてはならない。だが、このようなシナリオを通じて未来についてある程度見当をつける
ことができる。筆者の考えでは、2008年6月現在を基準にし、北朝鮮の未来を予想したら4種類
のシナリオの可能性が高いだろう。それは1)中国式の市場改革、2)韓国による吸収統一、
3)親中政権の樹立、4)長期の混乱だ。このコラムではこうしたシナリオを順に分析して、
各シナリオの肯定的、否定的影響を観測したい。
1. 中国式市場改革
1990年代末から韓国政府はこのシナリオを最も望ましものであると思ってきただけでなく、他
のシナリオを全く検討しないできた。金大中、盧武鉉の青瓦台は、北朝鮮がじきに自力で改革
を始めるしかないと判断したのか分からないが、まるでこのような判断をしたかのように行動
した。このシナリオは次のようなものだ。金正日やその後継者は中国とベトナムの経験をまね
て北朝鮮で漸進的な改革政策を始めるだろう。この改革政権は、農業で土地を個人の農民に分
け与え、工業と商業分野ではまず中小企業、その後大企業まで民営化して、時代錯誤的な計画
経済から効率的な市場経済に転換させるだろう。こうした社会改革をするうちに、この政府は
中国やベトナムのように政治分野では共産主義の看板をずっと掲げて権威主義政策を実施する
ことで国内の安定を維持するだろう。中国の例から分かるように、こうした政策は高度経済成
長をもたらす潜在力がある。この政策が実施されれば、北朝鮮の住民は誰もが米を食べること
ができるようになるだろう。数年経てば住民たちは、昔の自転車からオートバイに乗り換える
だろう。もちろん、庶民には国家保衛部や労働党に対する恐怖心がないわけではないが、個人
の自由は大きく拡大するだろう。この場合、現在の北朝鮮のエリートたちは'首領様の忠実な
幹部'から、'有能な管理者'や'事業家'に変身して、北朝鮮の庶民を'首領様の戦士'から'安い
労働力'に変化させて自らの特権を維持し、拡大させるだろう。
48日出づる処の名無し:2008/07/02(水) 19:15:01 ID:ISYhfxCt
おびただしい統一費用と北朝鮮社会の混乱を恐れる韓国がこのシナリオを好むのは自然なこと
である。改革を始める北朝鮮は、韓国からの多くの支援を必要とするが、韓国にとっては他の
シナリオよりもこうした支援の方が負担にならないだろう。またこの場合、韓国は南北間の
武装衝突や大量の難民に直面する可能性がほとんどない。だが、このシナリオにはあまりにも
重要な問題点が1つある。このシナリオは望ましいが、可能性がほとんどないということだ。
筆者も何度も主張してきたが、自由で豊かな韓国があるということは、北朝鮮の住民に莫大な
影響を与えるだろう。もし北朝鮮の住民が現在の中国の水準をしのぐ個人の自由や情報への
接近の自由を得るようになったら、韓国に対する魅力は体制を不安定にするだろう。つまり、
中国の人はアメリカや日本がよい暮らしをしているという事実を知っているが、これらの国家
と消費水準を合わせるために'統一'することはできないという事実をよく理解している。
だが、北朝鮮の住民は自分たちの生活を韓国の豊かさと比べて、脱共産主義政権を'伝統性の
ある政府'と見られないだけでなく、東ドイツの人たちのように吸収統一を通じて自らの経済
問題を容易に解決して、韓国の消費水準まで早く上がることができると思うだろう。
もちろんこれは幻想だが、こうした幻想は北朝鮮政権を弱める可能性がある。言い換えると、
北朝鮮政権が本当に中国のように改革開放を始めたら、この政策がもたらす結果は高度経済
成長よりも政治の混乱と政権の崩壊である。このような混乱は吸収統一(シナリオ2)をもた
らす可能性もあり、親中国衛星政権(シナリオ3)や長期混乱(シナリオ4)の前奏曲になるだろう。
49日出づる処の名無し:2008/07/02(水) 19:15:50 ID:ISYhfxCt
2. 吸収統一
最近、韓国の報道を見ると、“吸収統一は不可能だ”という言葉が沢山目に留まる。だが、
このような主張をする人の論理をもう少し詳しく見ると、“吸収統一が不可能だ”という
よりも、“吸収統一は望ましくない”という意味が多い。彼らは経済の格差がひどすぎる
今の韓国と北朝鮮よりも事情が比較的よかった東西ドイツが経験した困難を引用して、
吸収統一は経済的負担と社会的破壊を引き起こすと予測している。彼らの憂慮には根拠は
あるが、残念ながらこの世の中には私たちが願わないこともあり得るというのは明らかな
ことだ。吸収統一をもたらす可能性がある背景は2つほど考えられる。1つ目は北朝鮮政権が
本当に中国式改革を試みて、住民に対する監視や弾圧を緩和することだ。だが、住民たちは
改革派の期待とは異なり、体制緩和でできた新しい機会をよく活用するよりも、もう少し
多くの譲歩を要求し、その後は北朝鮮体制に反対する運動を始めるだろう。つまり、20年
以上前のソ連や東欧で見られた社会主義の危機に似た現象が、改革を試みる北朝鮮でも
見られる可能性があるということだ。こうした危機から生じる新しい民主政権が、民衆の
圧力に反対することができずに'すぐの統一'を要求したら、ソウルには選択肢があまりな
いだろう。だが、北朝鮮政権に改革ができなくても、体制の崩壊と吸収統一は可能だ。
1990年代から北朝鮮で政権の統制力が弱まってきている。韓国を含めた外部世界の情報が
北朝鮮の内部で全国的に広がり、政権に対する恐怖心は徐々に薄れている。その結果、
規模が小さな事件が体制に打撃を与える潜在力が生じたのだ。東欧の民主化運動の歴史だけ
でなく世界の歴史を見れば、地方都市の市場やサッカー競技場から始まった小さな騷動が、
基盤が弱まった体制に致命的な打撃を加える可能性があるということは明らかだ。
体制の崩壊が無条件の吸収統一をもたらすわけではないが、吸収統一に向かう可能性は非常
に高い。韓国社会と政府が吸収統一を望んでいないのは事実だが、北朝鮮で'すぐの統一'を
要求する大衆運動が起これば、ソウルはこの要求を受け入れるしかない。また、体制崩壊
以後、北で社会の混乱が生じて、ソウルの政府が北に対する統制を管理する措置を取った
場合、吸収統一は不可避になるだろう。最近、韓国社会では吸収統一に対する恐怖が深刻だ。
残念だが、こうした恐怖には根拠がある。政治的な統一が実現したとしても社会的矛盾が
長い間残るだろう。北朝鮮の住民の多くは熱心に働くことができるが、知識と経験が足り
ないため一生熟練労働はできないだろう。彼らがこの事実を悟れば、韓国に対する敵対感
や排他的感情が生じるかもしれない。韓国の貧困階層もまた、北朝鮮出身と競争しなけれ
ばならないから、苦労が多いだろう。北朝鮮の復旧のために莫大な投資が入って行くため、
韓国の経済成長は一時的に中断して、生活水準が下がる可能性がある。