>>431続き
(記者)
中国の貿易黒字は、GDPの約9%に相当します。
また、投資はGDPの45%を占め、消費はわずか37%にすぎません。
(ラーディ)
これは経済政策の大失敗だった。過去30年間で最大の誤りだろう。
中国は、1995年に人民元の名目為替レートをドルに連動させた。
その後の数年間、2002年までは、中国に著しい対外不均衡はなかった。
グローバルな貿易加重・物価調整ベースでは、ドルの上昇によって人民元も著しく上昇を
続けていた。
95年からピークに達した02年初めまでに、人民元は実質約30%上昇した。
年平均で約5%の上昇だ。
この間、ほとんどの年においては中国の黒字はGDPの2〜3%の、維持可能な水準だった。
ところがその後、ドルが下落し始めたにもかかわらず中国は人民元のドルへの連動を
維持し続けた。
そこで、ドルがほかの通貨に対して下落するのにつれて、人民元も下落傾向をたどった。
その結果として、中国の貿易黒字の対GDP比は、04年の2.5%から07年には約9%へと急拡大した。
過去30年を通してみると、この3〜4年間は通常の状態から外れた年だった。
03〜04年以前、中国の経常黒字または貿易黒字が3%を越えたことはなく、大方は2%前後だった。
この期間、中国の黒字が問題となったことはなかったのだ。
中国に貿易黒字に依存して成長を促そうという戦略があったとは思えない。
現実に、過剰な黒字は中国に問題を突きつけている。黒字が膨らんだ結果、
中国では信用とマネーサプライが過度に増大し、これがインフレに結びついているのだ。
中国は自らを窮地に陥れており、リーダーたちもこれに気づいている。
今、彼らは必死にマネーサプライや信用、インフレをコントロールしようとしている。
高インフレが政治的不安定を引き起こすことを、歴史が証明しているからだ。