チェジュ(済州)〜「４･３事件」在日コリアンの記憶〜

これらの資料によると
・1927年（←第2回渡航制限期間中）、大阪には済州島出身者が3万人を超えていた
・尼崎汽船のきみがよ丸と朝鮮郵船所有の京城丸の運賃は12円50銭だったが
　この運賃では済州島出身出稼ぎ労働者が頻繁に里帰りできない（当時は紡績女工の日当が１円程度）
　ので、在阪済州島出身者が運賃切り下げ要求運動を起こす
・そして1930年に東亜通航組合を組織、自主運航を実施
　組合の組織規模は在阪済州島出身者4500世帯、済州島162部落中119部落が加盟
　機関紙「東亜通航組合ニュース」（←朝鮮語）を発行していた
・東亜通航組合が運航した伏木丸は運賃6円50銭
・きみがよ丸と京城丸は月3回往復、伏木丸は月2回。
・この他、済州島出身の高順欽が企業同盟汽船部を組織（1928年）して借り上げた
　第二北海丸（北海郵船所有）が済州〜大阪路線に就航。その後、資金難から鹿児島郵船の順吉丸
　に業務委託（1929年3月〜）

というわけで、1929年〜30年当時、関釜路線とは別に
済州〜大阪路線だけで４隻の船が就航していた。ちなみに当時の済州島人口は20万人だった。

そうやってこの当時
渡航制限期間中にも、仕立てた船に乗って押し寄せてきて
出稼ぎ労働やってるうちに、アカい連中にオルグされて赤く染まり
反体制活動も盛んにやっていたから官憲に取り締まられた。

それを彼らは「弾圧」というが、
当時の共産党はソ連の日本支部で非合法組織であり、
革命思想で天皇制の転覆を図ってるんだから
そりゃ取り締まられるわ、今の極左過激派と同じなんだから。

戦後の朝連（総連の前身）がアカいのも、このソ連系の名残り。

余談だが
一気に大量に押し寄せてきた済州島人に脅威を感じた
先着の全羅南道や慶尚南道出身者が排斥行動を起こします。
内地人から見れば「鮮人同士の内輪揉め」w

> 『鮮人の争い／本島人と済州島人とで（嘉穂郡庄内村）』 九州日報 1926/5/18
> 『鮮人争闘事件／手打ち成る／顔役の仲裁で（東九条松の木町、済州島出身者と慶尚南道出身者の反目。 朝鮮人有力者と国民研究会が調停）』 京都日出 1924/10/30
> 『鮮人の争い／本島人と済州島人とで（嘉穂郡庄内村）』 九州日報 1926/5/18
> 『福島紡績の鮮人女工／あはや同盟罷業／済州島人を雇入れたので／大事に到らず解決（福島紡績福山工場）』 芸備日日 1929/6/6
> 『朝鮮本土人と済州島人軋轢／福山紡暴動事件（福島紡績福山工場）』 中国 1929/6/6

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※同盟罷業とはストライキのこと
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