http://moneyzine.jp/article/detail/26094/ 英ファンドが目を付けた、レアメタルの宝庫・北朝鮮
北朝鮮の秘蔵資源“レアメタル”とは
ヘッジファンドの帝王”と異名をとるジョージ・ソロス氏によれば、「昨今のサブプライム・ローン
問題に端を発する金融危機はアメリカの信用を根底から覆し、国際基軸通貨としてのドルの終わりを
意味している」とのこと。同氏曰く、「これからは信用創出に悪乗りしたアメリカの凋落が始まり、
中国を筆頭とする新興市場が台頭する。市場を牛耳る影響力の源泉はドルから金(ゴールド)への
大転換が避けられない」。そんな先行き不透明感が広がる中、世界の投資マネーの「ニューフロンティア」
として北朝鮮が急浮上し始めた。先鞭をつけたのはヨーロッパ企業である。2007年7月、フランスの大手
セメント会社ラファージは北朝鮮のサンウォン・セメントに対する1億1,500万ドルの投資を実行。今後
10年以内にこれまで閉ざされたマーケットに向け、慎重だが、徐々に投資を拡大しようと考えている企業
は、シーメンス、ゼネラル・エレクトリック、ヒュンダイ、ハイアールなど、意外に多い。
北朝鮮は世界でも有数の「レアメタルの宝庫」
北朝鮮といえば、食糧もエネルギーも乏しい独裁国家というのが一般的な見方であろう。米CIAの推計
では、北朝鮮の1人当たりの経済総生産額は1,800ドルで、韓国の14分の1ほどでしかない。その結果、国民
の3分の1は栄養失調に苦しんでいるといわれる。しかし、アメリカの資源探査衛星からの情報分析で、
北朝鮮が世界でも稀に見る「レアメタルの宝庫」であることが明らかになってきた。レアメタルとは、
文字通りレア(希少)な金属のことで、地球上における存在量が絶対的に少なく、かつ産業上においては
非常に有用な金属のことを指す。たとえばタングステン。これは超硬材の切削工具に使われ、軍需産業
には欠かせない素材であるが、世界の埋蔵量のほぼ半分が北朝鮮にあるとされる。また、合金に使われる
アルミニウムやマグネサイト、潤滑油や電子基盤の材料に使われるモリブデンなども、北朝鮮には大量に
眠っているようだ。それ以外にも、リチウムイオン充電池の電極材料に用いられるコバルトや、超硬材に
用いられるチタニウム、さらには金、銀などの資源も確認されている。しかも最近では、ロシアの資源
探査チームの調査で、北朝鮮の西海岸地域に600億バレルもの石油が埋蔵されていることも判明してきた。
世界の投資ファンドが目の色を変え始めたのもうなずけよう。もし、北朝鮮の現体制が一夜にして崩壊する
ようなことになれば、中国や韓国、そしてロシアがこれらの地下資源に殺到することは目に見えている。
その前に北朝鮮に眠る地下資源の利権を確保しておこうという動きが、日本以外の6カ国協議参加国で急速
に高まってきたのである。アメリカも例外ではない。(1/3)