>>775 日曜日で寝坊してたら、お弟子さんのレポート終わってた・・・orz
お弟子さん、ご苦労様でした。素晴らしいレポートでした。
少し、補完と裏話。
お弟子さんの端折った部分での重要なキーワードは軍事政権。対外債務の根幹はここに
あります。実はアルゼンチンの対外債務はブラジルと比較した場合、かなり少ないの
です。これは82年のマルビナス紛争の影響です。
労働貴族はまぁ、正解です。現ブラジル大統領のルーラはその出身。組織力としては
一級品ですよ。ただし組織率は低いです。問題は彼らが労働者保護目的で制定させた
労働法です。これのおかげで、ブラジルなんか正規雇用が増えず、また給与水準も
上がりません。給料の107%という公的負担がありますので、企業は基本給を上げると
立ち行かなくなります。
アルゼンチン危機の直接的発端は、外資系銀行の資金逃避でした。総額4億ドルだった
と思いますが、ボストン銀行とフランス銀行が違法に海外移転を行った事が発覚、それ
でなくても、危機的だった状況が一気に崩壊しました。これが発覚するまでは、メガ・
スワップは成功するかに思われていました。
この前後のIMFの経済指導は、現在でも南米では批判されています。国情に関係なく、
一律の緊縮経済政策を要求していますが、これは無理です。このころのIMFメンバー
の無能ぶりは、エクアドルがドル化した時のIMFエクアドル担当者の言葉で明白です。
彼は、ドル化による食料価格の高騰に、周辺諸国との価格差があるから、インフレは
歓迎、という発言をしています。(TVで直接言っています。)生存物価$345、平均
給与$227の国で、この発言は国民に餓死せよ、と言っているに等しい。
アルゼンチンの経済崩壊の一端にはIMFの逃れられない責任があると思います。