曽我さんと語学教えた ジェンキンスさん本紙会見 東京朝刊 02月26日
ttp://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060226/mng_____sya_____005.shtml 北朝鮮による拉致被害者、曽我ひとみさん(46)の夫、チャールズ・ジェンキンスさん
(66)が、東京新聞の単独インタビューに応じ、一九八一年ごろ、人民軍傘下の組織
でひとみさんとともに、工作員候補とみられる女性の語学教育にあたったことなどを
明らかにした。
ジェンキンスさんは著書で八一年半ばから、四年制の士官学校「馬東煕(マドンヒ)
大学」で、英語を教えたと書いているが、ひとみさんが語学教育をさせられたことには
言及していなかった。
今回のインタビューでは、同大とは別に同年、平壌の北東約八キロのコバンサン(
高坊山)地域で、二十代の女性四人に夫妻で語学教育をした、と語った。週末の午
前中にジェンキンスさんが英語を、午後にひとみさんが日本語を教えるなどしたという。
ジェンキンスさんは「彼女らは軍服ではなく、普通の格好をしていたが、人民軍の
兵士だ」と指摘。その理由として、AK47ライフルを所有していたことや、北朝鮮では
女性に認められていないたばこを吸っていたことなどを挙げた。
ジェンキンスさん夫妻は、平服で勤務する軍の組織「五一九部隊」の下部組織に
所属。同部隊の上部組織は「五八四部隊」で、軍事大学や軍事病院なども所管して
いたという。
北朝鮮の人民軍組織については明らかになっていない部分が多いが、韓国の通
信社、聯合ニュース発行の「北韓(北朝鮮)年鑑」には、日本政府の調査で日本人
拉致事件の責任者とされた「チャン・ボンリム」の経歴として「(人民軍)人民武力部
偵察局第五八四部隊長」との記述がある。 (つづく
>>84 ジェンキンスさんは二〇〇二年十月十五日、曽我さんら拉致被害者が平壌空港か
ら出発する際、拉致被害者横田めぐみさんの娘、キム・ヘギョンさんが、軍用ナンバ
ープレートの車に乗ってきたのを見た、とあらためて証言。「北か南かは知らないが、
めぐみさんの夫は朝鮮人だろう」と推測した。
一九八六年に平壌市の百貨店で会ったと著書に記した、拉致被害者の有本恵子
さんと石岡亨さんに似た日本人夫婦については「夫の方と十分ほど話したが、私より
速い、流ちょうな英語を話していた」と話した。
<メモ>チャールズ・ジェンキンスさん
1940年、米ノースカロライナ州生まれ。64年、在韓米軍に配属されたがベトナム
戦派遣を恐れ、翌年に北朝鮮へ脱走。平壌の学校などで英語を教え、北朝鮮の宣
伝映画にも出演した。80年、生徒だった曽我ひとみさんと結婚。美花さん(22)、
ブリンダさん(20)の2女がいる。日朝首脳会談後の2002年10月、ひとみさんが
先に帰国。04年7月、家族は再会し一緒に来日した。米軍から脱走罪などを問わ
れたが、同年9月、30日間の禁固刑を言い渡され、釈放後、新潟・佐渡へ移り住
んだ。