【極東】北朝鮮総合スレ(旧北朝鮮実況)part940

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117日出づる処の名無し
産経抄  01月08日
ttp://www.sankei.co.jp/news/060108/morning/column.htm
 「横田めぐみを連れてきたのは私だ」。曽我ひとみさんが証言したと伝えられる
辛光洙(シングアンス)容疑者の「ささやき」は、ホラー映画のように、いやそれ
以上に不気味な響きをもつ。北朝鮮による拉致事件の底知れぬ残忍さを象徴してい
るようでもある。
 ▼同じ被害者の地村保志さんも、自らを拉致した実行犯のうちの一人として、辛
容疑者を名指しして証言しているといわれる。日本育ちの大物工作員である。北朝
鮮が口をつぐみ、あるいはウソで塗り固めてきた拉致事件の真相が、わずかながら
見えてきたようだ。
 ▼曽我さんたちは公の席で証言したのではなく、いつ語ったのかも明らかではな
い。無理もない。相手には何をしでかすかわからない恐怖がある。残されているは
ずの被害者への気遣いもあるだろうからだ。それだけ証言には、特別の勇気と真実
が感じられてならない。
 ▼それにしても納得できないのは、辛容疑者が北朝鮮でノウノウと英雄扱いされ
ていることだ。韓国当局にスパイ容疑で逮捕されていたのに、六年前の南北首脳会
談の恩赦で釈放され、帰国したのである。日本の警察はその後、別の拉致事件で国
際手配したが後の祭りだった。
 ▼韓国政府の「甘さ」を批判することもできるだろう。しかし、あの南北会談の
さい、日本のマスコミも「いま氷山が溶けだした」(朝日新聞社説)などと舞い上
がっていた。拉致を正式に認める前とはいえ、北朝鮮がそうした空気を巧みに利用
したことは否定できまい。
 ▼中国の王陽明に「山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難(かた)し」と
いう言葉がある。「山中の賊」とは犯罪の組織を言うのだそうだ。むろん、北朝鮮
の国家的犯罪と戦うのは至難だが、日本人全体の心の「甘さ」もやっかいだ。