>>190 韓国「黄教授騒動」 背景に新聞Vsテレビ 火付けMBCに猛烈非難 産経 12/14
ttp://www.sankei.co.jp/databox/n_korea/nkorea_50_1.htm 【ソウル=黒田勝弘】韓国では“バイオテク(生命工学)の国家的英雄”になっている
黄禹錫ソウル大教授をめぐる研究疑惑騒動から「黄教授を守れ!」の愛国運動が巻き
起こっているが、騒ぎの背景にはテレビと新聞の間の“マスコミ戦争”があり、疑惑報
道のテレビに対する非難が愛国ブームをさらにあおる結果になっている。
このため番組で黄教授の研究に疑惑を提起したMBC(文化放送)テレビは「国家的
裏切り」として世論の集中砲火を浴び、広告中断などのほか首脳退陣要求が出るなど
「創業以来の危機」に瀕(ひん)している。
MBCテレビの疑惑報道は「実験用の人の卵子の入手や扱いなどに問題がある」とい
うバイオテクでは不可避の倫理問題にかかわる疑問提起で、ジャーナリズムとしては
当然の報道だった。
しかし黄教授は科学分野で韓国初のノーベル賞受賞の最短距離にあるといわれ、国
の誇りとして国民から英雄視されてきた超有名人。その人物への疑惑提起はまさにタブ
ーへの挑戦だったが、結果的には韓国社会の“愛国主義”に圧倒されMBCは番組廃止
にまで追い込まれてしまった。
ただMBCへの猛烈な非難には、朝鮮日報や東亜日報など保守系大手紙のMBCに
対する日ごろの“恨み”が作用しているとの見方がもっぱらだ。というのもMBCは今回、
問題になった看板番組の「PD(プロデューサー)手帳」などを通じ、これまで朝鮮日報や
東亜日報を“守旧言論”と非難し、日本統治時代の“親日的報道”までほじくりだして非
難するなど反政府で反北朝鮮の保守系大手紙を執拗(しつよう)に攻撃してきたことで
知られる。 (つづく
>>239 つづき
朝鮮日報や東亜日報さらにその読者層である保守派は今回、その報復としてMBC
非難に熱を上げているというわけだ。疑惑報道自体はテレビ・ジャーナリズムとしてきわ
めて正当だったが、日ごろの過剰な大手新聞批判のおかげで仕返しされたということに
なる。
MBCにとって「黄教授を守れ!」という世論の“愛国ブーム”は予想以上だったよう
だが、MBC自体もこれまで二〇〇二年W杯サッカー、竹島(韓国名・独島)領有権問
題での反日運動、在韓米軍をめぐる反米運動では“愛国”をあおってきたという経緯が
ある。
韓国社会は近年、一部で“愛国ファシズム”という言葉が出るほど若い世代を中心に
愛国ムードが強い。MBCも今回、とくに若い世代が主導するネット世界で猛烈な非難
にさらされている。
興味深いことは新聞界で若い読者が多いはずの左派系のハンギョレ新聞がMBC擁
護に回り「分別なき愛国主義」を批判していることだ。MBCも革新系とすればマスコミ
界としては保革ないし左右の対立という図式になるが、今回は左派系民族主義に対し
保守派の愛国主義が目立つ。しかし韓国社会が保革、左右問わず民族主義や愛国
主義で世論がわくという点では変わりない。