【極東】北朝鮮総合スレ(旧北朝鮮実況)part934

このエントリーをはてなブックマークに追加
342日出づる処の名無し
NET EYE プロの視点 アジアが変える日本 鈴置高史編集委員
「人権」がアジアを変えるキーワードに    日経 12月07日
ttp://www.nikkei.co.jp/neteye5/suzuoki/20051205n18c5000_05.html
ブッシュ大統領は北東アジア歴訪で何度も言及した「人権」「言論・宗教の自由」。
この言葉の重さを見落としてはいけない=11月20日、北京の人民大会堂(代表撮影)
 アジアで「人権」の重みが急速に増す。同地域としては新しい、この価値観がアジア
をひそやかに、急速に変えている。これまで、「豊かさへの追求」が、アジアを大きく
変えてきたように。

「自由」を連呼したブッシュ大統領
 ブッシュ米大統領は11月の北東アジア歴訪の旅の最中、京都、北京などあらゆる
場所の演説で「人権」、「言論・宗教の自由」を訴えた。例えば、京都では「ひと
たび自由の扉を開くと、それがどんなに小さなすきまでも閉めることができないこ
とを、中国の指導者たちは気が付き始めた」と述べた。一連の発言は、もちろん中
国がターゲットだ。
 日本のメディアは「経済的に台頭する中国へのけん制」などと解説した。確かに
そうなのだが、アジアでは日本で考えられているよりも「人権カード」の威力は大
きい。それを考えに入れれば、ブッシュ演説は「けん制」以上のものといえる。そ
の効果や影響を軽視すると判断を誤る。変化の少ない日本に住んでいると分かりに
くいが、この20年間、アジアの大勢は専制から自由へとがらりと様変わりしている。

民主主義国の「シェア」急増
 民主主義を、「自由な言論」と「自由な選挙制度」が保障され「法律による統治
」が行われる国と定義すれば、戦後から一貫して民主主義国と呼べたのはアジアで
日本、インドぐらいだった。それが86年のフィリピンを先頭に韓国、台湾、1990年
代に入ってタイ、インドネシアと、相次いで「相当程度の民主主義国」が誕生した。
(つづく
343日出づる処の名無し:2005/12/08(木) 18:31:33 ID:ViclMcsJ
>>342
 1999年9月、ニュージーランドで開かれたAPECが象徴的だった。当時、イン
ドネシア政府は東チモール独立運動への弾圧を続けていたが、この会議で東南アジ
ア諸国からも批判を受け、強硬姿勢の修正を余儀なくされた。その少し前までなら
アジア各国も独裁体制を敷いていたから、他国の人権弾圧に介入することなど考え
られなかった。そして、その直後にはインドネシアも初の民主的手続きによる選挙
で大統領が選ばれるに至った。
 ほんの20年前まで街の喫茶店で気軽に政権の悪口を言えるアジアの国は日本ぐら
いだった。アジアは「専制」の代名詞だったのだ。しかし、80年代から始まったド
ミノ倒しの民主化の結果、多くのアジア人は言論の自由や人権の尊重が当然と考え
るようになった。

民主化を語り始めた中国の知識人
 ブッシュ大統領が標的にした中国でも、知識人が少しずつ民主化の必要性を語り
始めた。同大統領が京都演説でも触れたように、経済改革の進展による「豊かさ」
が実現し始めたために、政治的な「自由」を求める欲求が高まったのだ。追い風は
、周辺環境の変化だ。アジアの多くの国で民主主義が当たり前のことになった今、
中国の国際的地位を向上させるためにも民主化が必要、と中国人は考え始めた。
 一部の中国人は「米国的価値観の押しつけ」とか、「民主主義を悪用した陰謀」
と米国を批判する。もちろん、米国が民主主義を外交の武器に使っているのは間違
いない。ただ、忘れてならないのは、民主主義を巡る「アジアの標準」が飛躍的に
高まっていることだ。経済的には成功軌道に乗った半面、政治面では目立つ中国の
劣後感。これに危機感を抱く「愛国者」が、米国とは関係なしに声を上げているの
だ。 (つづく
344日出づる処の名無し:2005/12/08(木) 18:32:52 ID:ViclMcsJ
>>343
北朝鮮の人権問題から目をそらした韓国
 ブッシュ大統領がアジアを訪れていたころ、国連では北朝鮮の劣悪な人権状況に
対する非難決議が採択された。だが、同族への弾圧をもっともよく知り、もっとも
怒るべき韓国は棄権した。「北朝鮮との関係改善のため」という理由で、北からの
怒りを避けたのだ。
 この「現実的な判断」が果たして韓国の国益につながるかは分からない。「人権
の重み」がどんどん増している今、韓国に対する国際的評価は当然、大きく下がっ
た。北朝鮮の人々が圧政からが解放された後、韓国の棄権を知った彼らは「自分た
ちを見捨てた南」と怒るだろう。それは統一韓国の実現も危うくするかもしれない

 11月17日、ブッシュ大統領も招き釜山でAPECが開かれた。この日から数えて
まさに100年前に、韓国の植民地化を決定した日本との乙巳条約が結ばれた。韓国
は独立後、「国力が乏しいために国を失った」との悔しさから、富国強兵を掲げて
死にものぐるいで努力し、60年かけて飛躍的な発展に成功した。
 韓国人にとって100年前の日本は、韓国を併合した仇敵だ。しかし、そのいち早
い富国強兵策だけは見ならうべきものとなった。だが、その日本も第二次世界大戦
で負けた結果、倫理的劣等国に位置づけられた。「周辺各国を植民地化した帝国主
義」としてである。日本人にしてみれば「西欧各国のまねをしたのに過ぎないのに
」との不満が残るだろう。だが、英仏はともかくも、米国は戦前からフィリピンに
対し独立を約束していた。日本にも当時、韓国や台湾を独立させるべきだ、との主
張はあったものの大勢とはならなかった。いまだに日本が被る不名誉は、世界の価
値観の流れを当時の日本人が見落としたツケでもある。
 韓国は今や、100年前の日本の「成功」だけでなく、「失敗」からも学ぶべきか
もしれない。 (つづく
345日出づる処の名無し:2005/12/08(木) 18:33:47 ID:ViclMcsJ
>>344 さいご
日本は……
 小泉首相の靖国神社参拝。左派や親中派の主張とは異なって、「アジア外交はめ
ちゃくちゃになる」ことはないかもしれない。中国の非難を無視して同首相が靖国
に行くほどに「日本は韓国などと異なり、中国の言うことは聞かない」との認識も
世界に広まる。中国は自身の威信を維持するために、「靖国」を問題化するのを避
けるようになるかもしれない。
 では、そうなった時に「日本は勝った」と言えるのだろうか。保守派や反中派は
、そう快哉を叫ぶだろう。だが、中国と異なって政治的に利用はしないが、ほかの
アジア諸国の人々も「日本が戦争を始めた歴史」をいまだに覚えている。首相が靖
国へ行くたびに、彼らは日本の負の側面を思い出す。
 小泉首相は「平和のために、戦争を二度としないために行く」と、韓国の大統領
などとの会談で繰り返し述べる。信念を貫き、それを「ことば」で発し続ければ理
解が得られる、と考えられているのだろう。確かに、「ことば」を最大限に活用す
るやり方は国内では成功し、日本の政治手法さえも変えたとされる。だが、国際的
にその手法が成功する保証はない。
 中国は、日本の首相による靖国参拝を放置することで日本に「戦術的勝利」を譲
るかもしれない。しかし、同時に靖国参拝のたびに様々な手段を使って日本の戦争
の歴史を世界に思い出させ、「戦略的勝利」を求めるかもしれない。「人権」が重
みを増すほどに、戦争はそれを棄損する最大の原因として、より重罪となるからだ。