【極東】北朝鮮総合スレ(旧北朝鮮実況)part925

このエントリーをはてなブックマークに追加
350日出づる処の名無し
>>217
文藝春秋編 日本の論点PLUS
[拉致問題についての基礎知識]拉致被害者は全部で何人いるのか? 9/28うp

論 点 拉致被害者はいつ取返せるか 2005年版
◆ 私の主張
拉致問題の幕引きは許さない。政府は最後の一人まで救出する義務がある
横田 滋(「『北朝鮮による拉致』被害者家族連絡会」代表)
ttp://books.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/ron/05/012/r05012BNA1.html
ttp://books.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/ron/05/012/r05012BNA2.html
「生きている」という信念に支えられて
 めぐみの生存が確認されるかも知れない――。
 あの日、私たち夫婦は期待に胸をふくらませて、食い入るようにテレビのニュー
スを見つめていました。二〇〇四年(平成一六年)八月一一日からの二日間、北京
で開かれた拉致問題に関する実務者協議で、めぐみら一〇人の再調査の結果が明ら
かになるはずだったからです。しかし北朝鮮からは、調査委員会をつくったという
話があっただけで、ゼロ回答だった、というではありませんか。
 いったい、どうなっているのか、激しい怒りが込み上げてきました。直前までめ
ぐみの生存を裏づけるいくつかの情報がもたらされ、「今度こそ」という思いが家
族にあっただけに、その落胆は大きなものでした。
 あとで、協議に出席した外務省の斎木昭隆さんが、「めぐみさんの入国のルート
がどうだった、とか言っていたが、そんな話はどうでもいい。いま生きているのか
、死んでいるのか、それを知りたいのだ」と北朝鮮側に迫ったと聞きましたが、私
たちも同じ気持ちです。もう二年も前に日本政府が一五〇項目の疑問点や矛盾点を
北朝鮮に突きつけているのに、北朝鮮がなにひとつ回答しないのは、調査など全然
していない証拠です。なぜなのでしょうか。
351日出づる処の名無し:2005/10/05(水) 16:34:30 ID:rzbEL28T
>>350 つづき
 私たち家族を支えているのは、めぐみは必ず生きている、という信念です。一九
九七年に拉致被害者としての名乗りをあげたとき、もしかしたら殺されているので
はないか、という不安がよぎったのは事実です。不安を押し殺して行動を起こそう
と思ったのは、黙っていて何もしないよりは、名乗りをあげて行動したほうが、逆
にめぐみの安全が図られるのではないか――そう考えたからです。幸い、いまめぐ
みについての生存情報があちこちから出てきています。こうなれば北朝鮮としては
めぐみに危害を加えるようなことはできないはずです。
 北朝鮮の出してくる報告がいかにいい加減か、私たちが大いに勇気づけられた情
報の一つが拉致被害者の蓮池薫さんのお話でした。
 「めぐみさんとは九四年まで一緒にいた。九三年三月に死亡(北朝鮮は当初、九
三年三月にうつ病で自殺したと発表)したというのは間違いです」
 蓮池さんの子どもたち二人が帰国したあと、蓮池さんから、そう聞かされたので
す。蓮池さんによれば、めぐみは工作員として少しだけ夫の協力をしており、日本
とあまり変わらない生活をしていた。美人だがすごく弱々しい感じだった、といい
ます。このとき、私たちはめぐみの生存を確信しました。
 さらに、めぐみが金正日ファミリーの日本語教師をしていた、という北朝鮮元工
作員の安明進さんらの証言、めぐみの入院先だった病院には外国人が収容されるは
ずはない、というジェンキンスさんの話など、信頼すべき情報が続々と入ってきて
います。

庶民を苦しめない経済制裁ができないか
 でも気になるのは、最近、北朝鮮が「死亡者問題」という言い方をすることです
。要は、拉致問題は解決済みであるということを印象づけようとしているのでしょ
うが、これはけっして認めてはなりません。
352日出づる処の名無し:2005/10/05(水) 16:35:27 ID:rzbEL28T
>>351 つづき
 小泉総理の訪朝から丸二年が経ちました。九月の実務者協議では、めぐみの入退
院履歴の訂正があっただけで、なんの進展もありませんでした。このまま再調査の
回答が延ばし延ばしにされるなら経済制裁を発動してほしい、と私たちは政府に要
請しています。
 小泉総理は再訪朝の際、「日朝平壌宣言を誠実に履行すれば経済制裁を発動しな
い」と言明しました。では、何のために二つの法律(改正外為法と特定船舶入港禁
止法)をつくったのか。ひとつとして平壌宣言は履行されていないではありません
か。
 経済制裁を実施するという強い意思を示せば、心理的な面でも、北朝鮮に大きな
打撃を与えます。いつでも制裁を発動する準備ができていることを北朝鮮に示しな
がら、期限を切って拉致問題の交渉をするのが当然でしょう。送金の停止や、金正
日総書記の好物だといわれているメロンや軍用自動車に使われる部品など特定の品
目の輸出を制限すれば、一般の人に与える影響を最小限にして、効果を上げること
ができるはずです。

へギョンには会いたくても会えない
 めぐみの娘、へギョンの存在がわかったときは、私たち夫婦はすぐにでも北朝鮮
に飛んでいきたい気持ちでした。しかし、家族会の反対を押し切ってまで会いに行
くのは……悩んだ末に、断念しました。
 もし私が、めぐみの夫のチョルジュさんに墓に連れて行かれ、めぐみが死亡した
という“事実”を認めてしまうことになれば、安否不明の他の拉致被害者の救出運
動にも悪影響を及ぼすと考えたからです。でも、めぐみの夫から話を聞けるのなら
行きたい、と思う気持ちが抜きがたくあるのも事実です。
353日出づる処の名無し:2005/10/05(水) 16:36:22 ID:rzbEL28T
>>352 つづき
 もうひとつ、へギョンから、
 「私たちは幸せに暮らしていますから、おじいちゃん、おばあちゃん、ときどき
こちらへ会いに来て」
 と言われたらどうするか……。
 それでは、「拉致されたのではなく救助された」といって北朝鮮に定住し、日本
から親族が会いに行っている寺越武志さんのようなケースと同じになってしまいま
す。
 めぐみが拉致されたのは、一九七七年(昭和五二年)一一月一五日、中学一年生
、一三歳のときです。私たち国民の生命と財産を守るのが国家の役割のはずなのに
、日本政府はこれまで何もしてくれませんでした。
 有本さん夫妻は、当時、外務省から、北朝鮮とは国交がないので難しい、そんな
ことをしゃべるとお嬢さんの命が危ないですよ。日朝交渉の妨げになるから上には
あげられない――などと言われたそうです。
 私たちのときは、マスコミに取り上げられたせいか、きちんと話は聞いてくれま
したが、それでも外交上の配慮とか、捜査上の秘密やらを理由に、私たちの知りた
いことは何ひとつ教えてはくれませんでした。

国交正常化を急ぐ政府への不信
 私たちが家族会を結成してから七年余り、政府や政党も、被害者救済のために誠
意をもって動いてくれていて、いまは大変感謝しています。しかし、まだ気がかり
なことがあります。それは最近、小泉総理が在任中(二〇〇六年九月まで)に国交
を正常化したいとおっしゃっていることです。
 めぐみはもちろん、一〇人の拉致被害者の安否がはっきりしないまま国交正常化
交渉に入れば、拉致問題は正常化したあとに時間をかけて解決すればいい、という
ことになってしまうのは目に見えています。
354日出づる処の名無し:2005/10/05(水) 16:37:09 ID:rzbEL28T
>>353 さいご
 私たちは、拉致被害者五人の帰国と家族八人の帰国・入国で拉致問題を幕引きさ
れるのではないか、と不安でならないのです。
 二〇〇四年五月、小泉総理の再訪朝後の報告会で、家族会が総理を非難したこと
が問題になりました。総理は成果があったというが、再調査の約束を取り付けただ
けではないか――と、私たちが不満や今後の見通しへの不安をぶつけたからです。
正直、あのときの総理には、安否不明者一〇人の救出への気迫が感じられませんで
した。
 これまで、どの首相も手をつけなかったのに、二回も訪朝して拉致問題の一部を
解決に導いたことは、私たちは高く評価しています。しかし、平壌宣言には拉致の
文言はまったく入っていません。私たちのあいだでは、いまだに疑問です。こんな
大切なことがなぜ根回しできなかったのでしょうか。政府の交渉のやり方に戦略が
感じられないのは、こうしたことが積み重ねられているからです。
 私たちは覚悟しています。めぐみらの生存情報をさらに補強して、今度の交渉の
場では反論の材料として北朝鮮にぶつけてほしいと願っています。そして、制裁を
含む強い態度で臨んでほしい。かけがえのない家族を無事にこの手に取り戻すまで
、私たちは死ぬ気でがんばります。

推薦図書
『拉致救出運動の2000日』
荒木和博編著(草思社)
『北朝鮮による拉致を考える――中学生・高校生に知ってほしいこと』
佐藤勝己監修(明成社)
『テロ国家・北朝鮮に騙されるな』
西岡力(PHP研究所)