>>194>>225>>253-254>>295>>296 西日本新聞社説:信頼を土台から築き直せ 虚偽報道 9月08日
ttp://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/syasetu.html 〈国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。(略)新聞はそれに
もっともふさわしい担い手であり続けたい〉
新聞、放送、通信各社が加盟している日本新聞協会は二〇〇〇年に定めた新しい新聞
倫理綱領でこううたっている。
そして自由と責任・正確と公正・独立と寛容・人権の尊重・品格と節度を掲げ〈新聞は歴
史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である〉としている。
「真実の追究」の対極にある「虚偽報道」は、メディアにとって最も恥ずかしいことだ。
言うまでもないこの大原則を、朝日新聞が八月下旬、日本のあり方を問う総選挙
に関連する報道で犯した。
その結果、同社取締役相談役(前社長)で新聞協会会長を務める箱島信一氏が会
長を引責辞任すると表明した。
これは、おそらく朝日新聞だけの問題ではない。新聞という伝統的なメディア全
体に対する読者の信頼を揺るがす危機でもある。
新聞の発行に携わる一員として私たちはそう受け止める。新聞が新聞の不祥事に
ついて語るとき、わが身と照らし合わせて考える必要があると思うからだ。
長野総局の記者が、田中康夫・長野県知事に会っていないのに一問一答のメモを
でっち上げ、それをもとにした記事が紙面に載った。
メモを書いた記者は懲戒解雇となり、東京本社編集局長と長野総局長が更迭され
るなどした。
今回の箱島氏の新聞協会会長の辞任表明は、あくまで虚偽報道の引責としてとい
うことだが、今年は朝日新聞をめぐる問題が少なからず持ち上がった。
>>297 つづき
NHKの番組改編をめぐる議論のもとになったNHK幹部と朝日新聞記者とのやりとり
が社外に流出した問題や、消費者金融大手・武富士からの資金提供問題などだ。
さらにさかのぼれば、一九八九年、沖縄の西表島で写真部員がサンゴに自分で傷を
付けて、心ない者のしわざのように報じた事件もあった。この事件を機に改革に取り組
んできたにもかかわらず、その後もさまざまな問題が起き続けたのはなぜなのか。
今回の虚偽報道について箱島氏は、社内の「体質的、構造的な問題」とした上で
社員教育や人事システムなどを見直す必要性を語り、秋山耿太郎・同社社長は「解
体的な出直し」の決意を述べた。
解体的とは、相当な覚悟を込めて使う言葉だ。虚偽報道に限らず同社が自らの体
質的、構造的問題に深いメスを入れ、出直しの礎にする作業を、傍観するのではな
く見守りたい。
新聞協会加盟各社も、報道機関としての社会的使命に反する不祥事の「芽」を内
包していないかどうか、いつも省み続けていなくてはなるまい。