【極東】北朝鮮総合スレ(旧北朝鮮実況)part919

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344日出づる処の名無し
“外交弱小国”日本、「北朝鮮難民」「日米安保破棄」に対処できるか
nikkeibp.jp Safety Japan 8月30日 11時34分  古森 義久 氏/国際問題評論家
ttp://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/flash/394554
ttp://nikkeibp.jp/sj2005/column/i/05/
■有事を想定すること自体がタブーの日本
「日米安保条約が解消された――」
「天皇が中国訪問中に暗殺?―」
「北朝鮮と米軍が戦闘を始めた――」
「北朝鮮が崩壊し、難民が日本へ――」
こんな危機が現実に起きたら、日本はどうするのか。いや、いまの日本ではこうし
た事態の想定はタブーだといえよう。絶対に起きてはならない事態は口にすると、
起きてしまいかねないとするような風潮があって、そういう論議は忌避される。こ
の種の安全保障上の危機を仮想することさえ、非難されかねないのが実情のようだ。
ところがアメリカの日本研究では以上のような仮想シナリオに基づく危機管理のシ
ミュレーション(模擬演習)が頻繁に実施され、日本がそうした危機にどう対応す
るかが研究されるのである。
安全保障というのは、国家にとっても、社会、あるいは家庭にとっても、起きては
ならないことを起こさないようにする作業である。
自明とさえいえる当然のことだろう。起きてはならないことを起こさせないように
するには、もし起きた場合にはどうするかを考えておかねばならない。禅問答のよ
うな回りくどい表現だが、これこそ安全保障の鉄則である。端的にいえば、「備え
あれば、憂いなし」ということだろう。危機管理でも、その危機の現実を知ってお
くことが効果的な対応や防止の第一歩となる。安全保障でも危機管理でも、この原
則をまず認識することが不可欠だとされるのだ。
この点、日本の戦後の安全保障思考は消極的平和主義が基本であり、「備えなけれ
ば、憂いなし」に近い。アメリカをはじめとする他の諸国とは対照的な傾向が主流
となってきたのだ。みずからが軍事や安保にかかわる予防的な措置はとにかく遠ざ
け、「平和」を象徴する無防備、非軍事の姿勢を示せば、まわりもそれを理解して
、同調してくれる、というのが戦後の日本の考え方だといえる。
345日出づる処の名無し:2005/08/31(水) 17:38:08 ID:1QKIsPvk
>>344 つづき
■日本に代わって「有事」を研究し尽くす米国
日本の都市を目がけて、北朝鮮の弾道ミサイルが発射される。中国の人民解放軍が
尖閣諸島を侵略する――。こうした事態は決して起きてはならない。日本としてそ
んな攻撃を受けないために日ごろ全力をあげ、北朝鮮や中国に対する外交的、平和
的な措置を講じておかねばならない。
だが、それでも北朝鮮や中国の軍事攻撃が起きたら、どうするのか。そもそも攻撃
をかける主体は日本ではない。当然ながら北朝鮮や中国がその決定を最終的には下
すのである。日本がいくら嫌がっても、決めるのは他国なのだ。だから攻撃を受け
うる側は仮想のまた仮想であっても、最悪の事態が起きたことを前提とする対応を
考えておかねばならない。北朝鮮や中国にそういう攻撃をかける能力がある限り、
確率はいくら低くても、起こりうる事態だからだ。
危機管理のシミュレーションというのも、起きてはならない万が一の事態にどう対
処するかを考えておく作業である。アメリカではごくふつうに実施される。アメリ
カでの日本関連の模擬演習でもっとも広く知られているのは、ここ10年ほど、マサ
チューセッツ工科大学(MIT)の日本研究所が主催している「アジア・太平洋危機
シミュレーション」である。
隔年、開催されるMITのこの危機管理演習は、あくまで日本の対応を推測する日本
研究の実技編である。アジア・太平洋地域で日本に影響を及ぼす危機を想定して、
日本がどう対処するかを測定する。私も招かれて、何度か参加したことがある。
■数日かけて、専門家が徹底分析
ちょうど10年前の1995年5月のMITシミュレーションでは、97年以降の12年間に――
(1)北朝鮮が経済悪化により内部崩壊して、10万人以上の難民が日本へ向かう一
方、北の内部で核兵器数基が発見される
(2)インドネシアでイスラム原理主義勢力が政権を奪取し、日本の進出企業の施
設を接収し、日本人多数を人質に取る
――という事態が起きるという設定だった。主眼はあくまで日本がどう対応するか
、である。
346日出づる処の名無し:2005/08/31(水) 17:39:26 ID:1QKIsPvk
>>345 つづき
MIT政治学部の教授で日本研究所の所長のリチャード・サムエルズ氏が全体の進行
係で、参加は合計100人以上、日本、アメリカ、中国、インドネシアなど各国の安
全保障関連の学者、ジャーナリスト、元官僚、財界人らが各国の大統領、首相、外
相、防衛庁長官などという役割を演じる。
大学のビルの広大な一角を十分に取って、サムエルズ教授を中心とするスタッフが
示す仮想の危機シナリオをもとに、日本の「首相」や「外相」「防衛庁長官」「野
党党首」らがその危機に対して実際の措置をとり、態度を表明する。その結果はま
たコンピューターにインプットされて、新たな事態の展開が示される。
このときの日本チームは岡崎久彦元駐タイ大使、舛添要一元東大助教授(現参議院
議員)、クリントン陣営の対日政策顧問のマイク・モチヅキ氏(現ジョージワシン
トン大学教授)、それにジョンズホプキンズ大学の助教授だったマイク・グリーン
氏(現国家安全保障会議のアジア上級部長)などという面々だった。
それぞれが日本側の役割を与えられ、目前の危機への対応策を打ち出すわけだ。私
も加わり、シミュレーションの出発時点での自民党代表の首相役にされたが、危機
への対応が国内で反発を受け、次の総選挙で野に下るというシナリオになってしま
った。この演習は仮想の12年間をカバーするために3日間も続くのである。
1997年5月に開かれたMITシミュレーションでは仮想シナリオはさらに刺激的だった
。(1)日米安保条約がアメリカの意向で解消される(イランのバーレーン侵攻や
インドネシアとオーストラリアの軍事衝突に対しアメリカは日本の支援を求めるが
、日本は憲法上の制約を理由に拒み続け、アメリカで日本非難が高まった結果、日
米同盟の破棄となる)
(2)中国を訪問中の天皇に対し暗殺が試みられる(中国での日本の化学兵器処理
が失敗し、中国側に約2000人の死者が出る一方、ちょうど中国を訪れていた日本の
天皇への非難が高まり、暗殺事件にまでエスカレートする)
(3)中国とアメリカとが軍事的対決を高める(中国が軍拡を続け、台湾武力併合
の構えをいよいよ強めて、アメリカがそれに対抗し、実際の海空部隊を台湾海峡近
くに集め、一触即発の軍事緊迫が高まる)
347日出づる処の名無し:2005/08/31(水) 17:40:57 ID:1QKIsPvk
>>346 つづき
こうした事態に対して日本がどんな動きをとるかの演習だった。このときは2008年
からの12年間の危機が想定されていた。
私はこの97年の演習でも前半の時期の日本の首相役にさせられたが、「中国を訪問
中の天皇が中国の退役軍人に暗殺されかかり、日本政府が逮捕された軍人の身柄引
き渡しを中国当局に求めたところ、中国側は拒んで、その軍人をすぐ処刑してしま
う」などという想定に日本政府としてどう対処するかなど、いくら仮想とはいえ、
身がすくむ思いをさせられた。