【世界の】南京大虐殺はウソ【常識】15次資料

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856日出づる処の名無し
あの戦争から60年  田中優子 選

 終戦から六十年、私たちはあの戦争を忘れるべきなのだろうか?

 自民党は「自衛軍」を明記した新憲法草案を作り、イラクに派兵
し、女性国際戦犯法廷の報道に介入し、首相は靖国参拝をやめない。
「忘れろ」と声高に言っているようなものである。

 しかし本を読んでいる限り、忘れるどころか、今までわからなか
ったことが次々とわかってくる。たとえば林博史『BC級戦犯裁判』
では、戦後の裁判で明らかにされた日本人の行為が事実のみ淡々と
記述されているのだが、それがあまりにも生々しい具体的な内容
で、時々読み続けられなくなる。シンガポールでは華僑数千人を、
ビルマでは約六〇〇人のインド人を、マレー半島のさまざまな村で
数十人から千人を、インドネシアのババル島で四〇〇〜七〇〇人を
処刑・虐殺した。中でも「花岡事件」は最も知られた事件である。政府
がおこなった中国人強制連行により、秋田の花岡鉱山で過酷な労働
をさせられた中国人捕虜四一九人が死去し、その中の一〇〇人は集
団唐房語におこなわれた暴行で亡くなっている。著者も言うように、
裁判で明らかにされたのは氷山の一角だ。しかもほんとうの責任者
はなかなか罪に問われない。
857日出づる処の名無し:2005/08/14(日) 08:42:21 ID:KWVZ78T/
 靖国への合祀でA級戦犯ばかりが取りざたされるが、BC級戦犯
は被告約五七〇〇人を数え、そのうち九三四人が死刑を宣告され
た。A級戦犯裁判は侵略戦争をおこなった指導者層の「平和に対す
る罪」を裁くもので、B級戦犯裁判は一般住民の虐殺や暴行、捕虜
の過酷な扱いなど通例の戦争犯罪、C級は人道に対する罪を裁く
ものである。戦争裁判は戦勝国の勝手なやりかたと言う人がいる
が、太平洋戦争の前からハーグ陸戦法規やジュネーブ条約があり、
第一次大戦後のベルサイユ条約では、戦争犯罪人を軍事裁判所で処
罰する方式が国際的に認められ、それを日本も承認していた。何が
戦争犯罪なのか、充分に知っていたのである。

 もうひとつよく言われることがある。それは「戦争なのだからし
かたない」「上官の命令に逆らえなかった」という言いぐさである。
本書はそういうことは「免責されない」という立場をとる。人間は
個人として「自ら考え判断しなければならない」のであり、戦争に
責任転嫁することじたい、個々がアジア太平洋戦争に向き合って来
なかった結果なのである、と。
858日出づる処の名無し:2005/08/14(日) 08:44:16 ID:KWVZ78T/
 しかしBS級裁判でもほとんど扱われなかった問題がある。慰安
婦のことである。全体でどれだけの数の女性が強制売春させられた
か、裁判においても真剣な追及はされなかった。二〇〇〇年になっ
てはじめて国連が「国家は戦時の性暴力を訴追する責任がある」こ
とを決議し、女性国際戦犯法廷において、日本軍慰安婦制度は「人
道に対する罪」と国際的に認定されたのである。従軍慰安婦問題は
過去の問題であるどころか、始まったばかりなのだ。

 若葉みどり『戦争とジェンダー』は、なぜ戦時に慰安婦が動員され、
強姦が絶え間なく起こるのか明快な論理で語る。戦争を起こすシス
テムの基本には家父長制があり、それが他民族支配、異文化差別、
女性差別そして暴力と結びつくのだ、と。南京では約二万人が強姦
され、その多数が殺されたことが東京裁判で報告されている。戦争
における強姦は自然な性欲の結果などではなく、形を変えた戦闘な
のだという論は、非常に説得力がある。実際に、慰安婦も南京虐殺
も無かった、と言いたがる人々が夫婦別姓に反対し、派兵に関心を
もち、家庭を大切に、とぶつそのつながりが、私はこの本で非常に
よく理解できたのである。
859日出づる処の名無し:2005/08/14(日) 08:47:46 ID:KWVZ78T/
 ところでアジア太平洋戦争の終戦から六〇年だが、よく考えてみ
ると日本は、一一〇年前の日清戦争からずっと植民地戦争をおこな
っていた。その歴史は朝鮮半島、中国と深いかかわりをもってい
て、そのまま太平洋戦争につながっていった。『未来をひらく歴史』
は、日本、中国、韓国が共同編集をした近現代史の歴史教科書で、
そのん経緯がたいへんわかりやすく述べられている。福沢諭吉の脱亜
主義も、関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺事件も、御前会議で天
皇が果たしていた役割と責任も、日本の教科書が避けて通るところ
をはっきりと見つめている。『「戦後」とは何だったのか』のなかで
高史明は、満州事変とは「明治維新以降の日本のものの考え方の暗
部の総体を受け継いだ」事件で、にもかかわらず「戦後の日本はそ
の暗部を覆い隠し」たこと、今の日本の幸せは「軍部の独走」とい
う虚構の上に成り立っている、という鋭い指摘をしている。明治以
降の植民地戦争の全体をみつめることこそ、今の世界の価値観を見
通し、個としての責任に向き合うことなのではないか。

毎日新聞 本と出会う 批評と紹介

マスコミ板に貼ろうとしたんだけど連続規制厳しくて駄目だった
読んでてクラクラしたよw
この人の批評はいつもこうなんだけど
web版毎日新聞にはうpされない
今日のはさすがに酷いので手打ちでうpしてみた