台湾:尖閣近海へ軍艦視察、行政院長は同行を拒否 - 2005/06/21(火) 14:08:21更新
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2005&d=0621&f=politics_0621_003.shtml 台湾国防部は21日午前、日本との漁業権問題でもめている尖閣諸島(中国名・釣魚島)近海
を視察するため、海軍のフリゲート艦を出港させた。この軍艦には李傑・国防部長(国防相)、
王金平・立法院長(国会議長)が乗り込んでいる。
王・院長は20日、この視察について「漁業権保護のための行動であり、単なるパフォー
マンスではない」と述べ、行政院(内閣)の謝長廷・院長も同行するよう促していた。
しかし謝・院長は自分の管轄内ではないため、同行しない考えを示したと報じられている。
台湾の漁業関係者の間では、問題の海域で日本の巡視艇が台湾漁船の取り締まりを
行っていることに対して、抗議の声が高まっている。「弱腰外交」として台湾政府を非難
する声もあがっており、今回の視察はこうした声を静めようとの思惑があるとみられて
いる。(編集担当:恩田有紀)
漁民向けパフォーマンスか 台湾軍艦派遣、不満に配慮
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20050621/20050621a3320.html 【台北21日共同】台湾の最大野党、国民党の王金平・立法院長(国会議長)らを乗せた
海軍フリゲート艦「鳳陽」が21日、日本と漁業権争いのある尖閣諸島(中国名・釣魚島)
近くの海域を視察したことについて、台湾では漁民の不満解消を図る「パフォーマンス」
との見方が有力だ。
外交部(外務省)の呂慶龍スポークスマンは同日の記者会見で「漁業交渉により、日台双方が
受け入れ可能な案を探すよう希望する」と日本に話し合い解決を呼び掛けたが、交渉妥結の
めどは立たず、漁民の不満解消は当面難しそうだ。
2005年 6月21日 (火) 19:41
与那国島海域を視察、台湾の海軍艦船が帰港
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050621i314.htm 【台北=石井利尚】台湾海軍のフリゲート艦が21日午前(日本時間同)、日本と台湾が漁業問題で
もめる与那国島周辺の海域を視察するため、台湾北東部の蘇澳(そおう)港を出航した。
同艦には、李傑・国防部長(国防相に相当)と最大野党・国民党の王金平・立法院長(国会議長)が
乗り込み、出航から約7時間後の同日午後に帰港したが、国防部(国防省)報道官によると、同艦は、
日本の排他的経済水域(EEZ)には入らなかった。
同報道官は「海の状態が悪く、予定より早めに引き返した」と説明した。
台湾の中央通信などによると、王立法院長は同日、乗船する際、「釣魚台(尖閣諸島)は歴史、
地理、法的に見て、台湾の領土だ。主権の擁護で妥協は許されない」との談話を発表。日本と
台湾、中国で、尖閣諸島の周辺海域を共同開発するよう呼びかけた。
同通信によると、最大野党・国民党副主席でもある王院長は、「日本に弱腰を見せては問題解決
につながらない。(日本に)強硬な態度を示すことは、緊張を生むどころか、漁業協議を後押しする
ことになる」と述べ、対日摩擦を恐れずに漁業権益保護を優先するよう、台湾当局に求めた。
王院長は来月16日の国民党主席選に立候補しており、与党側は、今回の軍艦乗船を「政治演技」
と批判している。ただ、同選挙で王院長と争っている馬英九・台北市長も21日、「台湾はこれまで
日本と、漁業問題だけを話し合い、釣魚台の主権問題を協議しなかった。大変な失策だ」と述べ、
日台友好を優先した李登輝・前総統と陳水扁総統の対日姿勢を批判。2人の対日姿勢は、日台が
7月に開く予定の民間漁業協議などに影響する可能性もある。
(2005年6月21日21時47分 読売新聞)
台湾軍艦が尖閣視察 - ちらつく国民党主席選
http://www.chunichi.co.jp/00/kok/20050622/mng_____kok_____000.shtml 【台北=佐々木理臣】台湾の王金平・立法院長(国会議長)らを乗せ二十一日、沖縄県・与那国島
北方まで航行した台湾海軍のフリゲート艦「鳳陽」は、日本との間で漁業権争いのある尖閣諸島
(中国名・釣魚島)近海の視察を終え、同日午後、台湾・蘇澳の海軍基地に帰着した。視察中に
日本側艦船などとのトラブルはなかった。
王院長は帰着後、記者団に「台湾が漁民を守り主権を主張する目的は達せられた」と述べた。
台湾がこの日、異例の軍艦派遣に踏み切ったのは、日本の排他的経済水域(EEZ)内での台湾
漁船の操業取り締まりに漁民が「伝統的な漁場を守れ」と強く反発しているのを受けたものだ。
漁民の不満解消や国防予算通過をにらんだ演出の側面が指摘されている。
王院長は最大野党・国民党の副主席で、七月十六日に行われる同党主席選に出馬しており「党の
地盤である漁協関係者に存在感をアピールする必要があった」(政治学者)との見方も出ている。
同艦には、李傑・国防相も乗船。台湾は米国から潜水艦やパトリオット・ミサイル(III型)など総額
四千八百億元(約一兆六千八百億円)の武器購入を迫られており、台湾政府と軍は議会多数派
の野党の反対を抑えて巨額防衛予算を通過させなければならない。
この日、出動した軍艦には立法委員(国会議員)十数人に加えメディア関係者ら約百人も乗船。
李国防相は「武器購入と視察は無関係」と強調しているが、軍艦出動が防衛力強化の必要性を
アピールする絶好の機会となったのも確かだ。
日台漁業権問題で近く協議が行われる予定で、台湾側が漁民らの権益保護を掲げて強気で
漁業交渉に臨む可能性もある。[中日新聞]