【マイナスイオン】岡田代表研究第50弾【卑しい系】

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691日出づる処の名無し
改憲を論議する環境
週のはじめに考える
 憲法は国民と国家の針路を理念として指し示すものですから、
冷静な環境で議論しないと将来に悔いを残すことになりかねません。政治の世界の過熱は危険です。

 今年は日本国憲法の大きな曲がり角になりそうです。
衆参両院の憲法調査会の最終意見書、民主党の憲法提言、自民党の憲法改正案の取りまとめが予定されており、
それぞれ大きなニュースになるでしょう。

 焦点は戦争放棄と軍隊不保持を定めた第九条の扱いです。
小泉純一郎首相は今月二日の衆院予算委で「自衛軍の明記に賛成」と答えました。
政治の世界、特に自民党内と民主党の一部では、憲法改正の是非を考えるのではなく
改正を自己目的化した議論が行われています。

 国民と国家の針路を示す
 各種世論調査では改正内容の各論はまちまちですが、「改憲容認」の総論が独り歩きして、
とうとうたる流れが国民の間にもできているかのように錯覚させます。

 憲法と現実が合わないことはほかにもあるのに、第九条の問題だけがことさら強調されます。
完全とはいえないにせよ、現在の憲法が戦後六十年間、国民と国家の利益に役だってきた功績はあまり語られません。
憲法は国民と国の進むべき針路を理念として指し示すものである、という原点も置き去りにされています。

 教育現場が荒れた、道徳が退廃した、権利意識が高まり過ぎたなどと嘆き、
「すべての悪の根源は憲法。だから丸ごと変えなければ」と思っているような人がいます。
「日本の歴史や伝統を大事にしろ」と言いながら、歴史の負の部分に光を当てるのは「憲法が悪いせいだ」と攻撃したりします。

 憂うべきは、少なからざる政権担当者、国会議員がそのような復古調に共鳴し、
実際の政治でそれに近い路線へ踏み込む傾向が強まっていることです。それを後押しするメディアもあります。
692日出づる処の名無し:05/02/21 12:57:56 ID:kEfW7GNn
やさしい顔のファシズム
 さらに警戒すべきは、中国、北朝鮮などに対するここ数年のナショナリズムの高まりです。

 歴史、伝統を恣意(しい)的につまみ食いしたり、感情的な排外主義を声高に唱える政治家の人気が高く、
異論を唱えにくい社会の雰囲気が生まれています。

 武器を携行した自衛隊の海外派遣にも多くの国民はさしたる抵抗感を覚えなくなりました。

 軍事機密の範囲を拡大した自衛隊法改正、「人権保護」の名により言論、報道の自由を制約する個人情報保護法の制定や
人権擁護法案の国会再提出計画など、国民の目と耳をふさごうとする動きが盛んです。

 “やさしい顔のファシズム”との評さえある、このような環境は、冷静であることが必要な憲法改正論議にはふさわしくありません。

 冷戦終結で米国が唯一の超大国になり、国際平和の確立へ向けた外交の選択肢が限られていることも、
日本の将来を左右する新しい基本法を考えるには好ましくありません。

 現在の政治状況はそれなりに国民に支持されています。だからこそかえって注意が必要なのです。

 歴史を見ると、政治家が一方的に世論を引っ張っていくだけではありません。

 日米開戦の最高責任者、東条英機、ナチス総統ヒトラーは、今でこそ悪名高い人物ですが当時はマスコミにもてはやされました。

 「国民が反対したのに政治家や軍部が突っ走った」と考えているとしたら間違いです。
当初は圧倒的多数の人々が政府を支持したのです。

 「今は民主主義だから違うよ」と言い切れるでしょうか。
アフガニスタン、イラク戦争前の米国社会の興奮や、小泉首相の支持率がまだかなり高い日本の現状を考えれば、
首をひねらざるを得ません。
693日出づる処の名無し:05/02/21 13:00:01 ID:kEfW7GNn
 小泉流の政治手法は事実と論理で説得するのではなく、独断による強引な実行です。
郵政民営化で壁にぶつかっているものの、独特の風貌(ふうぼう)と小泉話法とでもいうべき巧みな修辞を
テレビに露出させて得た国民的人気をエネルギー源としています。

 対話、討論で決まるのが民主主義の理念であり原則です。
しかし、情緒的レベルでからめ取られてしまう多数者の存在が、社会の方向性を決めてしまうのが現実です。

 日本では、細かな思考は抜きにして、結論だけを手短に、断定的に話せる政治家たちがテレビ番組で重宝され、
その危険性に拍車をかけています。

 こんな時には、高ぶった世論の前に立ちはだかって国民の手綱を引き締め、
世論をあおる人々を戒める見識のある政治家が求められますが、残念ながら見あたりません。

連立方程式を解くように
 戦後の日本再建は、複雑な国際社会をにらみながら多次元の連立方程式を解く政策判断の成果でした。

 小泉首相をはじめとする二世議員の多くには、一次方程式しか解けそうもない単純思考が目立ちます。

 国民も政治家も連立方程式で考えないと「あの時ああしておけば…」と悔やむことになりかねません。

ttp://www.chunichi.co.jp/00/sha/20050220/col_____sha_____000.shtml