「武士道の国から来た自衛隊 イラク人道復興支援の真実」
産経新聞イラク取材班 産経新聞社 1500円
という本を買って読んでみました。
マスコミが普段、伝えない
自衛隊のイラク人道復興支援の様子が
分かって面白かったです。
印象的だった女性自衛隊員のセリフを以下に。
『わたしが彼女たち(イラク人)に伝えてきたのは
「あなたたちが自助努力せずに、ただ、口を開けているだけでは、
私たちは絶対に支援できないよ」ということでした。』
『30年近く続いたサダム・フセインの独裁政権下で、
トップダウンで来るものしか受け入れてこなかったからで、
その弊害がきわめて深刻な症状を呈しているのです』
イラク人達はフセインの独裁政権のおかげで、
何でもくれ、くれ、という態度をとっていたということでしょうか。
日本の支援はイラク人達に努力して、
何とか独り立ちして欲しいという姿勢なのかもしれません。
他国軍では、雇用者、被雇用者の区別を明確にしているそうです。
軍人が銃を持って、イラク人の働きぶりを見張っているのです。
悪くいえば、看守が囚人を監視するようなものかもしれません。
しかし、自衛隊の場合は、イラク人と一緒に、
汗まみれ、埃まみれになり、働いたそうです。
他国軍では、雇われたイラク人が時間になると、
仕事が途中でも帰ってしまうとか。
自衛隊に雇われたイラク人達は、暗くなるまで仕事をしていたので、
他国軍の軍人達が驚いたそうです。
個人的な感想ですが、かつての日本の台湾統治を連想しました。
本の最後に「表面的に自衛隊に感謝の意を示しているのは八割」
「しかし、本心から感謝してくれているのは五割だろう」とあります。
五割ものイラク人が不満を持っているのは、やはり、
イラク人の「くれ、くれ」的な態度が影響しているのでしょうか。
でも、長期的な視点で見れば、トップダウンの支援よりも
自ら努力して国を支えて欲しいという自衛隊の支援の方が、
イラク人のためになるような気がしますし、
後の歴史で高い評価を受けるような予感がします。
以上、長文すみませんでした。
他にもいろいろ興味深い話があります。買って読んでみてはいかがでしょう?