613 :
船虫Jr ◆.Tg2yBtH66 :
クライド・プレストウィッツ(レーガン政権時の商務長官特別補佐官)
『ならずもの国家アメリカ』より、
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現在の問題(政治腐敗と日本の非民主主義)の原因は、煎じ詰めれば、アメリカによる戦後占領期と、
その当時アメリカと日本が結んだ奇妙な取り決めによる制度にある。
マッカーサー元帥とワシントンの政府高官らは、日本を統治するためには国民を統合する父親的存在として、
天皇を存続させておく必要があると判断し、天皇は東京裁判への起訴や裁判での証言を免除された。
裁判の過程でも、誰の頭の中にも天皇の存在はあったが、その名前が裁判で言及されることはついになかった。
だが現実には、この戦争では数百万人が天皇の名のもとに生命を落としたのであり、
天皇が戦争に深く関与していたことは全国民が知っていた。その天皇に戦争責任がないというのなら、
いったい他の誰を有罪にできるだろう。
「誰も有罪になりえない」という答えは分かりきっていたので、
日本人はおおむねこの裁判に冷めた見方をした。
そして、これは単なる勝者の正義であると受け止めた日本人は、最終的に、
有罪判決を受けた人々に罪があったかもしれないということさえも認めようとしなかった。
むしろ、彼らは日本の敗戦の償いとして天皇の代わりに犠牲になった殉死者であるかのように、
受け止めた。だから、処刑された戦犯が最終的に靖国神杜に祀られても、
日本人にはそれが特にまずいこととは思えなかったのだ。
こうした国民感情に加え、戦時中、政府を動かしていた官僚機構が
ほとんどそのまま手つかずで戦後に引き継がれた。(p368)